ろばくん ROBA DIARY

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11月30日 Fri

 今日はようやくオフなのだが、オフな気がしないのは、「ゼロの柩」メンバーのうち5人と「天然ロボット」に行ったからである。乱歩的世界は好きなので、全体的には好みなのだが、それだけに、アカリやら装置やら衣裳やら細かなところが気にかかる。ワタシなら人魚のしっぽはもっとウロコ感覚を出す、とか、ワタシならあの鱗人館のウロコは全部立体的に貼りつけていくだろう、とか、やはりそのウロコは青光りすべきではないか、とか、最後のお風呂場の絵柄としてはウロコがキラキラとして跳ねる図が必要だろう、とか。主にウロコに関する拘りに自分でも「ちょっとワタシへんかも」などと思う。通常芝居を見ていても「ワタシなら」などということをほとんど思わない詩森にしては異常なほどの執着ぶりである。会場を出たところで高木珠里ちゃんに邂逅。珠里ちゃんは風邪をひいたとかで、へろへろな様子だったが、それもまた可愛かった。ただのファンだ。
 観劇後は出演者の清滝嬢、松岡規子嬢を交え、沖縄料理宮古。公衆便所のように落書きがなされた座敷でまったりと。犬娘をやったときの松岡嬢が意外なほどのナイスバディであったことが話題に。オフの夜は更ける。

11月29日 Thu

 さすがに自転車通勤がイヤになってきた。寒いせいもあるが、職場から稽古場が遠い上、渋谷を通らなければならないのが苦痛で仕方がないのだ。人が多く、坂が多い。しかし、私の経済は自転車抜きではすでに成立せず、そして、自転車をやめたら太ってしまうことも目に見えている。道路が続いているかぎり、山があろうが谷があろうが通行人に睨まれようが、頑張るほかはないではないか。
 明日は稽古がオフなので、阿部さん(ク・ナウカ)のお知り合いのお店に飲みに行く。チェーン店じゃない居酒屋の料理はなんて美味しいんだ。そして今日はまたひとつ阿部さん(ク・ナウカ)の秘密が明らかにされたが、これはさすがに企業秘密にするべきだろう。そんな阿部さん(ク・ナウカ)に新本さん(タイプス)が「阿部さんがブッチャーで僕はテリー・ファンクってかんじですかね」ととんでもないツッコミを入れていた。顔色が変わる阿部さん。いよいよバトルが始まるのか?始まってしまうのか?風雲急を告げる風琴工房「ゼロの柩」以下、次号に続く。

11月28日 Wed

 今日は下北沢駅から徒歩1分ほどの稽古場。近いので多少手狭だが役者たちにはたいへん評判が良い。にも関わらず「道に人と車が溢れていて歩きづらい」とか「駅から近すぎてテンションがあがらない」と文句を言う役者が約一名いて、座長でありながら稽古場取りに奔走する詩森としては、「せっかくいい稽古場を取ったのに」とムッとする。もちろん、その役者とは阿部さん(ク・ナウカ)である。ちょっと怖かったが、「阿部さん、文句多すぎです」と突っぱねてみた。そんな詩森、今回ばかりはプレッシャーのあまり痩せてしまうかも、と期待していたのだが、どうやら杞憂に終わりそうだ。食欲は落ちず、プレッシャーの根元であるところの阿部さん(ク・ナウカ)への突っ込みも日々思い切ったものになってきている今日この頃である。いずれこの公演が終わる頃には、またもや鉄の女っぷりが上がっていることだろう。
 そんなこんなで家に帰るとまたたくさんDMがきていた。稽古のない日には全て観劇の予約を入れてしまったというのに。この年の瀬、なぜそんなにも芝居をするのだ、演劇人たちよ。開封するのが怖いので、取りあえず神棚において拝んでみる。神棚、ないけど。すみません。すみません。ほんとうに行けないんです。

