■2003年10月の日記

10月31日 Fri

 瀬戸さん主導で装置のタタキ。ここのところずっとシャンプーの福田さんにお願していたのでタタキなんてひさしぶり。フラジャイルで知り合った長田嬢とどうしても一回仕事をしてみたくて、今回お願いしたわけだが、外に外注するまでの財力もなく、詩森も2年振りでナグリを持った。とは言えできるのはパネ釘打つくらいなので、三角のベニヤを出来上がった空枠に打っていく。3人かがりで三角を打っているのに、ひとりでどんどん枠を組み立ていく瀬戸さんにぜんぜん追いつけない。もしかしてものすごく仕事が出来るのでは。人は見かけによりませんね。なのでけっこうな物量が今日一日でほとんどできてしまった。もっとも布縫ったりとか仕事はまだまだあるけど。そして夜は2本連続通し。タタキ後でヘロヘロだったことを考え合わせても、まだまだ物足りないかんじは致しますわね。あと5日。がんばりますよー。

10月30日 Thu

 今日から「すみだパークスタジオ」入り。朝8時に西嶋くんと待ち合わせて高津に昨日の出道具を取りに行く。それから稽古場と詩森家で荷物を積んでからいざ「すみだパークスタジオ」へ。いいところだね。車、うるさいけど。今日は12時入りだったので、一日じっくり稽古も出来た。NGだった脇田くんも撮影が早く終わり駆けつけてくれたので、オリジナルの通しもできた。しかしその通しはちょっと「困った」かんじのものだったのであった。まあ初通しなので、とは言え、ダメの質感が「困った」かんじなのには違いなく、ふーむと頭を抱える詩森なのであった。いや。怒り心頭の詩森、とやはりここは正直に書いておこう。

10月29日 Wed

 そう言えば昨日はク・ナウカさんにチラシを届けに行ったのだった。ク・ナウカさんの次の公演は国立博物館なのだが、いやいやスゴかったよ。まずは通用門がやたらと遠い。そしてその通用門から、会場となる東洋館はいちばん遠く、しかも地下にある通路を通っていかなければならない。その地下通路というのがまた筆舌に尽くしがたい迷宮っぽさ。しばし浮き世を忘れる。だってさ、100メートル以上ある廊下(しかも部屋へと続くドアさえない。)とかあるんだぜ。それでも受付のお姉さんに言われた通りに進むと目印となるべき搬入口には辿りついたが、その先の「会場」だと言われたハズの場所は壁で覆われている。窮しきって通りすがりの人に尋ねると、その壁を「開けゴマ」よろしくゴゴゴと開けてくれた。さすがマハーバーラタ、ダテじゃなし。仕込み中だった阿部さんや宮城さんとおしゃべりしてから辞去。雨に濡れた上野公園の緑にちょっと癒される。
 そして今日は美術の長田さんと出道具を見に高津へ。ちょっと怖いかんじの装置になるね。おそらく。きっと。

10月28日 Tue

 密室バージョン、2回目の通し。今回は同じストーリーに別な角度からフォーカスしているので通しを別バージョンの俳優にも見てもらう。明後日から昼・夜稽古になり、バージョンごとに稽古するので、なかなか通しも見られなくなるし・・・。1回目とは別モノといってもいい通し。特に大枝さんの重量感がもの凄く、音楽家・寺田と、音入れるの大好き音響家の青木タクヘイが、「音楽、余計かも」と言うほどの言葉の密度。すげーよ。大枝佳織。でもその分、西嶋くんと松岡さんのラインが弱く感じられ、けっこう厳しいダメ出しも出る。
 オリジナルバージョン。うん。ようやく通せるかも。一日のオフを挟んで、明後日からは「すみだパークスタジオ」での一日稽古。7日間。嬉しいわ。小道具やら衣裳やら、懸案事項は山積みだがな。

10月27日 Mon

 スタッフさんがみんな来る。でも通せない。オリジナルをアタマから返し、どんどん演出をつけていく。約半分まで。少しづつ立体的になってきた。
 そして懸案の密室ラスト。俳優も演出も必死。死力を尽くす。でも足りない。圧倒的に足りない。足りなさへの不安がまた俳優の存在を小さくしていく。もっと妄想を、だ。

