ろばくん ROBA DIARY

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7月31日 Mon

 芝居の要になる役(と言ってもメインキャストは5役しかないので、どれも要なんだけど)の役者さんが決定し、ほっと一息。風琴工房初出演の彼は若いわく「浅野忠信似」だそうだ。いや、詩森はそうも思わないけど、目付きが悪いとこが詩森好みだし、浅野っぽいかもね。この決定に調子にのり他の出演交渉も着々とこなす。早くキャストが全部決まりますよーに。ああっ、そんなことしている間に7月が終わってしまった。がーん。決まりますよーに、なんて言っているバヤイではなかった。決めねば。

7月30日 Sun

 今日はものすごく忙しい。昼、ナツメと待ち合わせてスズナリへ。来年使わせていただきたくてお願いにいったのだ。空いているのが3月初めということで、12月に本公演がある身ではさすがにムリ。なので、再来年の1月、ということでお話をさせてもらう。またスズナリでできるかもしれないと思うと、ほんとうに嬉しい。スズナリは小劇場の宝物だと詩森は思っているので、ぜひともいいお芝居を作って持っていきたいものだ。でないと小屋がかわいそう。がんばるぞ。
 その後は大急ぎで明石スタジオ。東京タンバリン。初見。明石をどーんと変形で使っていて、会場に入ったとたんにはしゃぐ詩森。こういうのは単純に嬉しい。
 そして、新宿に向かい、脚本ミーティング。次回参加する予定の役者さんやスタッフで、脚本の気になる箇所を徹底検証。真吾ちゃん、大活躍。なんか実り多かった気がするけど、実りがあったってことは、いっぱい直しが入るってことだよな。嬉しいようなトホホなような。
 そして、松岡さんが合流し、食事会。怒涛の一日だったけど、松岡さんと久しぶりに話してすっかりゴキゲン。まあ、そんなとこ。

7月29日 Sat

 菅原さん(詩森夫)がどうしてもというので、ミッションインポッシブル2をしぶしぶ見に行く。もっと大バカアクションを期待していたら、堂々たるラブストーリーだった。なんか、ちゃっちい。偉大なるオタク映画「マトリックス」に熱狂してしまった身にはオタク度がちょっとばかり足りなかったのかもしれない。でもあのタイトル曲は偉大で、どんなシーンでもあの曲が鳴り出すと劇場全体がヒートアップし、少々古めかしいアクションでも「よしっ」という気分になる。エンディングでは前の席のオヤジが踊り狂ってた。なんだろ、アレ。
 映画の後は、次回のキャストのオファーでとある役者さんに会う。イメージにぴったりなのでぜひとも決まるといいと思う。決まりますよーに。

7月28日 Fri

 ヤフーの時に差し入れていただいた小説「龍臥亭事件」読了。ヤフーの後は劇場が決まらなかったりして、本なんて読める心境ではなく、ようやく落ち着いてからもあまりの厚さに稽古中は読めず、その後も脚本なんて書いていたので読めず、ようやく読み始めたのに、いざ手をつけたら一日で読んでしまった。なんだろ、あたし。内容はというと面白かったんだけど、やっぱりトリックが納得いかないんだよなあ。現実の猟奇事件に見立てて殺していくディティールとか、ものすごく面白いのに、解決編で「んんんーそりゃあムチャだ」と思ってしまう。それが島田荘司。というワケで、詩森「龍臥亭事件」ようやく読了致しました。差し入れしてくださったSさん、ほんとうにありがとうございました。