11月27日 Tue

 稽古、進まない。これは出来が悪くて進まないワケではなく、初日からみんなセリフを入れてくるので、稽古がいきおいディープになってしまい、結果として進まないのだ。とは言え3日稽古して台本にして6ページ。全体で47ページあるので、このペースでは全てのシーンをさらうと初日が来てしまう。さすがにどこかでスピードアップしなければ。それにつけてもお母さん役のあきやまさんの割烹着姿はかなりたまらない。親子であるとか血のつながりとかに対して比較的冷淡なわたしがこれでは、そこらへん弱い人はたいへんなことになるのではないか。
 家に帰ったら寺田くんから電話。このあいだ渡し損ねた写真が今日届いたそうで、また怒られるのかと思いきや、珍しく「いや、この写真はかなりいいよ」と、褒められた。自分でもこれはずいぶん上手く撮れたな、と思っていたので、ちょっと、というかかなり得意な気分になり、電話を切った後、菅原さん(詩森夫)に写真の魅力をとうとうと語り嫌がられる。まあ年を取ってはじめて持った趣味らしい趣味なので仕方がないのだ。そんなこんなで就寝はまた深夜。テンション高いよ。

11月26日 Mon

 稽古後、フラジャイルの小里くんと密談。「雲母坂」の話をしましょう、ということで会い、ほんとうに「雲母坂」の話を延々とする。小里くんはクレバーな人なので、話していてとてもおもしろく、たいへん刺激的だったが、茄子が食べられないというのは大人としていかがなものかと思う。

11月25日 Sun

 創作骨壷専門店、続報。この「創作骨壷専門店沙羅」は「セレモアつくば」という葬儀全般を取り扱う業界最大手の葬祭総合商社みたいなのの一部門であるらしい。そう言えばOLやっていた頃「セレモアつくば」に生花やら頼んだことあるな、なんて思い出した。ちなみに新宿店のほかには立川と東大和にあるとか。で、「生前は花瓶などとして使い、死んだ後はその愛着ある骨壷といっしょに葬られたり」するそうな。花瓶として使う、だよ。驚きだよ。ほんとビックリだよ。
 今日は公演前、唯一(除く元旦)観劇予定のない休日なので、意地になって家にはりついて過ごす。なのでこんなことを検索エンジンで検索するヒマもあるワケだ。明日からはほんとーにノンストップで稽古の日々。やるぜ。

11月24日 Sat

 今日は目一杯取材の日。午後からラジオの録音。ゆうせん放送と衛星放送、というそれはどうやれば聞けるのかしら、という番組を2本まとめて。思い出の曲を3曲持ってきて下さいと言われたので、デビット・ボウイが人の曲ばかりをカバーしている「pin up」というアルバムの更に日本版にだけボーナストラックとして入っているとゆー「ポート オブ アムステルダム」という超マイナーな曲(ちなみに元歌はジャック・ブレルというシャンソン歌手が歌っているのだ)とジミ・ヘンドリックスの「リトル・ウィング」とせっかくなので寺田くんの曲から一曲選んでみた。時節柄「祈り」のある曲ということで選曲した3曲だ。しかしどーかね、この選曲。超アナクロ。しかもちっとも乙女っぽくない。時節柄ユーミンのバラードとかかけるべきだったか?それにしても寺田くんの曲、「透きとおる骨」のエンドタイトルの時使った曲をかけたんだけどタイトルが「律子」というのは参ったね。なんかさー「次の曲は寺田英一で律子」って、演歌みたいじゃん。曲名言う時、恥ずかしかったよ。
 そして、新宿に移動し、シアターガイド誌からインタビューしていただく。企画会議のつもりでいったらいきなりインタビュー。テープ回ってて、ものすごく動揺。嬉しくなってしまいペラペラしゃべる。理論家ですね、と言われましたが、ええ、アガればアガるほど理屈っぽくなる女なんです。まったくねえ。ほんとにねえ。12月末のシアガに載るそうなので、ぜひチェックしてやって下さいまし。今井さん(あっ実名書いちゃった)、長々と丁寧にお話聞いてくださって、ありがとうございました。
 今日の町ネタ→「創作骨壷専門店 沙羅」。「創作」そして「骨壷」そして「専門店」それはいったいどーゆーことなの?そしてこの店、「新宿店」となっていたけど、それは多店舗展開しているとゆーこと?なにもかもが謎である。

