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5月31日 Fri 屋根裏

 というお芝居を見に、松岡と燐光群のアトリエへ。ものすごくおもしろかった。ここのところの燐光群の作品の中では私はダントツに好き。あの狭いBOXが無限の空間に見えた。狭い空間に更に小さな空間を作るという手法が斬新。お話もシュールで疾走感があってでも詩情と批評性もあって、演出もダイナミックで、俳優もイキイキしていて。褒めすぎかな?でもスズナリとかトラムでやった公演よりおもしろかったりするんだから、演劇ってとても不思議。人と空間と偶然と実力といろんなものに支えられているんだなあ、と思った夜だった。


5月30日 Thu よみあわせ

 会場がまだ本決まりじゃないというのに出来上がった9月の脚本の読み合わせ。脚本の問題点はわかった。あとは直すだけだ。しかしとある俳優が「蜘蛛」を「ちょうちょ」と読み、「蜂」を「ガ」と読みあげくの果てに「蜻蛉」を「すずむし」と読んでいた。不安は募る。稽古後、読み合わせを見に来た寺田くんも含め沖縄料理。話題の中心は岡嬢の新芸名について。彼女は風琴工房に入るにあたり、芸名にする、ということで、今日考えてきたのだが、それがまた本名より地味で、みな意図をはかりかねたのである。来週早々メンバーページで発表するので見てやって欲しい。解散後、貸すと言ったままそのままになっていた本を貸しにとあるヤギ似の劇作家のバイト先に行ったのだが、日頃人のバイト先になど行くことがないので、自意識過剰になり、長居しすぎたのではないか、どのタイミングで帰るべきものなのか、帰り際が不自然ではなかったか、など気にかかる。帰り道、自転車で走っていたら軽い自転車同士の接触事故を起こし、たいしたことがないと思っていたのに、走り出してみると自転車がパンクしていた。場所はどの駅からも遠くすでに終電も怪しい時間である。仕方なしに中目黒のあたりまで押して歩き、あとはタクシー。ああ、無念。


5月29日 Wed 読む日本語

 だめだ。おもしろいよ。ビデオの編集。ソフトがソフトなので、すっごい単純なことしかできないが、それでも意外に本格的なかんじの映像が作ることができる。もっとちゃんとした編集ソフトが欲しい。「プレミア」、高いんだよなー。ビデオ・カメラとたいして変わらない。そしてアドビは値下げをしない。
 テレビを見てたら、読む日本語を推奨し、小学生にワークショップやってる大学の先生が紹介されていた。古今東西の名文を声に出して読む国語教育である。書いた本がベストセラーになっているとか。あ、こりゃおもしろいね。俳優にもやらせたいな。前に吉祥寺の方にあるカリスマ国語塾の先生の記事を新聞で読んだけど、荒廃した教育や社会を立て直していくにはまず国語教育、と言っていた。(数学の成績アップも先ず国語からとも言っていた)。なんでも日本人というのは文盲率は世界でいちばんくらい低いけど、文章読解力はそんなに高くないんだとか。どうやって調べたのかは知らないけど、でもマス・メディアのあり方なんかを見ると、ちょっとそうかも、なんて思ったりもするな。


5月28日 Tue ショコラ

 そういえば先日「ショコラ」という映画をビデオで見たのだった。「ショコラ」は「ギルバート・グレイプ」とか「マイライフアズアドック」を撮った監督の作品で、味わいや物語の構造が「ギルバート・グレイプ」とほとんどいっしょと言ってもいいものだった。同じなら「ギルバート・グレイプ」の方がわたしは好きだが、まあでも良いものはなんどでもいいという意味ではとてもよい映画だったと思う。勧善懲悪の(しかし悪役にさえ暖かな結末を忘れない)寓話劇。実写版の宮崎駿映画みたいだ。ジュリエット・ピノシュはいつにない適役だったと思うが、ジョニー・ディップはいまひとつ彼でなくてもいい気がしたが、どうなのだろう。まあでもジョニーがやらないとなんの説得力もないくらい薄っぺらい役だったので、やはりここはジョニーでなければいけなかったのかもしれない。いずれわたしはジョニー・ディップのキスシーンさえ出てくれば、まあ役はどうでもいいというダメなジョニーファンなので、それなりに楽しんだ。ジョニー・ディップのキスシーンは婦女子の妄想をかきたてるキスシーンという意味で世界一だと思う(なんか断言してますが、ファン心理ということでお許し下さい)。でもやはり「デッド・マン」みたいな映画のジョニーのほうがいいけどね。
 今日はビデオからパソコンに取り込みをしてみようといろいろやってみた。ウワサの「i link」というので繋いでみたが、どうやっても認識しない。ネットで調べても、「つなぐだけでカンタンにできた」と書いてあるのになぜだろう。S端子でなら取り込めたので、まあよしとするが、誰か理由に心当たりがあったら教えて下さい。