7月27日 Tue

 ク・ナウカ、オイディプス王を観に庭園美術館へ。利賀でも見た演目なのだけど、だいぶ印象が変わっていた。スッキリして、戯曲が際立っているかんじ。利賀では宮城さんの演出意図のことばかり考えてしまったけど、今回は「オイディプス王」って面白い戯曲なんだなあ、と再認識した。知らぬ間に父を殺し、母と姦通していたオイディプスの悲劇って、とても現代的だし普遍的。人間の原罪というものなのだろうけど。ただ利賀の時は野外劇場の大空間で見てしまったため、美術のスケールは、やはり格段に落ちる。その分箱庭的な悲劇というかんじで、役者さんの表現の細かいところまで見られたのは贅沢ではあった。実は今日は雨が激しかったんだけど、途中で止んでしまい、どうせ降るなら悲劇の頂点でどしゃぶりになれば良かったのに、などと思うわたし。終わった後、制作の久我さんにそれを言うと、「そう途中で止んじゃうのがいちばん盛り下がるのよ」と言っていた。さすが屋外を何度も体験している制作さん。少々の雨ではびくともしない。宮城さんは、大雨でもカッパも着ずに見てらしたらしくびしょぬれで、だけどやっぱりニコニコしていた。解釈のことなどお聞きして、得した気分で会場を後にする。ああ、わたしも屋外でやってみたい。いつかきっと、絶対。

7月26日 Wed

 菅原さん(詩森夫)が夏休みプランの一環として「白神山地ツアー」のパンフを持ってきた。また「登山」である。しかも入山制限のあるところには行けないので、なんだか「ただの登山」になりそうである。いくら詩森が「世界遺産好き」とは行っても、どうしても心が躍らない。「飛騨高山」という案もあったけど、なんか、暑そうだし、なんか、いかにも観光地だし、けっこう遠いし、とやはり心躍らない。やっぱり飛騨行くなら秋だよね。「利賀」に夏フェス見に行く?と提案すると、そんなとこ行くくらいなら白川郷に行きたい、ときっぱり断られる。そんなこんなで、韓国に行こうということで話がまとまる。いきなり心が躍る詩森。ただの外国好きである。それにしてもどんな格安ツアーですら、帰りの空港に行く途中「キムチ屋」に行く、というのが組み込まれているのはどういうワケなんだ??
 劇団の方では連日キャスティングに頭を悩ませる日々。今回頼みたいのは直接は知らない人ばかり。知らない人に電話したり会ったりするのが何より恐怖の詩森にとっては超ストレスだけど、まあこればかりは人任せにも出来ないのでねえ。ま、このために脚本早く上げたワケだし。キャスティング決めて、チラシ発注して、楽しく韓国に行けるよう、頑張りますよ。頑張りますとも。

7月25日 Tue

 劇団ミーティング。その後、制作をやっている女の子と会う。仕事も出来そうだし、性質的にも詩森と合いそうだったけど、12月に関しては、もう先の仕事が入っているらしいので残念ではある。次の公演で時間がもし合うようだったら、ご一緒しましょう、ということに。それにしても制作、制作。必要だよなあ。もうホント、助けて下さいってかんじだわ。我と思わん方、来たれ、ですね。いや、ホント、マジで。

7月24日 Mon

 必要なければ、家にまっすぐ帰る。会社の後に予定があるのはあまり好きではないし、忙しがるのも好きじゃない。好きじゃないのに忙しいので、忙しくなければ、とにかくとっとと家に帰る。夏野菜の揚げびたしと素麺でゴハン。
 いろいろあってベトナム行きは冬に延期(主に経済的な理由)。かわりに念願の「屋久島」に行こう、と夕飯後、菅原さん(詩森夫)と盛り上がり、わあわあ言いながらインターネットで調べると「屋久島ツアー」は下手な外国より高いということが発覚し、アッという間に盛り下がる。まあ、せっかくの夏休み登山っていうのもね。でも、行きたかったな、屋久島。

