ろばくん ROBA DIARY

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5月31日 Wed

 せっかく寺田くんが持ってきてくれた音楽について検討しているヒマがとれないので、清水の舞台から飛び降りるつもりでMDウォークマンを衝動買いする。詩森はとにかくイヤホンやヘッドホンが嫌いなので、今まで何があってもウォークマン関係は買わなかったのだが、そんなことも言っていられないので、思い切って購入したワケだ。稽古場に行ったらシンゴちゃんが、「僕2台持ってたから貸したのに」と言われて、ちょっと早まったかな、と思ったが、買ってしまったらこれが意外に気に入ってしまい、大満足の詩森だ。なんといったって音がいい。これで寺田くんが作ってくれたサンプリング音を聞いていると自分がデビットリンチの映画の主人公になった気分だ。車も人もスローモーションっぽく見えて、夏の光も狂ったように乱舞しているようなカンジがする。イヤホンはやっぱり嫌いなので、時々気持ち悪くなるんだけど、風景が異化するのが面白くて聞くのをやめられない。この風景にはこの音がハマルとかこっちの音だとまた意味が変わるとか、超マニアックに楽しんでいる。そんなこんなで、芝居のどのシーンにどれを使うのか、という初期目的はちっとも果たしていない気がするが、なかなか有意義な素晴らしい買い物であったということでよしとすることに。
今日はとあるトピックスがあって詩森なりにいろいろ考えた日でもあったのだけど、それは稽古場日誌の方にアップしたのでぜひ読んで下さい。

5月30日 Tue

 今日は(飲まずに)帰るぞー、と張り切っていたら、音楽の寺田くんがやってきた。作った曲のMDを持ってきてくれたんだけど、なぜか昨日の日記にも出てきたタイくんと一緒だ。なんでも今日タイくんの店で彼らのライブをやるという。ふーん、そうなんだあ、と聞き流していたら、「(稽古終わって詩森が)来たらやるから」と言い置いて帰ってしまった。それは、もしかしてライブに来いということ?
 仕方ないので稽古後有志をつのってタイくんの店へ。タイくんの歌は実は初めて聞いたんだけど、ソウルフルでなかなか素晴らしかった。たまに顔が赤らむような歌詞があるけど、まあ、ご愛敬ということで。そんなタイくんの店、BIG MOUTHは下北沢南口商店街をひたすら下って、茶沢通りに出ても更に真っ直ぐ行った右側の2階の店だ。ゴハンも美味しいので、皆さんぜひ行ってあげて下さい。「ろばの知り合い」と言うともしかしたら何かいいことがあるかも知れないです。(ただし「詩森」と言ってもタイくんには通じないかもしれません。ぜひ「ろばさんの知り合い」と言って下さい。)  

5月29日 Mon

 今日しか行ける日がないので美容院に行って来た。この間久しぶりに会ったカナエちゃんがものすごくカワイイ髪形をしていたので、美容院を聞いておいたのだ。美容師さんもとてもいい人だと言うので、今回は迷わずそこを予約した。美容室は代官山の住宅街にポツンとあって、ロケーションからしてカワイイ。担当者はナカジマさんと言うのだが、最初、梁くんの映画仲間のイマナリくんにあまりに似ているので、いつのまに美容師に転職したのかと思ってビックリした。イマナリくんは背はそんなに高くないけど、ナカジマさんはものすごく背が高い。だから当然別人なんだけど、顔が似ているせいか、話し方もそっくりで、なにかとても不思議な気分だ。
 このナカジマさんが、久々大ヒットのナイスキャラクターであった。
 なんでも彼はブルースが好きで、しかし回りにそういうブルージィーなのが好きな人がいないらしい。当然だ。今や世の中はブルースと言えば、リズム&ブルース。いまどき元憂歌団の木村さんのコンサートに行くような男に話の合うやつなどいるハズがない。
 ところが、いたんである。
 それは、何を隠そう詩森だ。
 カナエちゃんはあれでなかなかの音楽通なので、その友達なら音楽に詳しいかもしれないとナカジマさんは踏んだらしく、その予感が見事的中したというワケだ。それからの彼の喜びようと言ったらハンパではなかった。カットをしている間もロッドを巻いている間も、ずうっと話し続け、嬉しくて嬉しくて仕方がないという様子だ。美容室に行く方なら解ると思うけど、パーマを定着させている間は雑誌を読んでジッと待つ、というのが普通であるが、その間も彼は詩森の傍らに立って話し続けていた。君はバリ人かつーの(バリの人はヒマならやすんどけばいいのに、なぜかずっと客のテーブルのところに立って話している)。仕方がないので、寺田くんを紹介する約束とか、寺田くんの友達でブルースのライブなんかもやっている店をこの頃始めたタイくんの店を紹介する約束とかついうっかりしてしまった私。こんなナカジマさんだけど、ものすごく可愛くカットしてくれたので、しばらくはここに通うことになるんだろうなあ。そして、友達になってしまうのかもしれない。次は夏、会津でイガラシさんに切ってもらう予定だけど、秋以降の髪型はナカジマさんにお任せだ。なんたって自転車好きらしいし。髪も気持ちリフレッシュのオフであった。
 