11月23日 Fri

 午後、出かけようとしてワタワタしてたら、寺田くんから電話がくる。またポストカードを作って貰うことになっているのだが、その写真を今日渡して欲しいというのだ。素材となるべきブツをようやく昨日手に入れ、今日の夜でも撮ってみるか、と思っていたところなので手元に写真はなく、超大慌てでセッティングし、フィルムを買いにいき、ブツ撮り。
 その後、早稲田のプロト・シアターまでジンジャントロプスボイセイの「デンQ」を見に行く。 デンQとは電球のことで、光を介して世界に触れる試みと言えばよいのか。美しい作品なのだけれど、パフォーマーの人がメカ(なんのことはない電球だが)の処理で集中がそがれていたりしてちょっと残念。また、一日3つの劇団の公演を慌しくやるというスタイルもこの繊細なパフォーマンスには不利となったか。12月、麻布に新しくできたディ・プラッツでこの作品を上演するらしいので、ぜひみなさん体験してみてください。(残念ながら詩森はいけない…)
 新宿で寺田くんに一瞬会って、写真を渡す。相変わらず文句が多いが聞こえないふり。ぐったり疲れて、今日は外食。近所のカレー屋に行ったのだが、インド人と日本人のハーフだというオーナーの作るカレーは食べやすくしかしスパイシー、肉の味も野趣に溢れ、ものすごく美味しかった。これから通い詰めることを心に誓う。店の名は「僧伽(サンガ)」サンスクリットで「仲間」とゆー意味だってさ。

11月22日 Thu

 これからの稽古の進め方やら、脚本についての演出家としての方針案など話す。やおらペンを取り出し何事かをメモする阿部さん。いったい何をメモしているんだ。気になる。気になるがオクビにも出さず稽古は粛々と進行する。何年芝居やってても、この立ち稽古が始まるかんじに慣れることが出来ないのだが、他の演出家はそんなことはないのだろうか。
 稽古後は、鉄村とともに、シアターガイドのI氏が主催する羊屋白玉さんの帰国歓迎会に顔を出す。私たちが呼ばれるくらいだからさぞや盛大な会なのだろうと思ったら、うちうちのごくリラックスした会なのだった。逆に一気にアガる詩森。羊屋さんとは同じ家畜の名を持つ女座長同士、一度は親しく言葉を交わしあいたいものだ、と思っていたのだが、ここまでアガってしまっては、そんな野望は果たせるワケもなく、なにか闇雲に目の前の手羽先やらツクネやら食べまくる。とても残念だ。まあ、話したいと思っている人ほど実際会うと話せないというのは世の常というものか。無念だが、いつあるかわからない次のチャンスを待ちたい詩森だ。

11月21日 Wed

 稽古始まった。今日は台本を一切やらずに基礎訓練とゲーム。そりゃ緊張するからね。はじめて同士だから。詩森も稽古場到着まで、かなり緊張したが、始まってしまえばこっちのもの。かなりリラックスして進める。それにしても、阿部さん(ク・ナウカ)は好奇心旺盛で、ストレッチひとつ、ゲームひとつするたび、コメントと質問を連発する。スローモーションの課題をやったときなど、興奮と憤りのあまりほとんど演説のようになっていた。面白すぎる。踊る阿部さん(ク・ナウカ)、エチュードをやる阿部さん(ク・ナウカ)、ゲームにはしゃぎまくる阿部さん(ク・ナウカ)、阿部さん(ク・ナウカ)ひとりがいるだけで、なんてゴージャスな稽古場なんだ。そして、やっぱりと言うか、とうぜんと言うか、発声の課題はほとんど芸術なのであった。
 というワケで稽古後は飲みに行く。阿部さん(ク・ナウカ)が札入れを忘れてきた、というので「貸しますよ。もろちん。」と偉そうに言ったら、いざお勘定の時、自分もお札を入れていた封筒を家に忘れ文無しだということが発覚した。結局、新本さん(タイプス)にお借りする。ダメすぎる。わたし。そして阿部さん(ク・ナウカ)。そして、一見真面目そうな新本さん(タイプス)のエチュードはかなり油断ならない面白さなのであった。
 それにつけても油断したスキに初日から終電を逃す松岡。仕方なく詩森家に宿泊。平均年齢は高いはずなのだが、かなりそういう点ダメそうなかんじのメンバーである。先が思いやられるが大丈夫。だってわたしには自転車があるから。そして、地面は今日も続いているから。