7月23日 Sun

 昼間は「ブランドンティーナストーリー」を見に行く。これは、「ボーイズ・ドント・クライ」のドキュメンタリー版。ものすごい大混雑で、詩森と若、そして若の友人のりょうちゃんは立ち見整理券とやらをもらい、なんとか潜り込む。マサトさんとヒロくんは滑り込みアウト。梁くんは完全アウト。詩森立ち見整理券の割に3列目のど真ん中という特等席がポツンと空いてて、ゲット。
 映画はものすごく、面白かった。ブランドン・ティーナの物語としても面白かったし、日米比較文化論的にも楽しんだ。もちろん重い事実を扱っているんだけど、湿っぽくならず、そういうできごとがおこってしまうシステムみたいなものをきちんと描いていて、素晴らしかったと思う。
 終映後は、見ることの出来た人、出来なかった人、総勢8名でお茶。そこの喫茶店がまた、なんとも名状しがたいムードのスゴイ場所だったんだけど、詩森の表現力では描ききれないのが残念だ。
 さらにその後は梁くんがうちに来て、「桃太郎電鉄」をやる。これは日本全国を旅行しながら日本一の社長を目指すプレステのゲームだ。菅原さん(詩森夫)がへんなカードを使って(しかも自覚なく)詩森を陥れたので、詩森泣き、怒り、地団駄を踏む大暴れ。ゲームをやると幼児化する、という風評を確かめに来た梁くんを大満足させるハメに。しかし、梁くんは知らない。あそこまで暴れても実は当社比60%くらいの暴れ方だということを。「いやあ、梁くんがいてくれてヨカッタ」とぼそっとつぶやく菅原さん(詩森夫)。あたしっていったいなに?そんなこんなでゲームは梁くんの圧勝。「おめでとう。日本一のやん社長」という派手なエンディング画面で週末も終了。あーあ。

7月21日 Fri

 沖縄サミットでチャンプルー文化、チャンプルー文化と馬鹿のひとつ覚えみたいでうるさいのだが、ついついそれに負け、沖縄料理な日々。今日はタコライス。はじめて作ったんだけど、夏向きで美味しい。菅原さん(詩森夫)にも大好評でレギュラー化決定。
 毎日どうしようかなーと思ってたトップページの更新についに着手。ホントはスゴイ技術的に凝ったことがやってみたかったんだけど、結局ものすごくシンプルにする。なので、フォトショップの写真加工を入れてもアッという間に出来上がり、夜中過ぎにアップ。ホームページってのも箱庭療法的なところがあるよなあ、と思う完全ホームページ依存症の詩森であった。

7月20日 Thu

 絶対今日はどこにも出掛けないと決意して、だらだら過ごす。掃除もする。ゴハンも作る。こんな休日、もうきっと今日で最後かもしれない。なにせ今月後半は人と会う予定で、スケジュール帳が真っ黒なのだ。外は死ぬほど暑い。大嫌いな夏だ。だらだらだらだらいい気持ち。幸せだなあ。

7月19日 Wed

 今週はけっこうヒマなので、今日も家に帰って自炊。今日のメニューはマーボドーフ。XO醤を使った結構本格的なものだ。XO醤に限らず、最近は中華やエスニック系の調味料がどこでも手に入るようになってほんとうにいいことだと思う。詩森は外で食べるのもエスニックや中華が好きだが、自分で作るのもそういうのが好きだ。最も和洋中、何でも作れるといえば作れる。京懐石みたいなのはちょっとムリだけど、まあ、イタリアンでもタイ料理でもひととおりは作れるし、和食だってけっこう本格的だ。昔は、料理が好き、というのは恥ずかしくて言えなかったんだけど、ある時会社で「あなた、お米炊ける?」と聞かれて以来、自分のパブリックイメージというのを思い知り、料理に関してだけは謙遜しないことに決めたのだ。だからといって家事全般が得意かというとそんなことはもちろんまるきりなくて、料理しか出来ないし、しない。いいのか。そんなことで。
 まあ、そんなこんなで、珍しく早々と寝ると、夜中過ぎに梁くんから電話。脚本を送っておいたので、その感想をわざわざ伝えてくれたのである。梁くんは詩森から脚本委員に任命されているのだ。なるほどねー、と思うような示唆をもらったので、そのことを考えながら、午前3時30分、就寝。

7月18日 Tue

 「指輪ホテル」がエスニック料理屋を借り切ってお芝居をやるというので、見に行く。6000円もするけど、ディナー付である。タンドールチキン始めとする前菜もメインのカレーもとても美味しい。「指輪ホテル」のおんなの子たちは、ウエイトレスに扮し、お給仕しつつ芝居に、芝居しつつお給仕に、と大活躍であった。内容もけっこうキテレツで私は好きだった。食べ疲れで、ぐったりしたけど。会場で燐行群の坂手さんにお会いしてご挨拶。同行者がセゾン財団の方とかどこかの制作さんとかで、名刺があったら渡しなさい、と言ってもらったのに、名刺を家に忘れた詩森、青ざめる。慌てて手書きで書いて持っていったら当然だけど笑われた。トホホ。