5月28日 Sun

 昨日は律子役の松岡さんの誕生日であった。今日稽古場に行ったら舵が、「プレゼントを買ってきたので200円下さい」という紙をみんなに回してた。気が利くというか細やかというか。ビックリ。プレゼントは当然のようにお酒。しかもテキーラ。
 

5月27日 Sat

 いろいろなことがあってふたりの半陰陽の方とお話した。ひとりの方が「演劇なのですから(現実の全ての半陰陽者を描こうなどと思わず)詩森さんが書きたい詩森さんの頭の中にしかいない半陰陽者を書いて下さい」という言葉を聞いて、様々なことを考えた。もし私の描く半陰陽者が現実とひとつもクロスしていかないものなのだとしたら、それは私の人の心を想像する力やここまでの人生がそれだけのこと、ということだなと思う。結局、作品はすべて自分の責任、ということを確認する大切な夜であった。
 

5月26日 Fri

 すこたん企画の伊藤さん簗瀬さんとの勉強会。お二人は学校などで同性愛に関する講演などを数多くされているので、さすがに進行等よどみなく、興味深いお話をたくさん伺った。このあたりは稽古場日誌の方に書いているので、そちらを読んで下さい。詩森は事前に何度かおふたりにお会いしていたのと、著作も殆ど読ませていただいているので、それを整理しながら話を聞くというかんじだった。なので、話の内容でいちばんびっくりしたのは「ゲイにいちばん人気のある芸能人は松田聖子」という簗瀬さんの言葉であった。そおおなんだー。知らなかったわー。「聖子ちゃんのコンサートで野太い声の声援が聞こえたらそれ殆どゲイです」と力強く宣言する簗瀬さんは、毎年聖子ちゃんのコンサートは欠かさない聖子ファンだそうだ。ちなみに伊藤さんはジャニーズ系が好きで、マッチ、カッチャン、フックン、そして光ゲンジのモロボシくん、スマップシンゴちゃん、という系譜があるそうである。「なんか、男で苦労しそうだわ。伊藤さん」と密かに思ってしまうのは余計なお世話というものだろうか。悪ガキタイプと芸術家タイプが好きな人は苦労すると昔から相場は決まっている。詩森の予感もあながち間違いではあるまい。まあ、そんなこんなで勉強会も終了。終了後の飲み会では「この2回の勉強会より面白いとお客さんに思ってもらえるものをつくらなくちゃねー」などと役者がうなだれるくらい、素晴らしい体験であった。お芝居という形でお裾分けできるよう頑張りますので、ぜひぜひいらして下さいねー。  

