ろばくん ROBA DIARY

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6月30日 Fri

 打ち上げ。大嫌いな渋谷だったので、ローテンション。帰りたい。泣きそう。でも朝、5時からピリヤード。10年振りだよ。ビリヤードはホステス時代ずいぶん教えてもらったけど、まあ、平たく言って才能がないんだな。でも全勝。ナインボールさえ沈めればいいってのは、やっぱり罪なルールだわね。意外かもしれないけど、詩森はゴルフもやったことあるんだよ。スキーヤーだしな。

6月29日 Thu

 バラしてバラして打ち上げは朝の4時から。朝7時、帰って寝る。ひたすら寝る。ZZZZ。

6月28日 Wed

 どんなことにも最後の日というものはやってくる。今日は千秋楽。
今日の動員次第では夢の1000人動員に手が届く、という瀬戸際。しかし、外はバケツをひっくり返したような大雨である。これじゃギリギリ届かないかもねー、と半ばあきらめかけた5時過ぎ、生ぬるい風とともに雨がやむ。その後はもう怒濤の客入れ。入れても入れてもお客さんが来る。なんだかスゴイ。立ち見の人もいるし、2階のヘンな踊り場みたいなところで見ている人もいる。
 というワケで風琴工房、夢の1000人動員を達成致しました。
 ホントにどうもありがとうございました。
 公演は、大変でしたけど、劇場の中も外も、刺激的で面白い日々でした。今までのお前はなんて努力が足りなかったんだ、と叱られているような日々でもありました。努力しました。働きました。自己満足と言われようとなんだろうと。ええ。
 さすが、荷物を運ぶケモノの名を持つ座長。
 と、自画自賛し、今日のろば日記はこれでオシマイ。

6月26日 Mon

 AERAにじゃじゃんと記事が載る。すごく楽しみにしていたのに、大森駅で買い損ね、田町でわざわざ電車を降りて、購入する。なんだかとても立派な記事で、大ビックリ。
写真が我ながら美しく撮れていて、まるで別人。劇場に行ったら、中田さんに真顔で「これは修正掛けているんでしょうかねえ」と言われた。どういうことだ。いったい。なのになんとなく突っ込めない。何せ、中田さんだから。というワケで、「無修正の」詩森の写真入りAERA、本屋にて絶賛発売中です。ほほほ。

6月25日 Sun

 ついに公演の過半数を消化した。あと3回でこの芝居もオシマイ。なんだか寂しい。たったひとついいことは、今日の時点で劇団の最高動員数が確定したこと。まあ、あと3回、10人づつとかしかこないなんてことがなければの話だけど。目標動員、1000人に向けてラストスパートをかけたいところだ。
 ところで今日はク・ナウカの宮城さんが来て下さった。ガーディアンガーデンで審査員をしてから、急ぎ駆けつけて下さったのだ。ニコニコと感想を話す宮城さんはとても可愛らしい。もちろんシビアだったり深かったりする意見なんだけど。いつも思うけれど、宮城さんのスゴイところはホメ言葉も批判も絶対高みから発しないところだ。同じ目線から言葉をくれる。だから、すんなり心に届く。
 そんな詩森が楽しみにしているのはク・ナウカ版「knob」である。なんたって宮城さんも出演し、しかも女を買いに来るのだ。マニア心がメチャクチャ刺激されるではないか。みなさん、6月の最後の週は五反田でぜひお会いいたしましょう。

6月24日 Sat

 客席の居住性が悪いので、大改造。立ち位置も変えて、なんとか、全てが見渡せるようになる。難しいのだ。見え方の計算って。そして今日はこの公演にとってスペシャルな一日でもあったのだった。詳細は稽古場日誌をどうぞ。

6月23日 Fri

 芝居はまあまあ上向き。しかし詩森の機能はかなり落ちている。運河食堂のつり銭の50円玉を両替し忘れて大ショック。明日、土曜日なのにピーンチ。打上げでもいろんな人から「疲れてます?」って聞かれるし。キライなんだよなあ。疲れて見えるの。この日もいろいろ面白いことがあったような気がするけど、この際省略。ほほほ。