7月17日 Mon

 企画書を書くためインターネットでいろいろ検索。神戸事件について調べたら、すっごいコワイホームページがいっぱいあって、ゲンナリした。
「サカキバラ、全面支持」する中学生のページとか、
「サカキバラ、死ね」的なヒステリックさに満ちた掲示板とか。こういうのがまた、上品な奥様とか学生とかが、「ああいう異常者は死んで欲しい」なんてまことしやかに書いててコワイ。そこに正義感が伴えば殺意って正統化されてしまうものなんだよなあ。
 ちょっとビックリしたのは「サカキバラは絶対冤罪」という論旨で延々論じているホームページ。死刑囚で冤罪を主張している人というのが実は全体の1/2くらいいることを考えると、サカキバラが冤罪というのもまあ、あり得ないことではないんだけど、本人が冤罪とも言っていないのに、あんなに確信に満ちて延々というのも、なんかヘンだ。一見理路整然としてるんだけど、かなり無理がある論旨もスゴイ。全ての犯罪は冤罪だっていいかねないイキオイである。もちろん全ての犯罪は冤罪である「可能性」は必ずあるので、報道を鵜呑みにしてはいけないワケなんですが。
 そういうわたしにも少年法とかサカキバラくんに関しては自分なりの意見というものもあって、それが正しいとそれなりに思っていたりもするんだけど、こうやって世間の意見を見てみるとわたしの意見ってかなり少数派?と悲しくなる。例えば加害者の人権と被害者の人権をごっちゃにするのはぜったいよくないと思うんだよな。被害者の人権は確かに守られていない、酷すぎる。だからといって加害者の人権も守るべきではない、というのは短絡的じゃないのか?まあ、日記で書き散らすようなことではないのだが、いろいろ考えることが多くって忙しい毎日ではあるな。

7月16日 Sun

 見なくてはいけない芝居があったような気がしたが、どうしても思い出せず、DMの山を繰るがそれでも思い出せず、DMが来てないくらいだから、まあいいか、と一日ノンビリ掃除などして過ごす。ようやく、掃除の前段階までたどりつく。掃除の前段階?と思った方に説明すると、ようやく掃除機とか拭き掃除とかするところまでモノを片づけたということである。なら今日中に掃除機をかければよさそうなものだが、明日にとっておいて、食事を作る。今日のメニューはゴーヤチャンプルー他2品。モノが床に転がってないと自炊も快適よねー、ふんふん、なんて思っていたら、いきなり見なくちゃならない芝居のことを思い出す。げっヤバイ。パソコンに走っていき、日程を確認する。「き、今日までだあっ」。ゴーヤチャンプルーとともに思い出される芝居とはいったい・・・。わかっても掲示板に書かないで下さいね。みなさん。
おっちょこちょいだが、こういうミスは比較的しない詩森としては、かなり落ち込む。実は詩森、義理のある芝居、知り合いの芝居を見に行かないのがこの上なくキライなのである。世の演劇人の常としては知り合いの芝居を見るくらいなら自分の好みのものを見たほうがいいわ、という演劇人がたくさんいるし、また稽古期間に入ったらスッパリ芝居はいかない、という人も多い。そしてその方がカッコいいのは百も承知している。
でもダメなのだ。
知り合いが(特に元劇団員などが)頑張っているんだなあ、と思うと、ついついかなり無理をしてでも出かけてしまうのだ。このへんのメンタリティは自分でもよく解らない。別に嫌われたくないとか、自分の芝居に来て欲しいから、というのとは、違うので尚更だ。知り合いがつまらない芝居に出ている。知り合いがつまらない芝居を書いている。知り合いがつまらない芝居を演出している。自分のことのように腹立たしく、悲しい。逆の時は、天にも昇るほど嬉しい。なんか馬鹿である。そんな詩森の最近の悩みは演劇界にいきなり知り合いが増えたことである。これ以上知り合いが増えたらどうしようもないよなあ、と今からどうでもいいことで悩む詩森。まあ、そんなこんなで週末も終わり。企画書やら作らねばね。