5月25日 Thu

 朝、メールチェックをしたら友達のヒロくんからメールが来ていた。なんと5人で芝居に来てくれるというのだ。しかも彼の相方のマサトさん(ふたりは男性同士のカップルなのだ)が主催するウェブサイトでオフ会として告知まで出してくれているのだ。持つべきものは友達である。ほんとうに嬉しい。ところが、このメールよくよく読むととんでもないことが書いてあった。風琴工房ではアンケートにお返事、というのを出している。アンケートを書いてくれた人にひとりひとりに詩森、ナツメ、境でお返事を書くということをここのところずっと続けている。ところがヒロくん的にはこの返事が気に入らなかったと言うのだ。
 要約すると話はこうである。
 彼の相方マサトさんは小説も書くような文系人間で、作品に対する洞察力は全アンケート中でもかなり上位に属すると思うのだが、その彼へのアンケートの返事が「ラブ」に溢れているのに比べ自分のアンケートへの返事はどうも子供扱いされているような気がする。しかも詩森だけではなく、ナツメや境くんまでそうなのはどういうワケなんだ。それが気に入らない、というのだ。
 誤解のないように言っておくが、ヒロくんへのアンケートだって「ラブ」はめちゃくちゃ溢れているんである。いつだってヒロくんのアンケートはものすごく可愛らしく、私たちを楽しませてくれているのだから。しかし、まあ彼も成人した大人なので、「大人として扱ってくれ」というその要求は分からないでもない。反省し、次からはきちんと対峙して返事を書いていきたいと思う詩森だ。
 しかし、問題はそこから先である。彼はその5枚のチケットを、「アンケートの返事が気にくわない」という理由で、なんと「境くん」から買うというのだ。ちなみに彼と境くんにはこれと言った面識はない。ただ彼と相方のマサトさんは前回公演「ヤフーの媚薬」でトチをやった彼が好きだった、それだけのことなのである。「(ゲイとしては)惚れた男から買うのが筋だと思います」って、なんだそれは、っていうかんじだ。面白すぎる。ヒロくん的にはシミ(ヤフーの時の私の役)がトチとの「ヨルノオツトメ」を拒否したのが、「女だからって抱かれることが前提になっているのが気にいらない」と許せなかったらしく、それも無意識に影響しているのかもしれない。それにしても。友情って儚い。特にゲイの男と女との友情は・・・とパソコンに向かって肩を落とす今朝の詩森であった。
 

5月24日 Wed

 遠山の病院のシーンを撮影に、国立の一橋大学まで。先日ラッシュを見に来たときはオソロシイ大雨でなんて殺伐としたところだろう、と思っていたら、今日は緑が目に眩しくて美しい。梁くんも「浜崎あゆみ」のドキュメンタリーを見ていたというので「負けてらんないよねー」と盛り上がる。クリエイター魂に火をつけるアイドル「浜崎あゆみ」あなどり難し。
 ところで今日の撮影は大学の保健管理センターをお借りしてやったのだけれど、無許可で診察室を使おうとしたら「そこはダメ」と怒られた。頭を抱える梁くん。別の小さい部屋をなんとかお願いして利用許可をとり撮影。  

5月23日 Tue

 ここまで来るとやることは稽古しかないワケなので、稽古が上手くいかないとやっぱりあんまりいい気分ではない。役者がひとり絶不調。原因は明らかに本人の甘さなので、こういうときはただただ腹が立つ。尊敬できない人が稽古場にいるのが、(それが役者だろうとスタッフだろうと見学人だろうと自分だろうと)私はほんとうに大嫌い。テストで点数をとるみたいに演技でもいい点数をとらなければ不安な人は即刻芝居なんてやめればいいと思う。こういうのも学校教育の弊害なんでしょうねえ。長く演出なんて仕事をやっていると人間にとっての障壁というのは大ざっぱに言って「親」と「学校」というのを実感する。まあ、そんなこと言ったって今稽古場にいるのは育ちきってしまった大人なワケなので本人がなんとかするしかないんだけどさ。どうでもいいけど、怒り心頭のまま家に帰ったら、菅原さん(詩森夫)が昨日の残りのスープを暖めようとして焦がしてた。まったくどいつもこいつも。  

