ろばくん ROBA DIARY

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3月31日  Sat
 花見のはずが雪まじりの雨。明日に順延。昼間は「ゼルダの伝説」夜は、7月公演に出てくれる役者さんのお芝居を見に行く。これがまた、ちょっと悲しくなるようないいかげんな作りのお芝居で、泣きたくなった。これからは、義理があるからと言ってなんでもかんでも出掛けずに、ちゃんと選べということだろうか。でも詩森にとって役者さんや創り手の方と関わるということは=芝居を観る、ということなので、見もしないでイメージだけで選ぶなんてことはやはり出来ない。人と関わることに手を抜くのなら、芝居なんてやめたほうがいい。けれど、もし見に行かなかったとしても、毎日こんなゴミのような芝居があちこちで、防ぎようもなく上演されているのだな、と思うと、暗い気分になる。いいお芝居はたくさんある。でもダメな芝居はもっとたくさんある。なにかもう打ちのめされた気分で帰宅。  

3月30日 Fri
 ネクスト・リーダーズ・キャンプのミーティング。ネクスト・リーダーズ・キャンプとは、利賀で行われる若手演劇人の勉強会のことだ。「【P4】新聞」に載せるというインタビューを終えると11時。夏井さん、横山さんと「ジョナサン」でゴハンを食べて帰る。ネクスト・リーダーズ・キャンプについては、こちら

3月29日 Thu
 最後の役者さんが決定する。今日お電話して、やって下さると言うので、「ではよろしくお願いします」と電話を切ろうとしたら、「わたしとしてはやりたいのですが」と口ごもっているので、スケジュール等で何か問題が?と思い、「何でしょう?」と言うと、「そちら様には猶予期間は必要ないのでしょうか?」と突然聞かれる。ゆ、猶予期間?。それはチラシの入稿が迫っていて余裕しゃくしゃくのスケジュールとはいわないが、いったい何の猶予期間が必要だと言うのだろう。
 ひらたく言うととどのつまり「自分でいいのか」という心配をして下さったらしい。なをもいろいろ気を使って下さるその役者さんの気が変わっては大変とばかりに、「もちろんぜひともお願いします」と重ねてお願いして電話を切る。
 この最後に決まった男優さん、大谷さんは、新劇畑でもなく、かといってアングラ系でもない、コメディー映画が好き、という49歳。いよいよもってメンツのあやしさに磨きがかかる7月公演である。一日も早く稽古が始めたいものだが、稽古開始は例によって1ヶ月以上も先なのだ。その前に4月公演もあるし、利賀のキャンプもある。
 ふと気付くとこんな風にのんびり家で過ごせるのも今日が最後かもしれない。4月のオフは全て芝居を見に行く予定が入っているのだ。なので、根菜類がたっぷり入った味噌仕立ての洋風スープと豚肉の梅肉蒸しで夕食、食後は結局「ゼルダの伝説」をやる。ロックピルというダンジョンのボスがどーしても倒せない。口惜しい。でもこのボスを倒すと、ついに最終ダンジョン。長かったゼルダの日々も桜前線の通過とともに終了。来年の1月まではノンストップな公演の日々がはじまるんだなあ。  

3月28日 Wed
 劇団ミーティング。途中から「ナツメ悩み相談室」になってしまったが、まあ、話すべきことは話し、考えるべきことは考え、あまりのやることの多さに呆然としながらも、ひとつづつ的確にやっていきましょう、などと話す。
 すっかり遅くなってしまったので自炊はあきらめ、デニーズで菅原さん(詩森夫)と食事をしていたら、アゴラ企画の中埜さんからお電話をいただく。実は「大世紀末演劇展」にかわりアゴラがスタートさせるフェスティバル「サミット」にひっそり応募していたのだが、それが決定したというお知らせであった。実は風琴工房、フェスティバルと名の付くもの、初体験なので、ちょっと緊張する。reset−Nの夏井さん、アゴラ企画の中埜さん、という若きフェスティバル・ディレクターのためにもぜひいいお芝居にしたいものだ。詳しい日程等はインフォメーションの方にアップしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