6月22日 Thu

 昨日零れた分の場当たりをしてから、ゲネ。照明は全てのキッカケを外すし、映像はチカチカしているし、最低最悪であった。
 仕方ないので、本番直前にちょっとどうかと思うような、かなりキツめのダメ出し。
 でも私も含めて、この劇場と、この芝居と、戦うしかないんだと思う。精神的に辛いのなんて、あたりまえだ。
 そして、初日。もちろん初日なので、まだまだ不備もあるんだけれど、これがゲネとはまさに別物。芝居は生もの、というけれど、今回ほど生もの感がある芝居も珍しい。前半のトロさとスタッフワークを見直して、2日目に備える。
 それにしても演出家モードフルスロットルの詩森は、制作面でのオチがボロボロあって我ながら大ショック。まあ、頑張るしかないんですけど。トホホ。

6月21日 Wed

 
 風琴工房の場あたりは長い。果てしもなく長い。これは照明家小境さんが、場当たりをしながら明かりを作っていくからなんだけど、それにしたって長い。今回みたいな仕掛けいっぱい、デハケいっぱいの芝居の時は、その大変さが予測できようというものだが、覚悟していた以上の壮大な場当たりになってしまった。夕方からやる予定のゲネが出来なくなったのはまあいいとしても、なぜ朝11時から初めて、夜10時になっても終わらないんだ。場当たり。
 でも稽古も合間合間にさせてもらえたので、じっくりと小屋にあった適正な芝居に組みなおす。
うんうん、なんだかいい調子だぞ。
 夜、音響でトラブル発生。その差し替えテープを取りに深夜、タクシーで寺田スタジオへ。迷惑顔の寺田くんに頼み込み、シャワーを貸してもらう。そのままソファで仮眠を取って、劇場入り。
 その間、家にマックを運び込み、作業する梁くん。
 凄まじきかな初日前日。

6月20日 Tue

 照明、音響の仕込み開始。慌しさも絶好調だ。詩森は朝から運河食堂の買出し。
米20キロ、鶏肉20キロ。もう泣きそうである。おまけに20人分の賄いが詩森の双肩に。体が3つ欲しいとはこのことだ。記憶も途切れがち。ほほほ。

6月19日 Mon

 装置は大詰め。ネオゼネレイターの美術家助手、田村くんが汚し職人としてじゃじゃんと登場。ただの塗り壁がアッというまに古びた廃墟と化していく。スッゲー。センスってほんとにお金じゃ買えない。
 夜、通し稽古2回目。ダメというのは解るけど、どうすればよくなるか解らないときの演出家は煮詰まるものである。うーむ。なにせ芝居全体が引越ししたての猫みたいなのだ。どーする詩森。
 そういえば、昨日から映像の梁くんが家に下宿生としてやってきた。家が遠いのだ。仕方ないので、このパソコン部屋を彼の私室として受け渡す。おかげでパソコン通信やるのも、いそいでさささっーと、遠慮しいしいやっているありさまだ。
 でも美術で使う草とかをいっしょに公園まで盗みにいってくれたりして、気のいい下宿人なのでなかなか楽しい。

6月18日 Sun

 菅原さん(詩森夫)まで動員してのタタキ2日目。カベを立てて、石膏塗って、色を塗って、と果てしもない。夜は通し稽古。唖然とするほどダメな出来。小屋のサイズがでかくなるってこーゆーことなんだ、といまさら実感し、青ざめる。そういう詩森もこんな大きいサイズの小屋で演出したことがないので、何をどうしたものやら、わからない。小屋には負けたくないぜ、と決意する小屋入り2日目。

6月17日 Tue

 小屋入り初日。本職鳶の江崎さんと緑郎、それから香辛料孤児舞台監督の田中さんが、構造の鉄骨をガンガン組んでいく。
思ったより、小屋のサイズはやっぱりデカイ。なんか、スゴイ規模である。
夜は普通の劇場くらいはある大きさのロビーで稽古。ふううう。