11月20日 Tue

 今日読んだノンフィクションは美しかった。でも諸事情あってタイトルはまた内緒。ヒント。作者は女流俳人です。
 今日の夕食は豚肉の梅肉蒸しと味噌仕立てのミルクスープ。今食べている佐渡島産のコシヒカリは、たいへんな美味しさだ。明日から稽古なので、夕食のメニューを書くのもしばらくお休み。菅原さん(詩森夫)にも「明日からいつ帰ってくるともしれない身となります」と挨拶。終電車の時間も逃しがちというのに、なんといっても自転車だからね。夜中だろうとなんだろうと、いつだって地面は続いているから。

11月19日 Mon

 夕方、円形劇場でネコちゃんと挟み込みのち、ちょっとだけ打ち合わせ。家に帰ってゴーヤチャンプルを食べてから、何の気なしに積んであった小説をとりあげ読み始めたら、読み始めたとたんからすっかりやられてしまい、グラグラになった詩森である。極私的な秘密を勝手に暴かれた気分だ。そんなわけなのでタイトルは内緒。ヒント。チェンバロという古楽器が出てくる小説です。
 今日の町ネタ。「中華料理 帝里加(デリカ) 地下一階駐車場内」。駐車場の中にある中華料理屋とはいったい。
 

11月18日 Sun

 昼、青年団P「雲母坂」。「おもしろかった」とか「つまらなかった」という言葉ではくくることができない作品。しばらくはこの作品について思考を強制されつづけるだろう。終演後、いっしょに行った鉄村とも、延々その話を円形劇場近くのドトールで。夜、この作品についての短いメールをとある人とやりとりしたら、その人と偶然道で会って、「雲母坂」の話をしたいのに、別な雑談をしていて、そうこうしているうちに用事のある時間になってしまい、「雲母坂」の話ができなかった、という夢を見た。ぐったり。

11月17日 Sat

 レディジョーカーを読み続けようやく読了。この小説はわたしが今住んでいるあたりと、前に住んでいたあたりが舞台になっているミステリだ。いわゆる土地鑑があるってヤツだ。なので、普通の小説を読むのとは、またちょっと違う感じで、自分が登場人物にでもなった気分で、おもしろいんだかつまらないんだか、よくわからなくなるくらい疲れた。それにしてもこの小説、出てくる男、出てくる男、いい男すぎやしないか?こんな内省的で潔癖な男が、そんなにたくさんいるワケないじゃん、などと思ってしまう私はかなりの男性不信である。余談であるが、この小説は、高村薫の永遠の主人公でもある合田刑事が自分のうちの同性愛に目覚めていく過程を描いてもおり、ちょっとした恋愛小説でもあるのだ。そしてこの合田刑事を映画「マークスの山」では中井貴一が演じており、わたしの中ではどんな時もどんな時もどんな時も合田刑事は中井貴一の顔をしているのであった。合田刑事ファンにして中井貴一嫌いの詩森にとってはほんとうに迷惑な話である。
 それにしても今日テルミンのミニコンサートがあることをすっかり失念していた。萩原さんから電話をもらって気づいたのだが、返す返すも残念だ。こんどからはちゃんと手帳に書こう。
 夜中、寺田くんと昨日もらったCDについての話など。さっさと切ろうと思っていたのに、結局下らない話と下らなくない話で夜は更ける。ああ、いよいよ稽古が始まるんだな。


11月16日 Fri

 寺田くんと音楽の打合せ。寺田くんともすでに何作目の共同作業か。雑談から打ち合わせに流れ、また雑談をし、そして、また音楽の話をする。「ゼロの柩NOTE」と題されたCDをもらう。まだ音楽の形になっていないメモ書きのようなもの。家に帰り、深夜、それを聞く。なにかが弾ける。まるで食べたことのない果実の香気のようだ。いいね。
 