3月27日 Tue

 ワークショップ最終日。なので、発表をしてもらう。みんなものすごい緊張している様子。次々発表。ここには書ききれないけど、とても面白かった。今回のワークショップは、様々なタイプの役者さんが様々なバックボーンを抱えてやってきて、同じ芝居の同じ役を演じてもらった。10回の間、やったことはそれだけで、人の芝居を見る、それを演出している私を見る、自分が演じる、その繰り返しだった。役者は「自分にとって演技とは?」ということと否応なく向き合ったのだと思うし、詩森も「演出の責任」というのをこんなにもはっきりとカタチとして見せつけられたことはかつてなかったように思う。最初はてんでバラバラの方向を向いていた芝居が、いつのまにかあるベクトルを持ちだす。風琴工房は「型」とか「方法論」とかそういうわかりやすいカタチでの演出は為されていない集団だが、やはり芝居のベクトルの向きを決定しているのは、圧倒的に「演出家」なんだな、「演出家」がぶれると、芝居がぶれるんだな、ということに、今更なんだけど、改めて思い至る今回のワークシッョプであった。
 終了後は、当然、打上げ。麗しい女性ばかりで素晴らしい飲み会。その中でたったひとり男の子のシンゴ。なぜか違和感なし。新調したというメガネを得意げにかけていたが、笑福亭笑瓶ちゃんにソックリなのはいかがなものか。今週末やるという「花見」のことしか頭にないらしい松岡洋子を引き連れ、終電で帰宅。

3月26日 Mon

 例の決まらない役だが、実はまだ決まっていない。なので、今日またひとりの役者さんとお会いする。会っている最中に、何度もいろんな人からメールが来るので、「なんだろ」と思っていたら、ちょうどその時間にニュースが放映されていたのであった。家に帰って録画をチェックする。まあ、こんなもんだよね、と思ってしまう私は、もうテレビにはなんの期待もしてないってことだろう。でも詩森が話したこと、それからビデオの中から、あの部分だけ抜き出す、というのは、やっぱりプロの仕事なのではないか、と思う。番組的には、絶対に「似ていなければ」ならないわけだから。
 でも、「カスパー彷徨」というのは、やはり、犯人の男の子の心理を拾った作品だから、被害者心情というのは、拾えていないし拾っていないとも思う。だからアンケートにも「被害者の気持ちも考えろ」というのもそれなりにあった。いつか、被害者側の状況(ちょっと許せないくらい酷い。これは調べると調べるほど)も芝居にしていくべき、とは思ってるけど、詩森の中では被害者の方の痛ましさについて思うことと、犯人の痛ましさについて思うことは、矛盾しないことなのだ。もし犯人がうちの芝居を見ていたとしたら、そりゃああんたずいぶん歪んだ取り方したね、と思うし、その魂に結局届かなかったんだなあという敗北感を感じるだろう。その歪みと、一生かけて付き合っていくべきなんだろうね、作品の作者として、と思ったね。別に犯人が芝居見た、見てないに関係なく。そんなふうに思う一連の「カスパー騒動」であった。

3月25日 Sun

 「たまには部屋を片づけなさい」と菅原さん(詩森夫)に怒られるが、ちょっと片づけてはテレビの前に舞い戻り、「ゼルダの伝説」をやり続ける。どんどん進め方が複雑になっていくのがまた面白く、やめられない。こうなってしまうからファミコンはいやなんだ。と、言いつつ、次は西嶋くんから「ファイナル・ファンタジー9」を借りる約束になっている。「クリスタル復活」。そうよ、FFはやっぱりクリスタルがないとね。
 で、夕方から、秋公演のための取材。女の子同士の恋を書くワケなので、女の子同士のカップルと、飲みつつ、食べつつお話。付き合いだして11ヶ月目というそのカップルは「私たちケンカばっかりなんですう」と言いつつ、ラブラブであった。いやもうほんとにゴチソウさまだよ。
 そんなこんなで同性同士のカップルとゴハン食べたり、遊んだりというのがちっとも特別な出来事ではなくなった詩森の周辺ではあるが、先日、とある場所で、詩森がセクシャテリィ関係の芝居をすることがある、という話になった時、とある人から、「で、オカマとホモはどう違うんですか?」と聞かれ、死ぬほどビックリした。なんだそりゃ。しかもその人は生徒指導担当の教師なのだ。普通にいい人なんだけど、それでも世間の認識なんてそんなもんだと思い知り、ひっそり傷つく。
 ちなみに、「ホモ」も「オカマ」も蔑称で、使うべきではないし、「ホモ(セクシャル)」は性指向の領域で、「オカマ(性同一性障害、性別違和、異性装者)」は性自認の領域なので、「どう違う」もなにももとからが違う、が正解なんだな。まあ、でも詩森もちょっと前まではクリアに解っていたワケではないので、こんどホームページ内に「性のグラデーション」に関するちょっとしたページを作りたいな、と思う今日この頃。へんな嫌悪感を刷り込まれてしまっている、という点ではわたしたちも今の教育の犠牲者だと言えるんだよね。