5月22日 Mon

 久しぶりのオフ。久しぶりの自炊。ナツメヨメが前に作ってくれて美味しかった味噌と牛乳仕立ての具だくさんスープ、ガンモの含め煮、ヒヨコ豆とほうれん草のサラダ、ブリの照り焼き。
 ところで詩森が最近注目しているアーティストは実は「浜崎あゆみ」である。別に彼女の歌が好きなワケじゃないんだけど、彼女の出るCM、プロモでのパフォーマーとしての能力の高さとそのセンスにひっそり注目していたのだ。本人がスゴイのか、ブレインがスゴイのかどちらかだよなあ、と思っていたら、昨日テレビで彼女の追っかけドキュメンタリーをやっていた。菅原さん(詩森夫)に「この子気になるから見てもいい?」と聞いた時は「ええーっ」ってカンジだったけど、見始めたとたんから、すっかり夢中になってしまったふたりである。テレビなんでどこまでホントかは解らないけど、とにかくビックリしたのは、彼女のプロモやコンサート、露出するビジュアルイメージはすべて本人がディレクションしているということだ。それを錚々たるスタッフが具現化に向けて支えている。プロモ撮るときとか、エキストラのメークまで立ち会うのだ。プランニングから編集まで全ての行程に彼女が立ち会っている。見るだけで倒れそうなスケジュールの合間を縫って、寝る時間を全て削って、彼女は自分を演出しているのだ。だからあんな顔が出来るんだ、と詩森は納得する。コマーシャルの中で、街角のポスターで、プロモーションビデオの中で、お仕着せでは決してありえない顔をして彼女はいる。だからいつでも私は立ち止まってしまうんだ。テレビの中のアイドルなのに「負けるもんか」、なんてつい思ってしまう。まだまだやる余地がありすぎるワケだよな、と我が身を振り返る。本番一ヶ月前、ほんとうにいいものを見たと思う。テレビもたまにはいいもんだな。うん。ホントに。  

5月21日 Sun

 今日は馬喰町の地下通路で映像の撮影。舵の衣装は大川くんのお気に召したらしく、胸をなで下ろす。梁くん、手配していた車が遅れたということで連続遅刻記録を今日も更新。今日の撮影はエキストラを使うので、梁くんのお友達がたくさん来てくれるが、右に倣えで遅刻の嵐。「カエルの友達はカエルってことで」と梁くん。そんな、開き直られてもねえぇ。おかげで稽古にも遅刻するハメに。それにしても怒濤の週末だったことだよ。
 

5月20日 Sat

 雨のせいで撮影は中止。「俺は映画の神様に見放されてしまった」とおもいきりヘコんだかわいそうな梁くんは、今日の撮影に出演予定の静子役の上田さんが実は恐怖の雨女だということを知らない。来週こそは晴れてくれよ。
 結局昨日は衣装を買えなかったので、シンゴちゃんと待ち合わせして、衣装を買いに。昨日のようなことにならぬようお目付役としてナツメも同行させる。一同大騒ぎの末、時間に迫られたのと、やはりカッコいいのがいいよね、と言うので、ついつい高額商品を買ってしまう。明日大川くんに見てもらって不採用だったらどうしようと怯える詩森。
 その後は寺田スタジオでモノローグ取り。録音を終えてナツメとシンゴちゃんは帰り、詩森はそのまま寺田くんと音を聞きつつ打合せ。今回ノイズをたくさん使うんだけど、ノイズ好きの寺田くんが「ガー」とか「ピー」とかいう音を山のように作ってしまい、よっぴてそれを聞くハメに。ノイズ好きでは人後に落ちない詩森もさすがに最後はゲンナリ。しかも楽しみにしていた音楽の方はエライ美しい曲を一曲だけしか作ってなくて、後は「頭の中にあるから」といきなりギターを弾き出す寺田くん。なんなんだよ。いったい。でもその曲も涙が出るほど美しかったので、しぶしぶ採用。そして作ってあった方の曲で3曲程アレンジ違いを作ってもらうようにお願いして、ソファに座ったらものの1分くらいで寝てしまった。まあ、疲れていたってことで。でも音楽の仕上がりはとても楽しみなので、寺田くん頑張ってね、と言っておきましょう。