7月15日 Sat

 出来たばかりの台本を睨みながら、ナツメと、キャスティングから制作、スタッフ、オーディションのことまで延々4時間打ち合わせ。その後、前回公演でお世話になった「すこたん企画」さんが新宿タワーレコードでトークライブをするというので出掛けてみる。7時ちょっと過ぎ、モーニング娘の「ラブ・マシーン」にのって伊藤さんと簗瀬さん登場。洋楽ファンの伊藤さんは、その牙城であるタワーレコードという場所故か、はたまた今日の朝まで入院していた、という簗瀬さんを思いやってのことか、いつになくハイテンション。
 その会場で待ち合わせたマサトさんヒロくんのカップルとナツメ、アキちゃんで「上海ヌードル」で食事。ゴハンはおいしいし、おしゃべりは楽しいし、最高であった。マサトさんもヒロくんもアキちゃんもナツメまでもが日記を読んでいるらしいので、またみんなで遊びましょう、とこんなところに書いておく私。
 そして、今日公演スケジュールを出してみると、ここから先、やはり寝るヒマもないくらい忙しくなることが発覚し、「え?もう?」と泣きそうになる。でもそのスキをついて遊ぶ気もマンマンなので、みなさん詩森をどこかに連れてって下さいねえ。

7月14日 Fri

 昨日仕上がった台本にサインペンで、直しをガンガン入れていく。ダメもどんどん書いていく。次回公演「カスパー彷徨」は1995年の作品の再演なのだが、連続少年殺人犯を主人公に据えた作品だ。その間には神戸事件が起こり、今年のバスジャック事件があった。神戸事件はストーリーに符合する部分が多く、ほんとうにビックリしたし、なにか責任のようなものも感じたものだ。少年による凶悪犯罪というのは、実はイメージほど増えていなくて、むしろ減少傾向にあるのだけれど、その質の部分で変化してきているのは否めないところだ。初演は演劇作品として出来がよくなくて、今でもそのことを思うと辛い気持ちになるが、コンセプトに関しては絶対の自信があり、作品というかたちで必ずいいものにしたい。というワケで脚本に対する詩森の視線というのもいきおいシビアになる。セリフを削り、書き足し、書き直し、深夜まで熱に浮かれたように、作業。第2稿脱稿。とりあえずこれをたたき台にして、何人かに意見を求め、更に書き直す(予定)である。

7月13日 Thu

 ひたすら脚本書き。とりあえず脱稿。書き始めて3日。再演とは言え、これだけ全面改訂して3日、最短記録かもしれない。昔は昼・夜バイトして、稽古もあって、脚本書いてない時でも平均睡眠時間3時間、なんていうのの合間を縫って脚本を書いていたのだ。よく、「詩森さん、いつ台本書いているんですか?」と聞かれたけど、それはその3時間の睡眠を更に削って書いたり、電車のつり革につかまって書いたり、会社の昼休みに喫茶店に行って書いたり、稽古の発声練習の合間に書いたり、駅のベンチに座って書いたり(以下中略)、していたのだ。しかもそんな過酷な環境のなかでも稽古入りまでに脚本は必ず出来ていたという(なぜか脚本書きに関してだけは)勤勉な詩森。今のように時間的に恵まれた環境であれば、早く仕上がって当然というものかもしれない。第一稿が出来てしまうと、あとはとことん手直しするだけなので、これは過酷だが、楽しい作業だ。前回「透きとおる骨」は「いい人しか出てこない」という示唆を何人かの方からいただき、そりゃあ、まあもっともだよね、と思ったので、今回は、「ダメな人」「詩森にとって許せないタイプの愚かさを持った人」というのを出してみたいと思う。でなきゃ「世界」じゃないからね。あああー嫌い嫌い、と思いながら、一生懸命書いているので(この一生懸命書く、というのが素人っぽくていいね)、どうぞお楽しみに。