3月24日 Sat

 朝一で稽古に使わせていただく小茂根のスタジオを見せていただきに行く。大変美しく立派なスタジオで、恐縮してしまう。スタジオを見せて頂いたあと、オーナーの方と話をさせていただいたのだが、とても面白かった。「不動産を持っているということは偶然で私の努力ではないので、そこで得たお金を芸術のために使いたい」とおっしゃる。美しい年配の女性で、いろいろお話をさせていただき、いいひとときを持った。このスタジオから良い演劇を作りたい、と心から思う詩森だ。
 その後、前に風琴工房に出てくれた役者さんが出るぼっかめろんの昼公演に行く。関係者の方をたくさん知っているし、同じ創作者として本来は控えるべきなのだが、あえて書きたい。嫌な公演だった。2時間ほんとうに辛かった。できることなら劇場を出てかえりたかった。そうできなかった自分を恥じた。大切に思う人が出ている公演なので、辛さもひとしおであった。彼女は頑張っている。でもなんのために?と思ってしまう自分が悲しい。
 プライドについて考える。プライドは創作になくてはならないけれど、人に押し付けたとたんに嫌な匂いを放つものだ。私は大丈夫か。きっと大丈夫ではないこともあるだろう。その腐臭を忘れてはいけない。その腐臭に慣れてしまってはいけない。腐臭がするということを率直に言ってくれる人たちを手放してはならない。キャリアを忘れたい。誰よりも自分に冷たくありたい。そんなことを思う。強く思う。

3月23日 Fri

 今日は詩森とっておきのスポットで撮影。東京湾近くにある素晴らしい歩道橋その他である。殺伐とした工業地帯に「王様の椅子」を置き、王子ふたりを引き連れた女王さま再度登場。当然のことながら奇妙さ倍増である。トラック行き交う交差点の真ん中に「王様の椅子」と詩森たっての希望で死体となる美少年西嶋。中央分離帯を歩かされる王子シンゴ。そして、いつでもどこでもどんな場所でも「王様の椅子」に座り艶然と微笑む阿部由輝子女王。面白すぎる。そしていったいどこへ行くんだ風琴工房。
 そんなこんなで撮影は終了。みんなお疲れ様のビールを飲みに行ったが、詩森にはとんでもない用事が待っていた。それは、テレビ東京からの取材の依頼である。例の「カスパー彷徨」が世田谷の事件に似ているという件が特集の一環として紹介されるらしい。撮影終了の場所から西荻窪WENZスタジオへと拉致される詩森。26日放送のニュースアイという番組だということを移動中の社内で聞かされる。……ニュ、ニュースですか。マイクをつけられ、なにがなんだかわからないうちに取材終了。いったいどのように編集されるのだろうか。不安である。でもテレビ東京の方たちはみんないい人たちで、取材後はわざわざ家まで車で送って下さったし、桜田門付きだ、という記者の方の話はけっこう面白かった。関係ないが、最近興味を持ったニュースは、と聞かれ、思わず「バーミヤンの石仏爆破」と正直に答えてしまい、怪しまれたかもしれない。でも、爆破シーンには実際のところ、正視できないほどのショックを受けた。ほんとうに粉々だった。かたちあるものはいつかは朽ちていくものだから仕方ないけど、その爆破の根底にある人の心のありようが怖かったのだ。
 私は思うのだけれど、バーミヤンの石仏を爆破した人も、世田谷で一家を殺してしまった犯人も、自分のしたことの意味を知って欲しい。その愚かさにたどりついて欲しい。心からそう思う。「もしも世田谷の犯人が「カスパー」を見ていたとしたら」、という問いかけをありえないこととして笑い飛ばすのは簡単だけど、そういう歪んだかたちで作品が誰かのもとに届いてしまう可能性もゼロではないのだということを改めて思い起こさせられる一連の取材ではあった。そういうとき、改めて「ものつくり」というのは覚悟なんだな、などと今更のように思ったりするのだ。そうだよな。本当に、覚悟なんだな、と。