10月26日 Sun 

 一日稽古。昼は昼で密室を全部作りなおし。夜は夜でオリジナルを稽古。遅れてくる俳優を待つあいだ、とあるシーンを軽く見るか、と思ったら割ととんでもない事態に。でもなんとかラストまで作った。明日は通そうかな。通せるかな。そして合間に松岡衣裳を探したりもして疲れたので、おとなしく今日は帰りました。


10月25日 Sat 

 昼、紅王国を見てから稽古。キーキーと怒ってた気がしますが、まあキーキーと怒ってましたね。でもなんかわずかに日も差してきた気がするわ。ひさしぶりにみんなで飲みに行く。眠亭。椎葉ちゃんと大枝ちゃんのインタビューがなんだかタイヘンなコトになっていた。
 でもって家に帰ったら、「紅き深爪」で劇作家協会の新人戯曲賞をいただいていた。最優秀賞は12月に公開審査をやるらしいのでまだ先だけど、最終候補6本のひとつとして本になる。

10月24日 Fri 

 密室、初通し。参考記録、というかんじ。何も貰いあっていないのだもの。明日からじっくりまた稽古しなければ。オリジナル組は少しづつ亀のように歩んでいる。こちらも今週末にはメチャクチャでもいいから通さねば。ああ。稽古。稽古がしたい。一日中。
 そして美術打合せ。なんか、タイヘンなことになっているんですけど、装置。でもようやく方針が固まったので、演出プランも衣裳プランも本格始動。こう、カッコいい絵ができそう。イメージはダリのポルト・リガートの聖母ってかんじで。
 ああ。こんなひくーいところでグルグルしている場合ではないワケね。ここにきて予約もググッと伸びてきたし。がんばりまーすーよー。

10月23日 Thu 

 自由保育を実践しているK幼稚園というところにクリエイティブ・ドラマという幼児向けの演劇エデュケーションを見学に行く。屋上に原っぱがあったり、泥んこ遊びのできる土があったりする、ほんと、いい空間だった。クリエイティブドラマも、演劇の原点ってかんじで面白かった。わたしは田舎で育ったので、野原というのは、そのへんに溢れているものだった。でも今は昔わたしが遊んだ野原にも住宅が立ち並んでいる。クリエイティブ・ドラマの題材がブレーメンの音楽隊だったので、わたしの名前「ろば」が注目を浴びていたが、とある小さな女の子から「ろば野郎」と言われたのにはすごいビックリした。この名前のせいでままならないコトは多いが、これほどの目にあったのは初めてのことだ。恐るべし。自由保育。そんな稽古オフ。

10月22日 Wed 

 稽古はなんだかもう不自由なかんじ。俳優ってもっと楽しい仕事だと思うんだけど。どうしてみんな簡単にその自由さ、楽しさを放棄してしまうんだろう。

10月21日 Tue 

 あんまりにも稽古がヌルいので、もう少しで稽古場放棄して帰るところだった。すんでのところでとどまったケド。こんなことは演出家はじめて以来の出来事。わたしはどちらかといえば過激で暴力的な演出家だし、和気藹々とした楽しい稽古場づくりなんて考えたこともない。ただほんとうの言葉で話したいとは思う。優しさという名の保身が蔓延した稽古場なんてイヤだ。

10月20日 Mon 

 目黒一中、ワークショップ。今回はどのチームもうまくいったらしく、素晴らしいことだ。詩森がアシストした山内チームも高度で難しいプログラムに懸念は絶えなかったにも関わらず、概ね成功。綿密な準備と携わる人々の熱量。今、東京でいちばんアツイ演劇シーンとは言えまいか。いや。マジで。
 そのあと稽古。そして美術打合せ。ここにも熱量がある。仕事に誇りを持っている人と話すのは楽しい。あたりまえだけど。創作の現場はいつもそうありたいものだ。