11月15日 Thu

 3年くらい前に新聞で、フランスの「森の小人解放委員会」というのが小人を森に解放せよ、と人の家から小人を盗み出し、ブローニュの森に解放した、という記事を読んだ。この小人というのはもちろんほんとうの小人ではなく、庭のモニュメントとして置いてある、白雪姫の小人みたいな人形のことだ。「森の小人解放委員会」の言い分によるともともと小人は森に住む人たちなのだから、森に返すべきだ、ということである。これだけでもかなり「???」な出来事だが、これには更に後日談があって、「森の小人たちはすでに人間の手によって野性を剥奪されており、森ではもう生きていけないのだから、そんなことをするのは人権蹂躙だ」と「森の小人人権委員会」みたいなのが抗議声明文を発表し、ブローニュの森から彼らを救い出した、と言うのだ。しかもこの「森の小人解放委員会」は全ヨーロッパ的な組織らしく、ドイツでも同じように庭から小人を盗み森に返している運動を続けている人々がいるという。もちろんウィーンの森にも小人は解放されているのかもしれない。
 今日はほんとうになんにもない一日で、昨日飲み屋に忘れた携帯を松岡さんに頼んで、今日行った鉄村さんに渡してもらい、それを品川駅まで取りに行ったことくらいしかトピックがないので、ここ数年でいちばん印象深かったニュースを書き留めておくことにした。謎が謎を呼ぶ「森の小人解放委員会」とは?情報広く求む。

11月14日 Wed

 横浜STスポットへ松岡が出演している芝居を見に行く。これは「チェルフィッチュ主宰の岡田くんが作・演出をやっている、でもチェルフィッチュの公演ではなくて、STスポットプロデュースの公演」である。タイトルが「団地の心への旅」というのだが、高度成長期に建てられたとある団地で隣同士で育った幼なじみが再会し、久しぶりにその団地を訪ねる、というお話。集合住宅やら建築やらそーゆーもの好きな詩森には、この設定だけで結構ツボ。クレバーで批評性に満ちていて、それでいてロマンチックで、面白く見る。徹底した口語話法が用いられており、テクニックが一見必要なさそうな芝居なのに、役者の実力がハッキリとわかってしまうのものだな、などということを思う。つまり意識をどう制御しているかの問題で、それは特に移動の瞬間などに露わになる。上手くいってないと右から左に歩いているだけなのに身もだえするほど恥ずかしいのだ。それを見ながらわたしが俳優におこなっていくべき訓練のことなど考える。この作品は良くも悪くも徹底した理性によって統制されており、そこに岡田くんの可能性と限界があるな、というかんじを持った。それにしてもわたしのうしろに座ったおばさんたちが「なんだか難しいわねー」とか「これって日常的にわざとしゃべってるんでしょ」とか「うざいわねー」ととにかくうるさくて、わたしのチケット代を返して下さい、と怒鳴りつけそうになったよ。いくらなんでも馬鹿すぎ。
 どーでもいいがコンビニのキャッシュコーナーで9千円おろしたら、2千円札が4枚と千円札が1枚で出てきてビックリした。ま、それだけなんだけどね。

11月13日 Tue 

 一日中、ウツラウツラして過ごす。会社でもウツラウツラし、家に帰ってもウツラウツラし、しかも夜も早々寝てしまう。一年に一度くらい、こういう眠っても眠っても眠ってしまう一日、というのがあるのだが、それが今日だった。その間、手にはいつも高村薫の「レディジョーカー」上巻を握りしめていた。ところでこの小説、ウツラウツラしていたせいもあるが、さっぱりハカがいかない。ミステリなら多少分厚かろうが、上下巻だろうが、半日もあれば読んでしまうのだが、手に取るたび怖ろしいほどの睡魔に襲われ眠ってしまうのだ。「つまらない」ということだろうか。ここのところ、丁寧に読まないといけない本ばかり読んでいたので、爽快にトバして読みたかったのだが、世の中うまくいかないものだ。

11月12日 Mon 

 今日は装置の打合せ。今回初めて組む福田さんは、紹介いただいたユニークポイントの山田さんに聞いてはいたが、予想をはるかに超えてデキル人っぽい。車の手配も人の手配も装置の材料手配もタタキ場の手配もタタキの人の手配も取り回りも仕込みのこともなんにも考えなくていいんだ、と思うと、涙が出てきそうだ。思えば、本番前の演出家がそんなことまでやっていることが異常なのだが、ほかにやる人がいないんだから仕方なかった。しかもこの福田さん、仕上がりの確かさはユニークポイントの舞台やシャンプーハットで体験済み。その上誰に聞いても「仕事が速いわよー」と言われる。「大船にのった気分」、というのはこういうことを言うのに違いない。年末年始に向け、地獄のスケジュールまっただ中の舞台監督八着くんも「タタキをしなくていいんだね」と喜んでいた。ええ、しなくいいいみたいです。落涙。