3月22日 Thu

 7時50分、新宿で今日、明日とドライバーをやって下さる間さんと待ち合わせ。バンを借りて、一路高津へ。予約しておいた赤いビロード張りで金のフチがついた「王様の椅子」を引き取る。今日の撮影場所は御茶ノ水。明治大学の内部である。タルコフスキーの「ストーカー」という映画で部屋の中に雨が降るシーンがあるのだが、あのシーンを思わせる、不思議な空間だ。その空間に王様の椅子を置いたら、まんまピーター・グリーナウェイの世界になってしまい思わず笑う。王子様っぽさバリバリの服を来た西嶋くんとシンゴにせっかくだからと美少年メイクを施す。マスカラまで塗る。男の子にマスカラ塗るのははじめてやったけど、すっごく面白かった。だってすごく顔が変わるんだもの。そして黒いドレスに夜会巻の阿部ちゃん登場。馬鹿だ。馬鹿すぎる3人組の一丁あがりだ。今回映像を担当してくれる蔭山さんはとても指示が明確で、撮りたい絵がはたで見ていてもクリアにわかる。シノプシスは詩森が書いたけど、撮影はすっかりお任せ。「ぼくの撮影する姿はとても奇妙なのでよく笑われるんです」と蔭山さんは言っていたが、奇妙とかそういう問題ではなく、度を越してキュートなのである。なので、詩森、助手の愛ちゃん、阿部ちゃん付きのヘアメイクとして参加してくれた横山裕子ちゃんは、すっかり蔭山さんのトリコになってしまった。蔭山さんの仕草がいちいちハートに突き刺さる。美少年ふたり、立場なし。
 撮影終了後は詩森の家で小宴会。運転手の間さん、裕子ちゃん、シンゴが宿泊。

3月21日 Wed

 明日の撮影で必要な小道具等を探しに行く。コップ、毛糸、豪華に見えるネックレス等。
 ところで詩森の会社はとても人が少ないので、燃えないゴミがなかなかたまらない。なので帰り際に燃えないゴミだけ捨てていくのだが、ゴミを捨て、しばらく歩き、ふと用事を思い出して携帯電話を使おうとすると携帯がない。これは会社に忘れたな、と思いとりに帰る途中、ふと、思い立って先ほど捨てた燃えないゴミを覗くと、そこには見慣れた携帯の姿が……。つまりあたしは携帯電話を捨てちまったワケね。あんたはリゲインのコマーシャルかってーの。我が事ながら信じらんない。ああ、もう全く。
 夕ゴハンは味噌ラーメン。明日は早朝待合せなので、早めに就寝。

3月20日 Tue

 昨日に引き続き今日もやってしまった。また時計を一時間見間違えていたのである。映像の衣裳の打ち合わせでシンゴと西嶋くんと会う約束をしていたのだが、西嶋くんから「少し遅れます」の電話をもらった時にはなぜか待ち合わせの時間の20分前。しかもまだ家にいる。なにをしていたかというとゼルダの伝説で「空きビン」を手に入れるべくクロックタウンを走り回っていたのだ。あまりにもダメすぎる。ダメすぎるワタクシ。
 泣きながら家を飛び出し、バスに乗って大森駅に到着したところで、「衣裳合わせ」に行くというのに「衣裳」を忘れたことに気が付く。菅原さん(詩森夫)に電話して自転車で持ってきてもらうことに。
 なので、待ち合わせ場所に到着した時にはすでに一時間が経過していた。まあ、それでもふたりにそれぞれ着替えてもらい、この衣裳でいけるね、ということに。男の子ふたりがお揃いの衣裳、なんだか不思議。
 その後は紅王国の3周年記念パーティーに呼んでいただき、梅ヶ丘の「パンの笛」へ。詩森も松原に住んでいた頃、お気に入りだった小さな一軒家風のレストランである。なにごとによらず「何周年」というのに頓着しない詩森としては、この節目を大切にする、という行事はとても新鮮であった。それにしても風琴工房はいったい何周年になるのだろうか。謎だ。
 楽しく飲んで食べていたら途中から激務シフト中なハズの寺田くんが来る。考えてみたらこの紅王国は寺田くんのホームグラウンドなのである。油断していた。まあでも久しぶりなので7月のことでちょっとまとまった話などする。
 そんなこんなで比較的詩森にしてはスケジュールがタイトでない時期だというのに、自ら招くミスのせいでプチ激動の日々。

3月19日 Mon

 なにかやってしまうのでは、と心配していたらいきなりその予感が現実に。美術をやってくれるかもしれない男の子と待ち合わせをしていたんだけど、詩森の中でだけ時間がすっかり一時間ずれていてのだ。待ち合わせ時間を間違えていたのなら、まだよくある話だが、「今日の待ち合わせは5時」とちゃんと解っているのに、5時の時点で「今は4時」と思いこんでいたというのだから、どうかしている。電話をもらった時にも、「えっ、待ち合わせは5時ですよね」などとワケのわからないことをいい、相手を?の嵐のなかに巻き込んでしまった。
 そんなこんなで打ち合わせ。詩森の無調法にも関わらず座は非常に盛り上がる。喫茶店で、酒も入らずに延々としゃべりつづけ、まだ8時くらいだと思って店を出たらすでに10時近かった。ビックリ。というワケで依頼してから3ヶ月あまり、ことあるごとにミーティングを重ね、舞台美術さんがようやく決定。風琴工房が詩森のプラン以外で舞台をやるのは「最後の素足」以来2度目。しかも詩森が「ぜひこの人に」と見初めた相手に頼むのははじめての出来事なので、ものすごく楽しみだ。いい共同作業になりますように。