5月19日 Fri

 撮影で使う衣装を買いにシンゴちゃんと待ち合わせして、大川くんが見つけておいてくれた服を試着してもらう。ところが小さい。ガ−ン。シンゴちゃんは細いけど、背が高く、結構ガッシリしているのだ。仕方ないので他の古着屋を探したのだけれど、とにかくシンゴちゃんはよく喋る。そして、洋服が大好き。ちょっと油断すると衣装を買いにきたというのに「これが可愛い。あれが可愛い」とよそ見している。白地にオレンジ色のステキなTシャツをスゴク欲しそうにしていたので仕方なく、「買ってきていいよ」と言ったら、色違いを発見し、「詩森さん、どれがいいと思いますか」と大騒ぎして、10分近くも迷ったあげく、2枚お買いあげとあいなった。今まで長く劇団をやってきて、衣装を買いに行くのに付き合って、私服を買われたのは初めての体験である。しかも今回の衣装代は劇団から出るので、全くオフィシャルな時間だというのに。恐るべし。齋藤真吾。
 そして、今日はトランスセクシャルのアキちゃんによる勉強会の日であった。アキちゃんはものすごくたくさん資料を用意してくれて、とてもきちんといろいろなことを説明してくれた。詳しくは稽古場日誌の方にナツメが書いてるけど、詩森的には、アキちゃんという人のことを個人的により知ることができたのが嬉しかった。今度、詩森の初恋の話も聞いてもらおうと思う。時間が足りなかったのがとても残念だったが、懇親会で行った飲みやでは顔合わせに続いて2回目の朝までコース。最後はブーフーウーでシンゴちゃんとお茶。シンゴちゃんはチキンソテーのチーズ焼きとか食べてたけど。朝5時にチキンソテー。なんかスゴイよなあ。  

5月17日 Wed

 早朝から生花市場に境くんと。今日の撮影は花を大量に使うのだ。「花」という領域外の物体を前に、呆然としている境くんを振り返りもせず、2時間近く花を物色しつづけた詩森。大量の花を買い込み大満足。小一時間仮眠をとり、撮影に。買ってきた花の花びらをむしったり、首から落としたり、なんだか胸が痛む。それを床にばあっと蒔くと、なんだかものすごく乙女チックな有様になり、「これで大丈夫なのだろうか」と不安になる。「映像になれば大丈夫です」と平然とした様子の監督梁くん。撮影助手のみっちゃんと「梁くんって、こんな乙女チックだったんだあ」「恥ずかしいよねえ」とコソコソナイショ話しつつ準備。もっとも出来上がった映像は確かに美しかったんだけど。どんなシーンが出来たかは、どうぞ本番をお楽しみに。
 

5月16日 Tue

 せっかく稽古がお休みなのに、劇団員一同はなぜか第七病棟を一緒に見に行く。ホントは別々に行くはずだったんだけど、緑魔子さんの怪我で延期になったせいで稽古休みの日に振り替えてもらわざるえないことになったワケだ。そういえば中田さんも一緒の回を見ていた。なんだか稽古休みってかんじがしなくて損した気分だ。そして大期待の第七病棟は、悲しいことに期待はずれであった。他の劇団が期待はずれだったのとは違って、心からガックリし、肩を落とす詩森。第七病棟のことなどなにも知らない菅原さん(詩森夫)の「松竹新喜劇みたいだったねえ」という無邪気な言葉が胸をさしつらぬく。悲しい。一同うなだれつつ詩森家に直行し、DM作業。
 