7月12日 Wed

 梁くんがデートに誘ってくれので、大喜びで「Boys don't cry」を見に行く。これは性同一性障害者へのフォビア(憎悪)殺人という痛ましい実話をもとにした映画だ。「透きとおる骨」関係者としては絶対はずせない一本である。主演のヒラリー・スワンクがアカデミー賞主演女優賞を取ったこともあり、詩森としては大期待だったわけだけど、これが、残念なことに、あまりよくなかったのであった。プロットが雑で、感情移入できない。気持ちが乗ってくるとブチッと途切れたり、「ほら、世界はこんなに美しいわ」というシーンで、ちっともキレイじゃない映像が入ったり、その割に「でも実話だから(これでいいのよ)」みたいな開き直りばかりが感じられて、正直言って辛かった。レイプを告白するヒラリー・スワンクの演技と女性監督にしかできない突っ込んだ表現には見るべきものもあった気がするけど、とてもとても残念。
 映画後は「台南坦仔麺」で台湾小皿料理。梁くんといろいろしゃべり倒す。映画より、そっちの方がずっと面白かったので、まあ、よしとすることに。

7月11日 Tue

 脚本に手をつける。一気に1/3。再演なので、はじめると早い。脚本を見せて役者に出演交渉、が最近の基本なので、とにかく最初に脚本を上げるしかないわけだ。ホンが気に入らないのに芝居やってるなんてサイテーなので、関わった以上は少なくとも「ホン」には納得いっている状態であってもらいたい。なので出演交渉の際も「ホンが気に入らないなら出ないで下さい」とハッキリ言うことにしている。今回は脚本会議もするつもりなんだけど、詩森が信頼する何人かにホンを読んでもらい、忌憚なく意見を交わす機会を設けようというのだ。ちなみに役者はこのメンバーには入っていない。見学はさせるつもりだけど。あの人たちはホンを渡した途端から、自分の役のことしか考えられない困った人種なので、ほんとアテにならないんだよなあ。
 帰り道、八重洲ブックセンターで少年法やら少年犯罪の資料を買い足す。それなりに持っているつもりだったけど、さすがに世相を反映したコーナーが出来てて、すごい増えてた。ゲンナリ。でも専門書の類は面白いんだよね。下手な小説なんかよりずっと。
 小説と言えば、「朗読者」を読了。素晴らしかった。知らずに買ったんだけど、実はナチスものでもあって、詩森はナチスものと言えば映画館に駆けつけてしまうちょっとしたナチス通なので(ホロ・コーストに至る集団心理というのに並々ならぬ興味ありなので)、それもあってかなりやられてしまった。そして、ドイツ人の気質はちょっと日本人にも通じるところがあり、心情的にも納得がいきやすい。すごく映像的な本なので、きっと映画化されることであろう。いいものになるといいな。

7月10日 Mon

 BSMLメンバーである倉迫さんが立ち上げたortというユニットの旗揚げを見に阿佐ヶ谷に。演目はなんと「舞姫」。テキストが巧みで、「舞姫」という文芸作品から現代と普遍が立ち上るところがとても面白かった。エリスをやった増田さんはルノアールの絵に出てくるおんなの人みたい。ミューズがいるのはいいことですな。詩森的には相沢をやった男優さんがかなり気に入る。ああいう人を喰った演技できる男優さんって、少ないんだよなあ。演劇関係の男の人って、マジメだからさ。
 今日も夏芽と一緒だったんだけど、お芝居見る前にちょっとミーティング。カスパーの構想について話したのだが、夏芽と会っていないたった一日のあいだに詩森がとんでもなく壮大なアイデアを思いついていて驚愕される。なんと16人もの人を出そうというのだ。あの楽屋もないWENZスタジオで。カスパーのどこをどういじれば16人ものキャストになるのかはまだヒミツだな。
 芝居の後は、高円寺で真吾ちゃんと靴の修理代を返しがてらアジアンママで飲む。エスニックなゴハンは美味しいねえ。ここでもいろいろ話しをして、ここ2週間ほどマイナスと言っても過言ではなかった次回公演へのモチベーションが一気に持ち上がる詩森である。家に帰ってからも勢いはとまらず初演のアンケートやら脚本やら読んでみた。アンケートの評判がなかなか悪くて更なる闘志を燃やす。やりますわよ。