3月18日 Sun

 朝、Actネットワークの飯塚さんからお電話をいただく。詩森が男優を捜しているのを覚えていて下さって心当たりをあたって下さったのだ。まだ、先日頼んだ人の返事待ちなので、保留にしていただいたが、その心づかいに大感激。また、別の方からは探していた稽古場の件で、あたりをつけて下さってお電話をいただいた。ぜんぜんそんなことまでしてもらうような義理もないのに、丁寧に応対して下さって、びっくりする。こちらはさっそくお電話して、破格の条件で貸していただけることに。ほんとうに泣ける。
 そして今日はワークショップ。毎回おんなじテキストで、変化に乏しい稽古だったので、こういうのってどうなんだろ、と思っていたのだが、ここにきて、ほんとうに面白くなってきた。役者が違うとこうなる、というのも面白かったし、でも結局同じ演出が演出するというのはこういうことだ、というのもわかったし、ゲームとかエチュードとかで構成するワークショップより、今回の場合は良かっのではないだろうか。
 それにしても、4月と7月と9月と1月の製作を同時進行で進めているので、メモリ不足が如実になってきた。そのあいだに利賀もあるし、なにかとんでもないことをしでかさないといいが……。人間にもメモリ増設は出来ないものだろうか。そんなことを思いつつ、今週末の映像撮りのシュミレーション。アレをやってコレをやってソレを手配して、と結構やることがあることにいまさら気付く。そんな毎日。

3月17日 Sat

 劇団の作業日。4月の秘密ライブはメールと最小限のお葉書のお知らせだけだけど、そのメアド入力が一苦労。菅原さん(詩森夫)が、メール配信ソフトを、それこそアッちゅーまに作ってくれた。理系の脳のシステムはいまいちよくわからないが、夫への尊敬が珍しく高まる詩森。で、夜中に配信。配信してから、「満を持して」を「万を持して」と書いてしまったことに気付き愕然とする。
 更に楽しみにしていた鳥取の「夢ORES」さんの公演が明日までというのに、いまさら気付く。明日はどうやっても行けない。DMが来なかったので忘れていたのだ。ああ、もう、まったく。

3月16日 Fri

 確か今週末はortで知り合った沢木さんの芝居があるハズ、と思って井DMを調べたら、平日3日間の公演で終わっていた。ガーン。せっかく予定がないから、「水と油」を見るべきか、とか、ターピンに似た女優がいるという「ツメキリ」にでも行ってみるか、などいろいろ考えたが、2月から続いた大量の観劇で芝居疲れしてしまい、まあいいか、と家に帰る。当然「ゼルダの伝説」をやってしまう。しかし、ほんとーに良くできてる。いろんなことにいちいち感心。で、猿のように繰り返す。(以下、「ゼルダの伝説−ムジュラの仮面−を知らない人は読み流してね)こんなにやっているのに、ようやく「海」に辿り着いたところ。ゾーラリンクはドルフィンのようにすいーっと泳ぐ上、ドルフィンジャンプまで決めてくれるんで、きもちいいっス。

3月15日 Thu

 真剣に役者のことを考えていたら、天啓のようにひとりの役者の名前が浮かぶ。どーしてこれを思い出さなかったんだ。で、さっそく電話。決まりますように。

3月14日 Wed

 最終リハーサルのための稽古場とひとりだけ決まらない役者のことで憂鬱な毎日。おかげで詩森は稽古場に関してはちょっとしたオーソリティーになってきた。せっかくなので、稽古場一覧と料金表をエクセルで作る。公共施設のとり方から音楽スタジオまで、これ、ちょっとスゴイかも…、というものが出来上がる。素晴らしい。何事も親切な詩森もここまでの苦労を思うと、この表ばかりは門外不出という気分になるほどだ。だけど、まあ、いざ聞かれると、調子にのってホイホイ教えると思うので、稽古場に困ったら、詩森に聞くといいと思いますよ。はい。
 決まらない役者は、誰も誘っていないので決まるワケがないのだが、さすがにもうのんびりとはしていられない。キャスティングはいつも真剣だ。あまり得意ではないらしくよく失敗するが、「苦手」と気付いてからはものすごく慎重にその作業に臨んでいる。キャスティング会議を何度もやって、それからオファー。役柄にあっているかどうかはもちろんのこと、チームワーク的にどうか、バランスはどうか、公演の質感としてどうか、など。最後の公演の質感というのは、例えば「雨の森」なら真っ直ぐなかんじ、「透きとおる骨」は何気なさ、「カスパー彷徨」は(キャスティング的には)ちょっと失敗したので割愛、で、次の「Sol Plastic」は獰猛なかんじ、「我先に」というかんじの役者が欲しい。で、悩む、最後のひとり。好きな役なので、妥協したくない。30代半ばから上限なし、男優、熱烈求む。