6月16日 Fri

 稽古場でのラスト通し。
いろいろなことがのりあって、これは文句なくよい通し稽古となった。
よし、と思う。
明日はいよいよ小屋入り。戦争がはじまるんだなあ。

6月15日 Thu

 高津で小道具を借りてから、タタキ場へ。想像を超えたタタキのすさまじさに絶句。
稽古は最後の返し稽古。映像と音のキッカケを中心に合わせていく。
映像を使うってなんてタイヘンなんでしょうか、と思ってももう引き返せない小屋入り2日前。
 

6月13日 Tue

 会社後、稽古。
 今日の稽古は通しだったが、またもや最低最悪の通しであった。まあ、道路の音がうるさくて、集中できない、というのが大きかったんだけど。でもあんまりにも出来が悪いので、「私が寝不足だからかなあ」と心配になってしまったほどだ。クライマックスシーンなど恥ずかしくて見ていられなくなり、つい、お茶に手が伸びる詩森。ダメだ、こんなじゃ。
 でもダメになる原因、というのがなんとなく掴めたので、明日の通しはいいものに、きっとなるハズだ。
 そして、その後は、寺田スタジオで衣装の仮縫いと先日ボツになった部分の録音。ええ、書きましたよ。台本を。衣装はなんだかとっても素晴らしい。夏芽のシャツもよく見るとシルクオーガンジーとのダブルになっていて、凝っている。今回、殆どのスタッフがコンセプトとして「透明感」というのを挙げていた。まあ「タイトル」が「透きとおる骨」なので、当然と言えば当然だけど、でもさまざまなアプローチの透明感があって、面白い。音楽もどんなノイズでも濁らないかんじに仕上がってるし、小境さんの照明はもともとほんと「透きとおる」ってかんじだし。
 おしゃべりの録音は一発でオーケー。なんだかほのぼのと明るくてかえって悲しくなる。台本を書いた甲斐もあったというものだ。
 家に帰ったら品川ケーブルテレビからビデオと「セリフの時代」のゲラのFAX入っていた。ケーブルテレビの方はかなり笑える。「セリフの時代」の方はなんだか劇作家みたいで、ドビックリ。いや、もちろん劇作家なんですけど。
 タタキも始まって、いよいよ本番。やりますわよ。

6月12日 Mon

 最後のオフだが、詩森は強行スケジュール。だいたいにして生来がボーッとした性格なので、一日2件以上用事があるのはキライなのだ。だけど、さすがにこの時期、そうも言っていられない。辛いところだ。
 会社に行ってから、4時30分に若と待ち合わせ。買わねばならぬ衣装がたくさんあるのだ。今回、ありもの、借り物は基本的にしない、それから、役者に衣装買い取りを頼まないを基本方針にしてみた。若が最初に立てたプランに沿って、全てのモノを揃えたのだ。気にいったから買います、と言ってくれた人には買いとってもらったりとか、舵みたいに高すぎて予算大幅オーバーの人は半分持ってもらったりしたけど。だから、今回の衣装はなんてことのないものまで、若が縫ったか、新規で購入したものだ。だからトータリティのあるいい衣装プランになってると思う。
 殆どの衣装をなんとか購入してから、下北で音響の高木さんと打ち合わせ。
 その後、劇団ミーティング。最終的なところを詰める。詰める。詰める。詰める。
 しかし、詩森のオフは終わらない。映像の梁くんちに行って、最終的な映像のツメがあるのだ。梁くんちのある武蔵小金井到着、夜11時。ところがここで、問題が起こった。詩森の座長モードが切れてきたのだ。座長詩森とふだんの詩森の違いは自分ではよく解らないが、長いつきあいの境くんに言わせると、そのギャップはものすごいらしい。ふだんモードの詩森が繰り出すあまりのオッペケペーぶりにあきれ顔の梁くん。けれど、映像を見始めるとなんとか座長モードにスイッチが入りだし事なきを得る。午前4時、無事終了。しかし連日の編集で疲れ果てている梁くんと今日のスケジュールだけでも十分疲れている詩森、いわゆる「ナチュラルハイ」状態になり、その後もずっとくだらないことをしゃべり続ける。止まらない。朝7時、ほんの少しだけ眠り、会社へ。