10月19日 SUN 一日稽古

 やっております。一日稽古。
 この時期って進んでるのか後退しているのか微妙な稽古になりがちですわね。


10月18日 Sat 稽古してます

 昼も撮影してから稽古場へ。疲れた。ヘトヘト。しかし、今日も実は学生のような一夜を過ごしてしまったのであった。


10月17日 Fri 撮影

 今日は稽古後、西嶋くんと劇中で使う映像の撮影をした。カメラマンは詩森がやったのだが、普通のデジタルビデオカメラで、ホームムービー風の映像を撮るつもりだっのに、いざ撮ってみると異常に怪しい映像になった。手伝いに来てくれた達平くんは非常に優秀な助手だが、詩森がなにか撮るたび、カメラワークが妖しすぎると突っ込みを入れてくるので煩かった。そんな詩森のアングラ映像はぜひ公演でお確かめ下さい。でもって撮影後は昔のビデオを見て大騒ぎ。学生のような一夜を過ごしたのであった。


10月16日 Thu ワークショップの日々も続く

 今日はワークショップ研究会。デモ授業のハシゴ。最初はアシスタントをつとめる青年団俳優山内さんの言葉のワークショップ。これ、すごくオモシロイんだよね。山内さんの説明も解りやすく、アシスタントをしていて誇らしい気分に。
 夜はアナザーワークス、わたなべなおこちゃんのワークショップ。オモチャ箱をひっくり返したような2時間。わ、若い。元気だなあ。おもしろいね。アナザーワークス。
 どちらのチームリーダーも「これ、中学生がやるかな」と不安げ。やります。大丈夫。というか、やってもらいましょう。リーダーよりアシスタントで入るほうが微妙に好きらしく、3チーム、デモを受けて、どのチームもアシストしたくなる詩森。まあ20日は山内チームでがんばりまーすーよー。
 さらには走ってフラジャイルの稽古場へ。最後の30分を見学。かなり精神的に疲れる稽古をやっております。まあ、精神的に疲れる芝居だから、しょうがないか。がんばれー。みんなー。


10月15日 Wed 日記続いています

 ぎりぎりまで脚本直してワークショップ研究会@こども劇場の打合せ。おもしろくなりそう・・・なのはいいけど、稽古に間に合わない。
 走って稽古場。今日からフルメンバー。読み合わせ。グチャグチャ。聞いてる間に腹だたしい気分に。でも今日から来たリリーちゃんはステキだった。ずっと稽古場にいる人より初見のリリーちゃんのほうが存在感があるというのはどういうことなのか。稽古後は寺田くんと打合せ。終電で帰る。

10月14日 Tue 日記、日々更新中

 昼はワークショップ研究会。デモ授業。なんかストンプみたいなパフォーマンス。面白いけどものすごく集中力がいるので頭がすごく疲れた。それにしてもこのメンバーでやる創作はやたらと面白い。見世物になるレベルだと思うんだけど。
 そして稽古。ここをもうちょっとゆっくり書きたいな、と思ったラスト3ページを含めた10ページ、原稿用紙にして40枚分を一気に書き上げ持っていく。でも案の定、ラスト3ページが肩すかしだと俳優に言われる。そうなんだよ。ここはほんとは「続く」なんだよ。でも達平くんに「ここまで書いたらもう書きあがるじゃないですか」と言われるのが怖くて書いていったんだよ。ね。だから言ったでしょ。そーゆーものじゃないって。でも今日、詩森はものすごく大切なものを達平くんに渡す約束をしていたのに、忘れてしまい、達平くんを怒らせたのだが、脚本が上がっていたのでちょっと機嫌を直してくれた、という顛末があり、まあ、そのためだけにも書き上げていってよかったのであった。でもこれから日記をアップして、それから書き直ししなくては。明日からはリリーちゃんこと笹野鈴々音ちゃんも来て、フルメンバーだしな。