3月13日 Tue

 テアトロ戯曲賞発表。通達がないので、自分ではないのはわかっていたがユニークポイントの山田さんと「せめて該当作なしはやめてほしいよねー」「レベルが高くて接戦とかねー」と言っていたら、まんまと「該当作なし」であった。ちょっとおかしい。それにしても、せっかく最終までいったのに、選評を読むと、審査員の皆様がものすごく暗い気持ちになったと書いてあって、かえって、「読んでもらっちゃってゴメンなさい」と言いたくなった。閉塞的で希望がない、というのは確かだし、まあ、いろいろ考えるところもあったので、謙虚な気持ちでお言葉を受け止めたいと思う。思うけれど、「別役実さんを模倣」とか「プライベートの露出」と言うのは、思いもよらないことで、驚いた。そうなんだ。別役さんなんだ。「模倣なんてしてないのに」と憤慨しつつちょっと嬉しいワタクシ。
 そして、今日はワークショップの日なのであった。どうなることやら、と思っていたら、今週くらいから俄然あがってきている。みんな自主練習とかしてるらしいし。いいぞ。

3月12日 Mon

 映像の打合せ。「シンレッドライン」は戦争映画を超えた戦争映画の傑作だぜ、という話で盛り上がる。そうよ。そうよ。そうなのよ。なんか、蔭山さんとは打合せなんてちっともせずにそんな話ばかりをしている気がする。
 ところで、アンコールワットに行く、と昨年来騒いでいた詩森であるが、夫の仕事の都合でまたしても延期になった。かわりといってはあまりになんだが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行くことにした。しかもオープンして一週間もたたないうちに、である。馬鹿すぎる。その上、菅原さん(詩森夫)の希望で、なぜか「姫路城」にも行くのだ。なんて脈絡のない。まあ、アンコールワットに行けなかったので、世界遺産で埋め合わせる、ということで。世界遺産と言えば、アフガニスタンでは「バーミヤンの石仏」が破壊されてしまったらしい。偶像崇拝禁止の教えにのっとったものらしいが、あまりに愚か過ぎる。ひとつの宗教を持つ、ということが他の宗教を尊敬することには決してつながらないのはなぜなんだろう。ペルーのマチュピチュが一ヶ月に1cmづつ沈下して、何年かうちには崩落してしまうかもしれないという記事も新聞にのっていた。こちらは自然のなせる業だが、なんとか、崩落してしまう前に補修工事を出来ないものだろうか。マチュピチュを守るためなら、多少寄付してもいいとすら思う詩森だ。
 ところで今回調べてビックリしたのだが、関西方面行くのって、飛行機のほうが安いのね。往復飛行機乗って(めっちゃ早朝とかだけど)、ホテル2泊して20000円(弱)というツアーをみつけて仰天したよ。どんなホテルだよ、と思わず突っ込んだよ。あたしは。シェラトンとか全日空ホテルでも30000円くらいで泊まれるのだが、恐いものみたさでいちばんランクが下のホテルにしてみたわ。ほほほ。ま、ここは日本だしね。そんなスゴイことにはなるまいて。このツアー報告はまた強制的に旅行記となる(予定)なので、皆様、お楽しみにね。

3月11日 Sun

 昨日、今日は一年ぶりにボランティアに行って来た。知的障害児のスキー旅行のお手伝いである。ボランティアのスキーというのは、スキーというより、雪山を走り転びともに泣き、笑う、という結構すごいものなのだが、毎年続けているせいか、参加者のレベルがどんどん上がっている。私が担当した子などは、緩斜面ではもの足りず、頂上まで行って、かなりの急斜面を転びもせず立派なボーゲンで降りてきたほどだ。なのでもちろん私もスキーを履いた。しかし、詩森がそんなふうにノンビリとスキーを楽しんでいるあいだに、下のほうの斜面では、蝦名くんという男の子がフェンスに激突し、宙を飛び、地面に叩きつけられ、失神。スノーモービルで運ばれたそうである。幸いケガはなかったそうだが、やはりここのスキーは油断はならない。それにしても、私がはじめてボランティアに行ったとき、小学生低学年だった子供が今年で高校卒業だそうである。光陰矢のごとし。年を取るはずだわ。
 ボランティア後は恒例の食事会。夏に生まれた千谷先生の赤ちゃんも来る。ものすごくかわいい。食事会にだけ来た菅原さん(詩森夫)と美味しい鍋を堪能し、深夜帰宅。