6月11日 Sun

 reset−N「黎明」に出ていた尚明くん、鶴牧さん、野俣さん、が出ている青島レコードを見に命からがらシアターモリエールへ。エライなあ。私。そしてナツメ。そしてお芝居は、もう、なんというか、とっても若い。コミックがそのまま舞台に載ったみたい。オープニングの映像はどこからどう見ても「マグノリア」。ひねりもなんもひとつもなし。このどこからどう見てもっていうのが、若さの秘訣かもね。
 場転のテンポが悪すぎて、後半ほんとに飽きちゃうけど、この劇団は、伸びると思うわ、詩森。なんたって、ホンがウマイ。やり口は解っているけど、騙される。ただし役者をもう少し揃えて、演出をちゃんとすること(演出さんが出てしまっているのね。しかもスッゴイ面白い役者なんだなこれが)、が必要そうな気がした。
 影の主役と言っても過言ではない鶴牧さんが詩森的にはエライ面白かった。ああいう役合ってるのかも。めっちゃキュート。野俣さんもカワイイ。尚明くんも役者の風格があった。でも尚明きくん「次はバカ芝居をやる」と言ってた割にresetの時と芸風は同じだったぞ(笑)。
 その後稽古は上野毛。稽古後映像の梁くんと打ち合わせをしようとしたら、役者はみんな帰ったのに、なぜか松岡さんだけが残りもじもじしているので、誘ったらふたつ返事でついてきた。
 飲みたかったのだ。
 梁くんにところで梁くん、最近私と寺田くんの間では「こうもりくん」と呼ばれている。とにかくどっちつかずに味方するのだ。その話をすると、「詩森さんと寺田さんの言い争いはコワすぎるんです。ぼくはもう耐えられません」と泣いていた。こんな梁くんは、本番中は詩森家の下宿生になるらしい。いろいろ家事労働をするように申し渡すが「イヤです」ときっぱり断られた。強気なんだか弱気なんだかさっぱり解らぬ大阪出身22歳。

6月10日 Sat

 BSML主宰のインプロビゼーション(即興)・ワークショップ。東京オレンジの横山さんを講師に迎え、夏井さんが勤務する桜美林大学で開催した。なんと詩森、幹事。「大丈夫なんですか」とあちこちから言われたが、まあ、ホントのこと言うとあんまり大丈夫ではない。しかし、忙しい時ほど、更に忙しくしといた方が実は疲れも少ないのだ、と勝手に信じて遠路はるばる桜美林まで。いきなり準備体操かわりの鬼ごっこで、あちこち攣り、年齢を実感しあせる詩森。しかし、終わった頃には、体と心に酸素が入っていいかんじ。疲れもすっかりとれている。やっぱり無駄なことって人生にはないんだなあ。
 その後、稽古。
 そして、様々な諸問題を受けて(この時期、どんなに順調に進んでいても、問題というのは山積みになるもの。役者が健康でありさえすれば、まああとはノープロブレムなんですけどね)緊急劇団員ミーティング。気付けば深夜2時。
 しかし、まだ帰らない。いや帰れない。今日は勉強会に講師として来てくれたアキちゃんの主宰するウーマンズオンリイのパーティがあるのだ。幹事として徹夜続きというアキちゃんはカゲロウのように疲れ果てていて、思わず抱擁。でもアキちゃんてば、化粧もハゲハゲ、見るからにグッタリしているのに、なぜか、美しいんだよなあ。
 さすがの詩森も始発待ちはキツイので、1時間ほどで会場を後にし、タクシーで帰還。