11月11日 Sun 

 朝から写真撮影。昨日とはうって変わった晴天に恵まれる。運河を越えて埋め立て地まで。ゼルダの名曲、「うめたて」という歌に「毎日、毎日、自転車に乗って埋め立て地に行く」というのがあるが、まさに詩森の生活はそんな毎日。あれを聞いていたころは、そんな生活、とびきりの仮想空間だったんだけど。そして、なんでこんな忙しい時期に写真撮影なんてものを呑気にやっているかはまだ内緒。まあ、でも写真映えするので、鉄村を撮るのはかなり楽しいことは確か。
 写真撮影を終え、鉄村はタイプスへ。なにごとも早く結果が見たい詩森は55分DPEに写真を出すのを兼ね、菅原さん(詩森夫)と自転車で大井町へ。写真を待つあいだ、ユニクロで菅原さん(詩森夫)の冬用の上着と前々から欲しかった室内履き、そして、膝掛け用のブランケットを購入。写真は思いのほかステキに撮れていて、詩森ご満悦。ああ、もっとカメラが上手になりたい。
 ユニクロのカタログを見ていたら菅原さん(詩森夫)の買ったコートが「ベンチウォーマー」という商品名であることが発覚。どーかな。そのネーミング。なんかねー。着ているだけで負け犬っぽくないスか?そして本日購入したフリースの室内履きは履いていると足先がホカホカと暑いくらいの優れもの。冬に向けてほんとうにいい買い物をしたよ。たったの1000円。オススメ。

11月10日 Sat

 今日からチケット発売。まだ劇団顧客にしかDMを出していないのだが、朝から結構な予約の電話とメール。この調子で売れ続けるとアッというまに売り切れる計算だが、もちろんそんなことはありえない。でも初日の予約数としては風琴工房記録大幅更新。予約して下さった皆様、ほんとうにありがとうございました。
 予定していたフリーマーケットが雨で中止になったので、図書館へ。ハリー・ポッターでも読んでみるか、と思ったら、7冊あるのが全部貸し出しされていた。映画公開間近だもんねえ。菅原さん(詩森夫)がテレビで予告編をやるたびに「観たい」と言っているので、たぶんに見に行くことになると思うんだけど、面白いのかしら。
 夕方からは鉄村と「ゼロの柩」用のアップメニューを決めるため稽古。風琴工房では風琴工房の基礎訓練の中から、その公演のためのアップメニューを作っている。例えば「ソウル」のときはダンス中心。今回は下半身を決める、集中力をつけるためのアップメニュー。当然だけどかなりキツい。ついでに鉄村にリズム訓練みたいのをやらせたら、3拍子がまるきりとれないことが判明した。前から思っていたのだが、日本人というのはどうして3拍子がとれないのだろう。ナゾだ。
 明日、写真を撮影することになっているので、鉄村はそのまま我が家へ。最近買ったマッサージ椅子を堪能していただく。劇団のいろいろな話をコーヒー片手に語り合い、午前2時就寝。

11月9日 Fri

 愛ちゃん、寺田くん、詩森、といういつにないメンバーで、世田谷パプリックシアターにジョセフ・ナジを見に行く。パブリックシアターははじめてだけど、ひとまわり小さいグローブ座みたいで、だがグローブ座よりずっとステージとの一体感が得やすい劇場であった。ジェセフ・ナジは昨年のトラムでやった「ヴォイツェック」に続き2度目なのだが、今回の「ハバククの弁明」もとても良かった。意味から解放された体たちがただひたすら繰り広げられる夢魔的なイメージの中を漂う1時間20分。音もシンプルで、特に新しいというワケではないのだが、緻密かつ大胆。デジャリドゥとかドラムンベースとかサラッと使っていて、センスが良く、とても好きだった。一同大感動で帰ってきたワケだが、とある高名な劇評家のホームページで「時間をドブに捨てたようなもの」と書かれていて、「そ、そうなんだ」とショックを受ける。とゆーワケでドブに捨てた時間を拾って大感動してしまったらしい私たちである。でもおもしろかった。いいんだ。誰がなんと言おうと。
 観劇後、「タイプス」を見に行っていた松岡からいっしょに行くはずだった怜雅がダウンしてひとりなので寂しい(のでいっしょに飲んでくれ)という電話があり、仕方ないのでバスで下北沢に移動。いつにないメンバーが松岡ひとりの加入でいつものメンバーになり果てる。酒飲みオーラ侮り難し。いよいよ明日はチケット発売である。