3月9日 Fri

 利賀の「ネクスト・リーダーズ・キャンプ」のダイレクト・メール作業のため、山の手事情社オフィスへ。ユニークポイントの山田さんの作業の早さにビックリする。詩森もそうとう熟練していると思っていたけど、ぜんぜん負けている。
 作業後、手伝ってくれた安木くんも交えロイヤルホストで食事。

3月8日 Thu

 ミーティングなので、4月公演の構成台本を書いて持っていく。タイトルが「3つの短編」なので、その「3つの短編」はこれから書くんだけど、それを繋ぐ部分を仕上げていったのだ。「遠足」という(詩森的に)絶妙なお題を考えついたおかげで、たいへんはかどり、それこそ、アッというまに完成してしまった。紅涙をしぼるようなものでもないし、深さもなーんにもないけど、宴会イベントとしてはかなり楽しめるものになると思うので、どうぞお楽しみに。

3月7日 Wed

 気かがりなことがある。大切なお友達におこったとあることがらについて。でもたとえば夜は眠るし、ゼルダの伝説に嬌声をあげたりする。人の身になって考えろ、と人はよく言うが、人はけっきょくはどうしたって人の身にはなれない。どんなに愛する人と抱き合っても、どんなに強く抱きしめても、からだとからだのあいだに埋められない隙間があるように。人はけっきょくひとりとひとりだ。それが美しいことだと信じられる夜もあるし、醜悪なエゴにしか感じられない朝もある。
 いろいろな人がいろいろな気持ちを抱えて、芝居を見に来るのだ、ということを忘れてはいけない、と思う。もちろんすべての気持ちに応えることはできないし、そんなことをしようとしたら、けっきょくは誰の気持ちにすら届かないものになってしまう。
 そう自戒しつつも、芝居をやっている以上、誰かをひっそりと、それはもしかしたら取り返しのつかないほどに損なってしまうことがある、かもしれない。そんなことを考える。考えつつも、今日もわたしは脚本を書いている。

3月6日 Tue

 映像で「水のないプール」が使いたいのだが、プールというのは防火水槽を兼ねているため、冬でも水を張っている。井の頭公園のは水抜いてあった、という情報を手に入れ、今日、さっそく見に行ったが、残念ながら水はあった。すごいいい雰囲気のプールなのに、ほんとうに残念。というわけで風琴工房、水のないプール、大募集中。
 その後は本日楽日のチャリT企画へ。去年の利賀で御一緒したのだが、早稲田のサークルだけあり、若い。なんというか、客席も役者も企画も全てが若いのだ。なんか、わたし、年寄り……?
 菅原さん(詩森夫)とデニーズでゴハン。で、家帰って「ゼルダ」。駄目な詩森。駄目な毎日。でも、4月の脚本は書いてます。なんつーても、マジメだからね。ほほほほ。

3月5日 Mon

 映像の顔合わせ。役者の都合に合わせ、時間差で待ち合わせたので蔭山さんと詩森はずーっとしゃべっていることになり、その間にまたマニアックな誰もわからないような話で盛り上がる。ああ、楽しみ。芝居より面白い予告編になってしまいそうな予感。いいのか。それで。まあ、予告編より面白い映画もそうはないということで。この予告編映像、情報宣伝のためと、キリンコンテポラリーアワードに出すために作るんだけど、短縮版をホームページ上からダウンロードできるようにする予定なので、どーぞお楽しみに。
 打合せ後はおとなしく家に帰ったが、当然、「ゼルダの伝説」をやってしまう。気付くと2時。だからイヤなんだよ。テレビゲームはさ。でも「ゼルダ」はやっばり面白い。繰り返しがまだるっこしいけど、面白い。時間切れの悔しさに負けてついついまた繰り返す。しっかり寝不足。ああ、こんなコトで体力消耗している場合じゃないのに………。