6月9日 Fri

 2回目の通し稽古。もう通しやっているんですか、と日記を読んだ人から言われるんだけど、風琴工房の場合、2週間前初通しを原則にしている。それで体が慣れてるので、それ以前でもそれ以後でも落ち着かない。特に今回はシーン割りが細かく、暗転なし、しかも、デハケ口が7カ所もあるので、流れを掴むためにも、出来てないシーンを洗い出すためにも通しは重要。
 などと言っていたら、松岡さんいきなりデトチリ。その後、自滅し今日の通しを棒に振る。
 しかし、それにも関わらず、1度目の通しとは別物に。まあ、まだまだもちろん良くなるんですが。というワケで、ようやく、「来てね」と言える出来になって参りましたわ。というか、やっぱり一度目の通しが酷すぎたんだな。でもまだ詩森の頬を涙は伝わらない。ちょっとジンとくる瞬間がある程度。さあ、演出家を号泣させるため、ガンバレ稽古場、ってかんじかな。(なんだ、そりゃ)
 ところで今日寺田くんはとあることで激怒モード。あとで電話するから、と言うと、今日はかけてこないでくれ、と不機嫌全開。おそるおそるフォローの電話を入れるといきなり切られそうな勢いだったけど、なんだかんだと深夜4時まで長電話。ぐったり。

6月8日 Thu

 今日はナツメの誕生日。稽古場でちょっとだけ誕生日を祝う。真吾ちゃんが買ってきてくれたプレゼントを受け取り、嬉しすぎてヘドモドしているナツメ。そういう時は伽耶っぽいんだけどなあ。
 お誕生日だから酒が飲めるぞモードの松岡さんを先頭に庄屋へ。そこで中田さんが「ひとりっこ」であることが判明。なんでも中田さんは先日の稽古場に行く際、勝手な行動をしたことをひっそり反省していたらしい。その寡黙な中の一言がいちいち面白く、駅で別れたとたん笑いが止まらなくなってしまった詩森と松岡さんだ。
 みんな、面白すぎる。個性豊かな男性陣に多少押されているが女優陣もなかなか変わり者ぞろいなのだ。来週の日記くらいで、ここまでのたわけた行状(女優編)を一気に公開したいものだと思う。

6月7日 Wed

 稽古はのんびりムードだが、急激に芝居が仕上がりだしている。先日の通し稽古が過去に失敗した数々の舞台を思い出させるほどダメダメだったので、実は相当憂鬱な気分になっていたのだが、これならイケるかもしれない。というか、きっとイケルと思う。根拠のないカンだけどな。まあ、あれだけダメダメなのに平然として飛行機のチケットを取りに行っちゃうあたりがなかなか大物度を増している詩森ではある。体験から言って演出がテンパったっていいことなんかひとつもないのだ。
 今日は写真の受け渡しとMDの受け渡しで、寺田くんがハコバン状態と化しているタイくんの店で梁くんと待ち合わせる。ナツメの子供時代の写真を映像に挟み込む、という梁くんに「絶対に絶対に絶対にイヤだ」と絶対を100回くらい言って押し通す詩森。そんな梁くんの最近のキメセリフは「詩森さんとぼくじゃひとまわり以上年が違うんですよ。勘弁して下さい」である。どうも寺田くんをくちごたえの師匠としてあがめている節がある。ふざけんな。創作活動に年なんて関係あるかい。
 などと毒づいていたら、京浜東北線の終電を逃す。ひえええ。「近かったら送るのに」という梁くん(バイクのり)の心ないお愛想を背に小田急線最終に向けて猛ダッシュ。これを逃したら、寺田スタジオに泊めてもらうしかなくなり、そんなことをした日には「あんたのせいで一日作業が遅れた」とイヤミを言われてしまうのは必死である。午前1時、新宿発品川行きにすべり込み、大崎からタクシーで帰宅。