5月15日 Mon

 昨日朝まで別な芝居の打上げでボロボロのシンゴちゃんを「初稽古だから」と無理矢理飲みに連れていく。迷惑そうなシンゴちゃんに「本番中、毎日飲みに行くのは基本だから」とワケの分からない説教をしている松岡さん。コワイ、コワイ。稽古始まって一週間足らずなのに、すでに詩森と松岡さんは相手変われど主変わらずの単なる飲み仲間と化している。トホホホ。
 

5月14日 Sun

 代々木でフリーマーケット。詩森は販売員だけは出来ない、とずっと思いこんでいたけれど、実はとても向いているのかもしれない、とフリマをやるたび思う。前に友達のを手伝いに行ったときも、着いたとたんから売りまくってピックリされたことがある。上手く言えないが、モードがかちゃんと切り替わるのだ。昔、実の妹から「お姉ちゃんは、道でアクセサリを売る人が天職だと思う」と言われたことがあるが、あれはジプシーのような薄汚い格好をしているから、というばかりではなかったのかもしれない。二束三文で売ったというのもあるけどそれでも結構な売上に。ほんの少しだけど劇団の財政が潤いウレシイ。そして、これからフリマをやる方は、服より雑貨がよく売れます、とアドバイスしておきましょう。
 

5月13日 Sat

 昨日は下北沢に着いてから飲みに行く話がまとまったため、笹塚組は行かなかったし、自転車のナツメも行かなかった。そのため、飲みに行く場合は、稽古終了直後が狙い目、と学習した松岡さんが、終わったとたん、「飲みに行こう」と誘っていた。明日はフリマで早いけど、ついつい付き合う。ほほほ。

5月12日 Fri

 ぴあに2時30分にアポを取っているのに、2時に社長が会社に来たので泣きそうになる。まあ、でもウソを並べて会社を飛び出し、5分遅れでなんとか到着。その後、ロケハンで武蔵小金井。野川、という川を見に行ったんだけど、草が高く伸びた小さな河原がとてもいいかんじ。水は汚いけど、少し幸せな気分になる。詩森の故郷、盛岡はものすごく川が美しい街なので、川のある光景が何より、好きなのだ。その後も中野に行ったり稽古に行ったり、一日の出来事とは思えないくらい忙しかったけど、めんどくさいから省略。なのに稽古が終わったら、松岡さんと藤枝さんがすっかり飲みに行く気でついつい付き合う。松岡さんがいる以上、週末飲まないことはありえないと再認識。それでなくても必要以上に飲みに行ってしまう風琴工房。池田さんに続くキーパーソンの登場で、今回も酔っぱらいたちの巣窟となることは避けられない。無事生きて千秋楽を迎えれますように。
 

5月11日 Thu

 今日からいきなり立ち稽古。ナツメ演じる伽耶と境くん演じる胡太のシーンから開始。境くんは自閉症の青年役。最初は全然ダメだったけど、なんだかんだと彼は自閉症のことをよく知っているので、どんどんホントに近づいていく。むしろそれに応対しきれない相手役がタイヘンなようだ。どうすれば自閉の人と会話パターンが成り立つか、ということを細かく、つけていく。そういえば、詩森は見ていないんだけど、今やっているドラマで藤井フミヤとともさかりえが自閉症の役をやっているとか。ブームなんだろうか?フミヤの方はサヴァン症候群ということらしいが、ともさかりえの方はカウンセリングがどうのこうのと何かに書いてあったので、精神病の自閉症状のことであって障碍ではないのかもしれない。フミヤの方は一回見てみたいものだけど、いつやっているんだろう。第一いちばん最近テレビを見たのがいったいいつのことかも思い出せない。ちょっと悲しい。ま、テレビすきじゃないからいいけど。
 