3月4日 Sun

 ワークシッョプもあっという間に残すところ4日。
 基本はテキストに沿ったシーン作りなんだけど、まあ、毎回それだし、最初はそれ以外のプログラムも考えていたんだけど、それだけで手一杯になってしまい変化には乏しい。でも少しづつどの組も進展を見せ始める。
 今日は見学に来たあきやまさんも含め、飲みに行く。いくら5時半くらいから飲み始めたとは言え、8時前までにふたりの人間(シンゴと松岡)がつぶれるというのもいかがなものか。店を出たら11時すぎというのも感心しない。河岸くらい変えるのが大人の飲み方というものではないのか。そして、ユニークポイント見に行ったのに、見に行く前と見に行った後、なぜ飲み屋にいるのだ。鉄村夏芽。
 そんなこんなで、深夜帰宅。就寝。

3月3日 Sat

 雛祭りだが、芝居のハシゴ。昼間はシアターカイでやっている池田さん出演の長ーいタイトルの芝居。休憩挟んで2時間45分。まったく長いのはタイトルだけにしてもらいたいよ。
 夜は六本木「将軍」という怪しいスペースでよくわからないお芝居を見る。これは、いろんな意味で最後までよくわからなかった。文化祭のクラス劇みたいだったが、それが狙いだったのだろうか。
 というワケで合計5時間以上芝居を見ていたのに、これといっていいことがなかったのでグッタリしてしまい、菅原さん(詩森夫)とステーキを食べにいく。池上駅前のBMというステーキ屋は値段の割に美味しいので、いつでも行列が出来る。今日も案の定並んだが、たまにはステーキもいいものだ。帰り道、中古ゲームソフト屋で「ゼルダの伝説−ムジュラの仮面」を買う。実は詩森、このゼルダシリーズがとにかく好きなのだ。去年やった「時のオカリナ」もほんとうに面白かった。家につくのももどかしく、パッケージを明け、スイッチを入れる。いつものゼルダワールドに「時間切れ」という概念が持ち込まれ、スリリング。ああ、また眠れぬ日々が始まるんだなあ。

3月2日 Fri

 今日はアゴラでユニークポイント。愛ちゃんとシンゴも誘う。ほんとは松岡さんも誘ったけど、仕事の都合で明日になる。アゴラにはreset−Nの夏井さんと町田さんも来ていた。最近あちこちの劇場でこのふたりに遭遇する。町田さんは、アイサツするだけなのにギクシャクとしていた。面白くてついつい観察してしまう。怪しい町田ウォッチャー、詩森。
 舞台の感想は掲示板にさんざん書いたので割愛するけど、面白かった。そういえば、えんぺの一行レビューで「直治が自殺するなんて見えなかったのに自殺したのがおかしい」と書いてあったけど、私がよほどのボンクラでみそこねているのでないかぎり直治は2階から飛び降りただけで、自殺はしていない。自殺未遂でさえない。衝動的に2階から飛び降りただけ。あそこはただ放蕩に見えた直治の中にある暗さと真実を伝えるシーンだ。最近見た芝居についてはネット上のレビューを調べるようにしているんだけど、基本的な理解力に問題がある場合が多すぎるんじゃないか?こんなこと、書くと怒られるかなあ。でも作り手としても一観客としても深刻な問題である。
 初日乾杯に誘っていただいたが、お腹が減りすぎていて、挨拶だけで池の上の「光春」へ。角煮も豚マメ(豚の腎臓だそう)もナゾの中国野菜も、これはどうかという美味しさ。ご機嫌で食べる。素晴らしい。

3月1日 Thu

 劇団ミーティング。秘密ライブの場所が決定した。隠れ家みたいなステキな場所で4月の21日と22日に決行予定。でもなんといっても秘密ライブなので、場所は当日までナイショ。最初は詩森ろばソロアクトの予定だったのに、結局詩森は出ないで構成と演出に専念することにする。土日各1回づつ、しかも、1回30人という、まさにシークレットライブ。ウェプ告知と電子メールとメールのないお客様への若干のハガキDM以外一切の告知を行わないけれど、多分、発売後、何日かで売り切れ必死なので、コマメなチェックお願いします。告知ページは今週末にアップ予定。チケット発売は3月下旬予定です。
 今日発売の週刊文春にいきなり記事が載っていた。取材はきていたんですが、早いんですね。週刊誌。179ページから1ページ半くらいの記事なので、ぜひご笑覧下さいませ。でもなんかインモラルな劇団、と世間に思われてしまうかもねえ。
 7月公演の最終稿、大改訂の後もチマチマ改訂して、ようやく書き上がる。いやもう、なんか、「これ、ホントにやるんだ」と今から胃が痛い。壮大なファンタジー「文芸」大作。ビジュアル系エンタティメント。しかもメタシアター。ああなんという時代遅れな。不安ざんす。まあ、とりあえずね、役者は飛んだり跳ねたり語ったりしますって。いや、ホント。マジで。マジでって言われても、困ると思いますが。でも、ほんと、マジで。


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