6月6日 Tue

 とある新聞の取材を受けた後、稽古場へ。ええ、新聞に、しかも全国版に、公演の記事が載るかもしれません。「かも」ばっかりで恐縮ですが。
 アタマからシーンを返していくが、ナツメと境くんの会話がどーしても上手くいかない。劇団員ふたりで何やってんだよ、と怒り心頭の詩森。でも怒らない。少なくとも表面的には。ここから3日間は怒らないことに決めたのだ。きっとムリだけど。
 そういえば先日の通しの後、詩森が飲み屋でがあっと役者を責め立てていたのを若が横で聞いていて、実はとても怖かったらしく、松岡さんに「詩森さん、やっぱり厳しいですね。明日、ぼくは布を買いに行って、一日衣装を縫います」と宣言して帰っていったらしい。しかも相変わらず無表情で。
 久しぶりにちょっと早く帰れたので寝るぞー、と張り切っていたら、寺田くんからいきなり電話。なんでも素晴らしいライブを見に行って、かなりの興奮状態らしい。演劇人がいかにダメかということを電話口でとうとうと語り続ける寺田くん。ま、確かにその通りなんですけどね。
 さらに梁くんから面白すぎるメールが届いていたけど、これはさすがに機密事項。聞きたい方は直接詩森か梁くんに。なんだかんだと用事をして、午前3時、就寝。

6月5日 Mon

 稽古はオフだが、残りの音取りをしに寺田スタジオへ。3日連続ともなるとなんだか「ただいま」ってかんじだ。結局取りきれなくて、フリーカンバセーションの部分は台本を書いて取り直すハメに。ここまできて台本書き。くううう。泣ける。
 ところで、詩森は今回の公演が終わったらベトナム+アンコールワットに行こうと思っている。「なぜアンコール・ワット?」という疑問には公演後ゆっくり答えるとして、あまりのハードスケジュールにネをあげた詩森、せめてもの気分転換に、と今日会社の近所の旅行社にエアチケットを取りに行ってみた。で、家に帰って大喜びで菅原さん(詩森夫)にその話をしたら、勝手にエアを取りに行ったことをさんざんビックリされたあげくに、更にはブツブツと「頑張ってるんだと思ってたのになー」などと言っている。よくよく話を聞くと、菅原さん(詩森夫)は今日会社の人から「奥さん頑張ってますねー」と言われて初めて公式サイトの稽古場日誌を読んだらしいのだ。家ではひたすらノン気な妻のいつになく真剣な姿をその日誌に感じ、珍しく尊敬モードが入ったところに、詩森がエアチケットの予定表を持って意気揚々と帰ってきたというワケだ。なので、菅原さん(詩森夫)の妻尊敬モードはわずか半日で終了してしまった。尊敬されるの好きの詩森としては重ね重ねも残念である。同時に購入してしまった「個人旅行ベトナム編」の本はさすが見せることができなかった詩森だ。
 そういえば、寺田くんに「あんた昨日俺が作業している間、後ろのソファでウトウトしてたでしょ」と今日になってなじられた。その時間差攻撃にもムカつくが、天地天命にかけて昨日は寝ていない。いいがかりもいいとこだ。むかつくんだよ、とは怖くて言えなかったが、日記にだけはこの怒りをきちんと書いておこうと思う。

6月4日 Sun

 「おらおらいつまで寝てんだよ」と言わんばかりの寺田くんのドアを開ける音で起床。昨日ダメを出した効果音を作る。それにしてもこうやって寺田くんの作業を身近で見たのは初めてだけど、やっぱりタイヘンなものであった。たかが「カァン」という鉄を打つような音を作るのにあっというまに2時間。更にそれを加工して、ひとつの音響効果にしていくワケだ。すごいよなあ。性格にはそうとう難のある寺田くんだが、詩森にとっては掛け値無く尊敬できる大切な人でもあるのだな。
 作業を続ける寺田くんを残して詩森は衣装探し。今回の衣装は殆ど若が作ってくれるんだけど、靴とかインナーは買わなくてはいけないものもあるので、その下調べをしにいったワケだ。でもワイシャツとかちょっとカワイイな、と思うとギャルソンのとかで古着屋ですら1万5千円とかする。靴だってシンプルでいいかんじのはやっぱり高い。そして、お金には限りがあるのだな。くううう。
 そして、初通し稽古。なんだか壮大なメロドラマみたいになってしまい、憤る詩森。まあ、初通しだからなあ、とは思ってはみてもそうとうムカツク。大の大人が集まってなにやってんだよってカンジだ。ま、そんなこと日記に書いても仕方ないんですけどね。
 その後、寺田スタジオに戻り、映像のラフを見ながら梁くん寺田くん詩森で打ち合せ。最後はみんな眠すぎてワケがわからない有様となり、午前5時、自転車にて帰宅。