5月10日 Wed

 稽古初日。だけど、稽古のことは公式サイトの方に書いたので、もう書かない。かわりに詩森が見ていて飽きないとあるものについて書きたいと思う。それは中華屋さんの厨房だ。会社の近くに「虎」という名の結構美味しい中華屋があるんだけど、ここのオヤジさんの手際というのが、ほれぼれする程いいんである。肉や魚介を素揚げして、野菜と手早く合わせ、調味料を入れる。所作の全てが美しい。味だって、絶対ムラがない。最後になんかパッと入れるのがおいしさの秘訣っぽいんだけど、あれはスープの元みたいなもんなんでしょうか。ナゾだ。ひとりで行くのでカウンターに座り、飽かずその様子を眺める詩森。今ひとつ覇気のない弟子も結構いい感じで、見ていてほんとうに楽しい。ちなみに境くんも居酒屋厨房歴が長いので、台所での所作がなかなかステキだ。作業をしているときとか、台所にいるときのあの格好良さが、もう少し舞台でも発揮できればいいのにと思う。今度コックの役でも書いてやるか、などと思いつつ、今日も「虎」へと出かける詩森である。
 

5月8日 Mon

 利賀から帰ったとたんに映像のロケハン。軽井沢近辺まで。いい廃墟がある、という寺田くん情報で行ったんだけれど、これはガセネタであった。確かにスゴイ光景だったけど、営業中の工場だったのだ。「だから行くのはやめようって言ったじゃん」といいつつも珍しく「すみません」などと殊勝に謝る寺田くん。仕方ないので、季節はずれの避暑地を時間にして10分ほど堪能して帰宅の途に。ところで今日のロケハンに行った寺田くんと梁くんは2人で4台の車を廃車にした男たちである。まあ主に廃車にしたのは寺田くんなんだけど、梁くんだって1台は廃車にしたのだから、廃車にしたことがないとは言えない。オソロシイ。でもなんとか無事帰宅。
 

5月7日 Sun

 最後の発表会を済ませ利賀村から帰京。
 とにかくエキサイティングで、素晴らしい利賀村での日々であった。こんなことに時間と労力を惜しみなく提供して下さったP4メンバーの方々にはほんとうに頭が下がるが、と同時に、やはり劇団をどうしていくか、というのは教わるばかりではなく、自分たちで考えていくことなのだ、という大切なこともまた確認した利賀村での日々であった。
 そして、東京に帰ってきたら、いくつかの雑誌から、載せてもらえる、ということで連絡が来ていた。ビックリ。そのうちのひとつは、公演後なのが残念なんだけど、詩森の顔写真が載るらしい。載るのは嬉しいけど顔写真はなあ、とそうとう憂鬱になる詩森である。まあ、なんの雑誌かは、そのうち報告致しますが、カンタンに言うと、大量の若手演劇人がとある雑誌に一挙に載る、という企画なんである。詩森の予測では、利賀村に行ってた人がたくさん載るのでは、と思う。詩森すら載せてもらえるということを考えると、あそこには少なくとも詩森よりは次代を担いそうな演劇人がウヨウヨいたので、そりゃあ載るでしょう、というかんじだ。利賀村仲間でわたしも載ります、の人は今度こっそり教えて下さいねー。
 

5月6日 Sat

 待ちに待ったク・ナウカ、「オイディプス王」が今回の利賀フェスのオオトリ。見ての率直な感想は傑作の予感をたたえつつも、あと一歩でとどまっている、というカンジ。「それはなぜ、どうして」と真剣に考える詩森である。いろいろ考えるところはあったが、いつにないエモーショナルな力があって、そういう意味では、やはりとても感動はしたのだけれど。
 ク・ナウカを見てすぐにフェスティバル全体のクロージング・パーティー。ふと見ると、美加理さんに6月公演のチラシを渡し「宜しかったら」などと宣伝しているナツメ。ビックリ。クロージング・パーティーの後は私たちのグループディスカッションのリーダー東京オレンジの横山さんのインプロによるナイト・パフォーマンスがあるというので、ボルカノへ。このインプロが、メチャおもしろい。なんせP4によるマペットショーというのまであったのだ。マペットショーというのは人形役の人がいて、それを動かす人がいて、人形役の人は動かす役の人に好き勝手動かされて、その動きに合わせて即興でセリフをいうのである。宮城さん、安田さん、平田さんが人形役で、各々の劇団員たちが人形遣い役である。盛り上がらないワケがない。詩森も笑い死にするかと思うくらい笑かしてもらった。
 その後は、また宿舎に帰って班別討議。未明就寝。