7月9日 Sun

 菅原さん(詩森夫)のジーンズに穴が空いてるし、夏の服が手薄なので大井町のユニクロへ。や、安い。逆上し、さまざまなものを買いまくる。ユニクロキッズのTシャツは色もカワイイし、オススメかも。しかし、菅原さん(詩森夫)は細すぎて、ユニクロのタイトのジーンズでさえぶかぶかだったので、ジーンズだけは別な店でいつものリーバイス501を購入する。
 夜は再演予定の「カスパー彷徨」のビデオを見る。風琴工房の作品としてベスト3に入る完成度の低い作品なので見るに耐えず、ずうっと通しでは見ていなかったんだけど、まあ、そうも言っていられない。演出と演技と台本のあまりの稚拙さに身もだえる。でも、思ったよりずっとエッジな作品ではあった。すげえ先鋭的。神戸事件+このあいだのバスジャック事件そのもの。早すぎたんだなあ。そして下手すぎたんだなあ。どこをどう直して、どう書いていくか、考えはじめたら眠れなくなってしまった。20世紀最後の作品となるワケだし、いいものにしなくてはね。

7月8日 Sat

 芝居も終わったというのに3日連続で夏芽とお出かけ。昼間芸術劇場でお芝居を見てから、夜はLoudというレズビアン・バイセクシャルの女性のためのフリースペースが主宰するキャンドル・パーティに「透きとおる骨」の宣伝をやって下さったお礼を兼ねて顔を出す。なんかまったりしていていいかんじのパーティであった。ふたりで行ったから当然なんだけど、いろんな人から「(夏芽と)カップルなんですか」といきなり聞かれる。そのたび律気に「違います」と答える私たち。ボーイッシュな夏芽と一見フェミニンな詩森は、かなりカップルっぽく見えるらしい。なんかオカシイ。まあ、そんな日々である。

7月7日 Fri

 利賀でお知り合いになったポカリン記憶舎の明神さんが日舞を踊るというので、都立家政という「どこだそれは」という西武新宿線の駅まで行く。都立家政大というのはうちの母の母校でもあるのだ。ま、それだけなんですけど。
 明神さんの踊りはステキだったが、メインとなっている亀寿賀という女性が妖しさ150%というかんじで、なんだかもの凄かった。コンサートのタイトルは「ゆらゆら」だったけど、なんだか「くらくら」に。ガラスの仮面の美内すずえさんが亀須賀さんのお友達ということで来ていて、ガラスの仮面ファンの詩森としては、ちょっと感動する。ぜんぜん普通の人だったけど。でもちょっとだけサイン欲しかったなー。

7月6日 Thu

 reset-Nの町田さんのソロアクトを観におくむらさんとアップリンクファクトリーへ。思ってた以上に小さい空間でビックリ。ヒミツの小部屋みたいでカワイかったけど。ひとり芝居の後の役者さんに会うのが恥ずかしいので、町田さんに紹介して欲しいであろうおくむらさんをひったてるようにしてとっとと帰る。
 芝居を見る前にちょっとだけ悲しい出来事があったので、お金もないのに丸井へ行き、ズボンを衝動買いしてしまう。7分丈のピッタリデニムというのが今年は流行っているのだが、詩森は上半身の割に足が太い、しかも足首・ふくらハギへんはかなりヤバイ、という体型なので、欲しいなあ、と思いつつ試着することすら躊躇っていた。だけど、なんとなく試してみる気になり、何本か試着する。我ながら悲しいほど似合わない。やっぱりいいや、と帰りかけた時、店員さんが「これはいいですよお」と出してきてくれたのをこれで最後にしようと思って試着すると、これが、ぴったり。しかも問題となる箇所(といっても足全体が問題なのだか)が気にならない、ような気がする。店員さんが勧める間もなく、お買いあげ。ちなみに七分丈パンツが欲しかったのは、流行っているから、ではなくヤフーの媚薬の時、衣装として買ったまっきっ黄のハラコの靴に合う服がなかったからで、家に帰って合わせたら、ピッタリだったので、大満足。まあ、でもあんまり気は晴れないな。