6月3日 Sat

 天気予報は雷雨と言っていたけど、どうしても自転車に乗りたくて久々に自転車で稽古場に。楽しい。楽しすぎる。
 その後は寺田スタジオで、中田さんの声取りと音決めのミーティング。前回、寺田くんの作業中に寝てしまったことをさんざんなじられたため、気合いを入れて臨む。午前4時、作業後の雑談を含めた全てが終了。寺田スタジオのソファにて就寝。

6月2日 Fri

 中田さんがしでかした不思議なこと、それは・・・。
昨日の稽古場は日記にも書いたように初めて使った稽古場で、しかも住宅街の真ん中にあり、とてもわかりづらい。そこで最寄りの駅で待ち合わせをしたのだが、道に強いという元不動産屋アルバイトのシンゴちゃんが待ち合わせに遅れたため、詩森、上田、ナツメの3名は、道に迷いそうになっていた。転ばぬ先の杖、ということで、途中でそれ以上先に行くことをあきらめ、シンゴちゃんを待っていると、そこに中田さんがやってきた。もうすぐシンゴちゃんが来るから、ということで中田さんもそこで待っていたのだが、いざシンゴちゃんがやってきて、みんなで行こうという段になって、なぜか中田さんがニコニコと手を振りながらどこかに行ってしまったのだ。ジュースでも買いに行ったのかなあ、と待っていたのだが、戻ってこないし、携帯電話も留守電なので、仕方なく稽古場に向かった私たち。しかし、そこにも中田さんの姿はなく、心配して何度も留守電に電話を入れるナツメ。一同着替えを済ませ、中田さんのことなど皆が忘れかけた頃、中田さんがニコニコと「いやあ、迷いました」と登場した。
 なんでも別な道を行ってみようとふと思いたったのだそうだが、なぜあの状況でそんなことを思いたったのか、あまりにもナゾである。深い。中田さんは深すぎる。もしかしたら、なにも考えてないだけのかも知れないけど。
 そんな中田さんもまじえて今日は上野毛のファミレスで、なぜかワインのボトルを空ける私たち。稽古の日々は続く。

6月1日 Thu

 5月の日記を見返したら最初の週は利賀村に行っていてビックリ。なんかはるか昔のことのような気がするよ。トホホ。
さて、本番の6月である。今日初めて行った稽古場は管理人のオバサンがものすごくやな奴だった上に10時まで使える筈の施設が管理人の都合で9時30分に閉められてしまう。そんなじゃ稽古にならないので、あと2回この稽古場を使うつもりだったけど即刻別な稽古場をお金を出してでも借りることを決意する詩森。
 今日は若こと大川くんが衣装の打ち合わせに稽古場に来ることになっていたのだが、バスに乗り間違いとんでもないところに行ってしまったというので、仕方なく渋谷で待ち合わせして打ち合わせ。若ときたらこの間も「田端」で撮影だと言うのに「田町」に行ってしまい、それなのに「南口」はありません、と冷静な声で電話をかけて来たのだ。しっかりしてそうなので信用していると意外にとんでもないことをしでかす、それが若である。胃が痛い、というので胃のツボを押してあげたら、顔色ひとつ変えずに痛がっていた。何事も顔には出ない人なのかもしれない。それにしても。
 家に帰ったら故あってコンタクトを取っていた半陰陽者の方からメールが来ていた。お互いにとって楽しい内容ばかりではない事情でのメールのやりとりだったのだが、とても明るいトーンの嬉しいメールであった。お芝居ということを越えて、私は今ほんとうに得難い素晴らしい体験をしているのだなあ、と思う。
 そういえば今日中田さんがものすごく不可思議なことをしでかしたんだけど、長くなるので以下、次号に続く。


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