11月8日 Thu

 次回公演に出演してくれる新本さん主宰するタイプスの芝居を見にオフオフシアターへ。演目は岸田戯曲賞をとった「うちやまつり」。前、ブリガドーンで見た時も思ったけど、深津さんの戯曲が私は好きみたいだ。難解、と言われる戯曲だけど、私にはどこが難解なのかさっぱり解らなかった。「うちやまつり」はむしろメタファーは直接的で、シンプルな作品と私は思うがいかがか。風琴工房の元劇団員の子が偶然出ていて、驚く。病気の人の代役だそうだ。
 その後はタービンと新宿でチケットについての打合せ。打合せと言っても、いつもお願いしているので、変更になったところと実際的なブツの受け渡しのみ。話は早い。あとは雑談。噂話やらタイプスの話やら。

11月7日 Wed

 公式ホームページを作ってくれる予定の菅原さん(詩森夫)がちっとも動こうとしない上、チケット発売は20日だったっけ、などとボンヤリしたことを言い出すので腹を立て、自分でホームページの作成に着手する。フォトショップで画像をガシガシ作っていたら、菅原さん(詩森夫)が2階に上がってきたのでフレーム対応にして下さい、と頼む。フレームが嫌いなので作り方を知らないのだ。それに自分で作るとどうしても風琴工房のサイトと作りが似てしまうから、別な人がレイアウトしたほうが絶対いい。とゆーワケで「ゼロの柩」公式サイト、11/10オープンに向け、マニファクチャーなかんじで急ピッチ作業中。乞うご期待。

11月6日 Tue

 ダイレクト・メール投函。風琴工房は割とさっさと住所の整理をしてしまうので、これはここ3年のお客様の名簿を元にしている。それでも1000通近い。今回、DMをまだまだ出す予定があるので、これから必要になる郵送費を計算し、ちょっと呆然。
 その後、池袋小劇場でチラシ折り込みしてから、家に帰る。夕食はポーク・ソテー。狂牛病とは関係なく、詩森は豚肉のほうが好き。我が家の豚バラ肉の消費量はちょっとしたものだ。
 ところで10/28の日記に書いた「コカ・コーラ自動販売機」の看板は正確には「コカ・コーラ自動販売機コーナー」であった。コーナーって、あんた一台しかないのに。そして砂が積み上げられた前にコカ・コーラの自動販売機がポツンと置いてある様はどこか別役実的世界なのであった。

11月5日 Mon

 劇団協議会の「演劇に公共支援は必要か」というシンポジウムに出席。その対話のなさ、ここは国会か、とでもいうような無為さにガックリときて会場を後にする。同じく参加していたフラジャイルの小里くんとゴハンを食べに行き、延々3時間、いろいろ話す。いったいなにをそんなに話したんだ、というほどに。鉄村さんから明日の挟み込みのチラシを受け取り、帰宅。パスタで夕食。女子高生コンクリ詰め殺人事件のルポルタージュを読む。そんな一日。