5月5日 Fri

 今日も一日、勉強会、そして観劇。
 詩森の今日のメインイベントは名古屋の大道芸フェスで一度見て、それ以来忘れられなかった人形芝居「百鬼どんどろ」である。いろんな人に素晴らしい、と喧伝してしまった手前、「大したことがなかったらどうしよう」と不安だったが、大したことがありすぎて、魂を抜かれるほど感動してしまった。メンバー一同、夢遊病者のように宿舎に向かいしばらくはその話題で持ちきりであった。いつかあなたの町の近くでこの人形芝居に巡り会うチャンスがあったなら、ぜひ、ごらんになって欲しい。芸術というものに触れる至福を必ずやプレゼントしてくれることだろう。

5月4日 Thu

 一日、勉強と観劇。夜、ロビーで班別討議をしていて、気付いたら床に倒れて寝ていた。班の皆さん、スミマセン。そして、呼びつけてインタビューしておきながら、途中で寝てしまう、という超失礼なことをしてしまった「飛ぶ劇場」の泊さん、ホントにどうもスミマセンでした。

5月3日 Wed

 青年団「ソウル市民1919」の観劇をはじめとして、盛りだくさんな一日。これからもずっとこんな日々が続くワケだな、と覚悟を決める。
 詩森のメインイベントは、ボルカノでのナイト・パフォーマンスでリセット・エヌ夏井くんによるパフォーマンスグループ「ロケット・エヌ」の音出し。夏井くんがなんかヘンなリミックス用のマシンを持って来ていたので、ちょっとビビルが、なんとか無事終了。昨日のウチの芝居で夏井くんに音を頼んだら、ノーミスでやってくれたので、「ここで間違えるワケには」とそうとうプレッシャーだったが、大した失敗もなく、ホントにヨカッタ。しかし、その後ク・ナウカの宮城聡さんとの間で
宮城「今日の音出しは誰がやったの」
夏井「詩森さんです」
宮城「ずいぶん思い切りのいい音出しだったね」
夏井「ええ、ホントですね」
宮城・夏井「あの人はホント、男だよねー」
という会話があったと、酔っぱらって帰還した夏井くんから聞き、喜んでいいのか、悲しんでいいのか、フクザツな気分に。しかも自分ではちょっと思い切りが足りなかったかな、などと反省していたところだったので尚更である。トホホ。

5月2日 Tue

 深夜パス、列車、路線バスと乗り継いで利賀村着。着いたとたん、「風琴工房さんのナイトパフォーマンスは今日です」と言われ、ドビックリ。どうなることかと思ったけど、青年団平田さんがお弁当を会場であるボルカノで食べられるように手配して下さったりしたこともあって、これから一緒に集中講座に参加する仲間に見守られながら、「ヤフーの媚薬」無事上演終了。バーの片隅での公演、というのは、集中力がいったけど、劇場とは別な場の力みたいなものもあって、面白かった。面白かったが、「演劇とは何か」なんちゅー講義の後で、芝居をやるというのもなかなか覚悟がいったことではあったが。
 そして、これから始まる集中講座、夏井くんひきいるreset−Nのメンバーや吟遊市民改めortの倉迫さん、ユニークポイントの山田さん、ポかリン記憶舎の明神さん、泊さんはじめとする九州「飛ぶ劇場」の面々など、なかなか錚々たるメンツで見ただけでオナカいっぱいになりそうな集中講座のメニューと相まって、いやがおうでも期待は高まる。そして、何より利賀村のえも言われぬ空気と劇場群。これでモチベーションが高まらないのでは演劇人とはとても言えない。頑張りますわよ。がんばりますとも。

5月1日 Mon

 「ヤフーの媚薬」稽古を終えて、信じられないほどの荷物を抱えてトボトボと、深夜バスにて富山へ出発。
いよいよですな。


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