7月5日 Wed

 ゴハン作りが一日のメインイベントという毎日。でも部屋が汚いので、自炊しているとすごい不愉快な気分になる。じゃあ片づけろよってかんじだけど、片づけるとゴミが出て、ゴミの日まではまた散らかるという悪循環。ああ、早く片づけないと。
 ロメインレタスが手に入ったので、シーザースサラダを作る。詩森のシーザースサラダのクルトンはフランスパンを揚げて作るので、とても美味しい。でもこの部屋では、味も何もわからないよなあ。

7月4日 Tue

 寒いので入ったスターバックスコーヒーで、つい誘惑に負け「キャラメルフラペチーノ」を頼んでしまう。これはコーヒー味のかき氷にキャラメルソースと生クリームがかかっているというシロモノである。これがものすごく美味しい。しかし、寒い。美味しい。寒い。美味しい。寒い。なんだか、大馬鹿である。
 その後行った東京で詩森がいちばん好きな本屋「八重洲ブックセンター」では、「朗読者」というタイトルに惹かれて1800円もする小説を衝動買い。小説は単行本では買わないというのがポリシーなのだが、「朗読者」しかも素晴らしい装丁。負けました。投了。面白いのかどうかはまだ不明。そして「朗読者」というタイトルがなぜツボかも不明。それにしても通勤途上に「八重洲ブックセンター」があるのは、ほんとうに迷惑だ。本代が嵩みすぎる。
 今日も雷雨。素晴らしいほどの。

7月3日 Mon

 夕刻からすごい雷雨。会社行って、まっすぐ帰ってだらだら片づけ。いつものことだが、片づけ始めるとどんどん散らかるのはなぜだ。そしてほんとーに久しぶりの自炊。青菜と油揚げの炒め物、じゃこ豆腐、焼き魚。食後は若から借りた木原敏江という漫画家の「鵺」に手をつける。絵が絢爛で疲れるけど、面白い。だけど少女漫画読むのって体力がいる。主役のシノブだかいう男の子のキャラクターが秀逸で、でもこういう子を芝居で出すのは難しいだろうなあ、なんて考える。まあ、そんな夜。

7月2日 Sun

 ク・ナウカ「knob」を観に五反田へ。菅原さん(詩森夫)も珍しく積極的に行きたいと言うので、同行する。彼はreset版も観ているのだ。まあ、詩森にしたって、どうしてもreset版と比べてしまうので、フェアとはいえない見方になる。でも面白かった。詩森がreset版より気に入ったのは、サノとカナのプレイのシーン。SMだった。阿部さん最高。最後の心情が零れるシーンも私は好きだったなあ。カナも、そうそう、カナってこんなかんじ、と素直に思った。あと、宮城さんのイワモトは、反則なほど面白かった。夫に「笑いすぎ」と後で注意を受けるほど笑ってしまった。タロウと鈴木さんも、くっきりしてた。意味がなくて、不条理な存在としてタロウが定義づけられていたのが、逆に納得がいくかんじがした。そして、同行者全てに不人気だったのが、カタヤマ。カタヤマがあんなかんじだと、キビシイものがあったのも確か。残念。まあ、でも「knob」っていうのはやっぱり面白い戯曲だなあ、と実感。芝居の後、宮城さんに先日のうちの公演の感想をお聞きする。細かいディティールのことまで。有意義であった。庭園美術館での「オイディプス王」を予約して、会場を後にする。
 その後は8月のゲイ・パレードのイベントの打ち合わせに新宿へ。8/27パレードの後のアフターパーティでイベントをやるかもしれないのだ。パフォーマンスは得意ではない風琴工房だけど、頑張ってみたいと思う。まあ、そんなこんなで詩森も劇団も始動開始。大嫌いな夏も本番なワケだな。

7月1日 Sat

 一日寝る。カフェウブドゥにバリゴハンを食べに行くと決めていたが、挫折し、近所の「やす川」で海鮮丼。でも美味しかったよ。
 そういえば「セリフの時代」が送られてきていた。AERAの時も思ったけど、なんだか人ごとみたい。でも嬉しい。まあ、この中から生き残るのは誰かっていう話になっていくワケで、喜んでばかりもいられないんですが。堤さん、どうもありがとうございました。


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