10月13日 Mon ひっそりと日記再開しております

 打ち合わせが押し、急いで稽古場に向うも、なぜかピンポン玉のように下北沢と成城学園前を行ったり来たりしてしまうワタシ。真相は成城学園前からひとつ戻って祖師谷大蔵に行こうとしたその時、松岡から驚愕の電話(今日の稽古場はキャンセルされています、だと)が来て、驚きのあまり丁度来た急行に乗ってしまい、下北沢まで行ってしまったのだ。なので今度は用心して各駅停車で向ったら、経堂で20分近く止まったという、まあどうでもいいようなよくあるような理由によるものなのだが・・・それにしても稽古場キャンセルっていったい・・・。
 まあキャンセルなんてしてません、と言い張って使わせてもらい事なきを得たのではあるが。男性の声でキャンセルの電話があったと聞き、実は稽古場のカードの枠をフラジャイルからお借りしている関係で、「あれー、ちゃんと報告してなくてキャンセルされちゃったのかなー」などとまっさきにフラジャイルの小里くんを疑うワタクシ。しかも「キャンセルしちゃうまえに電話くらいくれたらいいのに」などと根拠ない誹謗中傷までされる。しかしよく考えると今日は風琴工房のカードで借りた稽古場なのであった。疑ってゴメンよ。小里くん。
 そういえば今日はオリジナルのリライトで遅れていた密室バージョンの改定を稽古場に持っていったのであった。詩森と西嶋くん、松岡で書き直し部分について、「どうだろーねー」と話しあっていたら、KAKUTA大枝さんが「わたしはとってもよくなったと思います(言い切り)」とまさに鶴の一声。「とてもよくなった」ことに決定したのであった。そんなこんなで密室バージョン、驚くほど濃密な「メロドラマ」でございます。どうぞお楽しみに。


10月12日 Sun 日記くらいしか省略できなかったので その4

 昨日の続きは今日なのね。というかんじ。ぎりぎりまで脚本書いてから稽古場へ。オリジナルバージョンは昼ドラ状態。今日もあんまりと言えばあんまりなところで「以下次号に続く」になっていたため稽古場は騒然。制作達平くんにここまで書いたらもう最後まで書けるじゃないですか!!と怒られる。そーゆーものでもないのよ。ホント。今、家に帰ってきて深夜1時。日記アップしたらまた書かなきゃ。


10月11日 Sat 日記くらいしか省略できなかったので その3

 一件打ち合わせしてから稽古。今日は松岡と愛ちゃんのシーンをジックリ。まだまだ良くなりそうではあるけど、サクサクっとシーンは上がる。家に帰って脚本の続き。もうしばらくベットで寝てないなー。とは言えPC部屋の硬い床でだんだん熟睡できるようになってきて、それもどうかと。まああと一息。がんばりまーすーよー。


10月10日 Fri 日記くらいしか省略できなかったので その2

 ひさしぶりに折込に行った。フラジャイルのチラシは2枚折なので殆ど凶器。いっしょに行ったフラジャイル組の雪絵ちゃん、実近くんとお茶してから稽古。今日はオリジナルバージョン。大枝さんと西嶋くんのシーンは重たくてスゴイ。なんかブラックホールみたいだな。大枝嬢は。説得力ありすぎ。帰ってからはまた脚本。ああ、地獄。「小人が書いてくれないかな」と言ったら達平くんに怒られるし・・・。でも目処がようやくついたわ。つきましてよ。


10月9日 Thu 日記くらいしか省略できなかったので

 ずっと更新してなかった。この間にユダの稽古も始まったし、目黒一中でワークショップリーダーもやったし、横浜の山奥まで老人ホーム向けのワークショップも見学にも行ったし、埼玉県で平田オリザさんの中学生向けワークショップのアシスタントもやったし、これからはじまる様々なワークショップの打ち合わせをしに行ったりしたし、次回目黒一中でワークショップする人のデモ授業やったりと、主にワークショップ関係で忙しかったのでした。その合間にフラジャイルの制作もやってるし、なんと言ってもいまだに11月公演の脚本の書き直しをチマチマやっている。ちゅーか、オリジナルバージョンは殆ど新作だな・・・。あの初演のキレイな雰囲気を愛したお客さま、ごめんなさい。詩森はこの10年ですっかり汚れてしまいました。でも西嶋くんは相変わらず綺麗でございますよ。というワケでひさしぶりの更新だけど、たくさんは書けない。これからは毎日更新・・・したいねえ。と希望。