11月4日 Sun

 駒場小空間に利賀でいっしょだった名古屋くんの初作・演出の芝居を見に行く。はじめていった駒場小空間が素晴らしい空間なのに唖然。いいなあ。学生。お芝居のほうは、入った瞬間からreset−Nそっくりであった。そっくりなんだけど、役者が拙かったり、言葉が洗練されていなかったりして、もちろん似て非なるものであるのだが。そしてわたしは、例えばreset−Nの役者さんなら、同じテキストでももっと上手く演じるんだろうな、とか、こーゆー個人の繰り言みたいなものを見せ物として観客に見せていける、見たいと思わせるreset−Nの力、みたいなことについて、見ながら考えた。なんか本末転倒だけど。まあでも名古屋くんは初作品でもあり、この無防備なほどの類似には、むしろ可能性のようなものを感じ、次も見に行くつもりの詩森だ。
 偶然来ていた日太くんと駒場駅前のマックでお茶。日太のこれからについて、ちょっと話したり。まあ彼はマイペースなので、きっとゆっくりやっていくんだろうな。
 夜は阿佐ヶ谷でOrtのワークショップ。うちの鉄村と清水がお世話になっているのと倉迫氏への届け物があり、見学に。清水は基礎チームに参加しているらしく、今日は見学。発声中心のメニュー。鉄村はいつも注意されていることを倉迫氏にも指摘され、でもはじめて言われたみたいな面もちでうなづいていた。ほんとうにいつもフレッシュな人だ。終了後飲みに行きふたりとも終電を逃していた。
 詩森は自転車。みんなに呆れられたが、私も阿佐ヶ谷まで自転車で来てしまった自分がさすがに恥ずかしい。倉迫氏には途中で休んだほうが、と進言までされたが、実はぜんぜん余裕で一時間たらずで家に到着。なんかもう都内ならどこでも自転車でいけるわね。というワケで久々に活動した一日。あー疲れた。

11月3日 Sat

 いまや我が家で大ブームの図書館へ。先週読んだ本を返して、新しい本をまた借りる。菅原さん(詩森夫)が借りたビデオを2本とも見てしまったので、夕方また図書館に行く。私は借りてきたきた本をすでに2冊読了してしまい、3冊目に着手。そうそう、高村薫のレディジョーカーを借りたら、登場人物のところに、何名かの人物が手書きの文字で書き加えられていた。公共のものにそーゆーイタズラをするのはどうかと思うが、ちょっとウケる。M.M.Mの「SKIN」とゆーマニアックな演劇ビデオも図書館にあったので借りてみた。10年以上も前に生でも見ていて、そのときはえらくカッコよくてブッとんでたイメージがあるのだが、今、見ると、なんかSFとして、相当お粗末であり、どーかなー、と思ってしまった。SFファンでもある理系の夫と結婚して、それなりにその方面の知識が鍛えられてしまったことが原因かもしれない。まあ、ビデオで演劇は見るなということだな。

11月2日 Fri

 一日、愛ちゃんとDM作業。ほぼ完成。来週早々投函なので、週半ばには着くのでは。11/10チケット発売です。皆様よろしくお願いします。ぴあに行って担当のMさんとお話。ついでなので、予約しておいた「ジョセフ・ナジ」のチケットを引き取る。去年の「ヴォイツェク」が面白かったので、スッゲー楽しみだ。世田谷パブリックシアター実は初めてだし。
 7時からは劇団ミーティング。来年のスケジュールの確認など。それから、愛ちゃんと松岡さんと飲みに行く。舅と姑も帰ったし、開放感大爆発。楽しかったわー。

11月1日 Thu

 今日は東京ウォーカー。いつも話を聞いていただくTさんとお話。今回、どこに行っても、「面白そうな企画ですね」とか「すごいメンツですね」とか言っていただくが、そこには詩森はなく、うちの劇団員も含まれない。なんか他人の褌で相撲をとっているみたいでカッコ悪い。まあ仕方ないけど。
 家に帰ったら義父がポテトチップスのフタを利用して表札を作り、知らないうちに玄関に掛けていた。掛けるところはジュースのプルトップである。しかも夫の名前の隣に「風琴工房 詩森ろば」と書いてある。家畜の名を持つヨメを義父はどんな思いで表札にしたためたのだろうか。「かわいいじゃないですか。おとーさん。」と持ち上げられ、いつになく得意満面で作り方の説明をしている義父からは、その複雑な心中は伺いしれない。そんな義父と義母も明日、桐生の義妹のウチに行き、そこからイワテに帰るという。うちの義父母は来たら最後、いつ帰るかがわからないのが特徴だが、予想よりは早いご帰還で、ちょっとだけ嬉しい私だ。なんつーてもね、テレビ、NHKしか見られないのが苦痛でさ。おかげで読書が進むわけさね。


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