王宮

壮麗なウィーンの王宮と観光客まるだしのポーズのろば氏


1998年5月30日 ウィーン1日目−その2−

ヴェルヴェデーレ夏宮でクリムトとシーレを堪能し、まだなんとなく時間が早かったので、大観覧車で有名なプラターの遊園地にトラムを乗り継ぎ行ってみた。大観覧車というのは、まさに大観覧車で、10人乗りくらいの木製のでっかい棺桶みたいなものがゆっくりゆっくり回っている。とりあえず乗ってみるが、とにかくスピードが遅く、しかも、人が乗り込むたびに止まるので、一周するのにものすごく時間がかかる。その上、中で人が移動するたびにギギーッとかしぎ、またかしいだまま止まるので、とてもコワイ。率直にいってそれほど楽しい乗り物ではなかった。シュテファン寺院で得た、「むやみに高いところに登りたがらない」という教訓をちっとも生かしきれていない詩森である。

観覧車に乗るうちに、突然大粒の雨が降ってきた。しばらく、雨宿りしていたが、どうも様子がへんだ。当地ウィーンでは、雨が降ってもジェットコースターですら営業をやめず、また人々も傘をさすこともなく平然と乗り物にのっているのである。控え目に見ても「どしゃぶり」と言って差し支えない雨の中で、である。この後も何度か雨に見舞われたが、観察しているとオーストリア、少なくともウィーンにおいては、傘をさす、という習慣は存在しない。時折さしている人もいるが、少数派である。そこで郷においては郷に従えとばかり、詩森も雨の中、どっしゃーんと水の中を疾走するジェットコースターに乗ってみた。もちろん、ビショヌレになったし、ガチガチ震えるほど寒くもあったが、これはなかなか開放的で楽しい体験であった。この他、このプラターの遊園地では本物の馬が回っているメリーゴーランド、というのを発見し度肝を抜かれた。考えても見てほしい。真ん中にムチを持った御者がいて、そのまわりを5、6頭の子馬がチャンチャカ、チャンチャカ回っているのである。脱力するなという方が無理だ。

まだまだこの異国の遊園地で遊びたかったが、さすがに風邪を引きそうなので、ホテルに一旦退却することにした。お風呂に入り、厚着をして、(昼間はTシャツでも汗ばむほどだったのに、ヨーロッパはスゴイ温度差で、夜は殆ど冬支度であった)食事のために再び外出。朝も昼もパンとコーヒー程度だったので、今日はじめてのちゃんとした食事である。ここではかの有名なウィンナ・シュニッツケル(子牛のカツレツ)を食す。揚げたてのカツレツにぎゅっとレモンを絞って食べるとなかなか美味しい。不思議な味のスープも結構イケる。でも正直言って、ヨーロッパで食べた食事の中でいちばん美味しかったのが、このウィンナ・シュニッツケルで、後はもう惨澹たる有り様であった。美味しいものを食べることが何よりの楽しみという詩森も、最後は楽しみにするのも疲れてしまい、なんでもいい、どこでもいい、と食事に関しては目茶苦茶投げやりな態度になってしまった。

ここまで、さんざん遊んで、ようやく日が沈む。時刻は9時。ライトアップされた建物が美しい。長い長いヨーロッパ第一日目はこうして終了したのであった。



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