5月27日 Mon 秋の脚本

 今日はワークショップ。アゴラの公演に出てくれる俳優のWくんが見学に来てくれたが、これからやっていくテキストを渡して、組ごとに話し合いとかしてたので申し訳ないことをしたと思う。まあでも見学者のために予定を変更するのもどうかと思うので、仕方ない。ちょっとしたエチュードをやったら、「エチュードってなんのためにやるんですかね」と真顔で聞いていた。わたしはエチュードというのはからだに嘘があるときとないときの「差」を自覚するためにやるんだけど、うまく説明できなかった。もしくはもっと創作に近いイマジネーションの訓練として。ただやみくもにフリーエチュードを繰り返すというやり方はわたしにはあまり興味がない。集団創作にも興味がない(やっている集団に興味がないということではない)。あくまでテキストを行っていくある一過程としてのエチュードである。昔は、役の設定はそのままでフリーエチュード、というような稽古もやっていた気がするが、なにかもうまったく意味を感じなくなってしまったし、今となっては、わたしの現場では必要のない稽古だったと断言できる。あくまで風琴工房はわたしのテキストをやるための集団だし、現在はそのための有効な方法論を探しているところだ。練習用のテキストは松岡・吉川組に「班女」を、岡・皆木組に詩森作「カスパー彷徨」を渡す。松岡・吉川組があの三島のあの「班女」をまるで日常会話のように自然な情感で読んでいるのですごく驚いた。面白いような、退屈なような微妙なラインである。うちの女優さんたちのナチュラリズムはなかなか手強い。それを生かすのか、殺すのかが6月のワークショップのポイントとなるのかもしれない。
 そんなこんなで実は今日「箱庭の地図」の脚本が完成したのであった。もちろんまだ第一稿未満だけれど、とつぜん書き上げて持っていったので、みんなビックリしていた。わたしもビックリした。何といってもひさしぶりの新作である。木曜日のワークショップでこれを読み合わせしてもらい、次の段階に脚本をすすめるつもりだ。


5月26日 Sun 今日という日

 個人的に重大な事件があったので、なにも書かない。そのことを書かないで別のことを書くというのも違うし、だからと言ってそのことを書くのもいやだ。そういう日。


5月26日 Sat なにもしない

 いや、ほんとうはそれなりにいろいろしたのだが、比較的なにもしなかった。VAIOは異常に静かで、とても使い心地がいい。なのでついつい一日VAIOと戯れて暮らしてしまった。実は詩森、ユニークポイントのホームページの稽古場日記、バスノーツの増田さんによる「ポケカメ日記」ファンなのだが、今日読んだら、詩森も登場していて嬉しかった。実際よりよいふうに書いてくれていたので馬脚(ろば脚か?)を出さないようにがんばりたい。ちなみに昨日のMさんというのも増田さんである。わたしも実名で登場していたので、イニシャル解禁としてみた。「ポケカメ日記」とてもおもしろいので読んでみて下さい。


5月24日 Fri ペリカンの群れ

 6月に受付をやらせてもらうユニークポイントの稽古場へ。このあいだのOrtとの合同公演では関わり方が中途半端な気がしたので、今回は当日受付と票券管理は自分の責任ということにしようと思っている。まあやるならちゃんとやった方が楽しいのでね。それにしても人の稽古場って不思議。稽古終了後、衣裳打ち合わせをしていたのだが、脚本の内容も知らないし、役の設定も知らないので、なんの役にも立たないし、意見も当然ないのだが、話し合う人々の中に混ざり、なんとなく相づちを打ったりするワタクシ。サガというか、なんというか。よくわからない行動である。その後、飲み屋に移動し、打合せ。客演で来ているMさん、山田さん、詩森と3人も座長が集まっていたため、内情に関するいろいろなお話など。それにしても稽古場は中板橋。なんと遠かったことよ。


5月23日 Thu アメリカン・ビューティー

 日曜日にせっかく借りたのに寺田くんが来たせいで見られなかった「アメリカン・ビューティー」をようやく見る。これは寺田くんに奨められてでもビデオが苦手なので一年くらいほっといて、ようやく重い腰をあげて見ることにしたのだ。これがさ、悔しいけどさ、ものすごく面白かったんだよね。とゆーか、衝撃。最初のうちは登場人物たちのキャラクタ設定にイライラし、ケビン・スペイシーの「僕ってスッゴイ演技派でー」みたいな演技にグッタリし、半分過ぎたところで止めようかとまで思ったのだが、おや、と思ったらぐいぐい面白くなっていき、あとは一気。最後は超感動。ウマイ。巧すぎるよ。このシナリオ。そして俳優陣。エンドロールのときは興奮のあまり、立ったり座ったりして「良かった。良かった」とさわぎまくり、「少し落ち着きなさい」とオットにたしなめられる始末。でもラストの主人公のモノローグは歴史に残る名セリフだと思うわ。


5月22日 Wed 花組芝居

 楽しみにしていた花組芝居に行ってきた。タイトルは「南北オペラ」。いつも思うんだけどここのお芝居は演劇というものに対する絶対的な信頼から成り立っている。わたしみたいになんとはなしに信頼しつつ、疑うひとの気持ちもわかるよ、なんてハンパなことはしない。「皆様、これが演劇よ。演劇って、演劇って素晴らしいものなのよーっ」という信念に貫かれているように見える。それが、わたしには楽しい。なぜならわたしは演劇が好きだから。そして好きという気持ちになぜかひっそり傷ついているから。それにしても歌あり、踊りありのこんな芝居を劇団員だけでやれてしまうというのはスゴイ。さらにこれだけムチャクチャなエンタメでお子様テイストも満載だけど、テキストの本質は外さない加納さんという演出家はもっとスゴイ。ステキな夜でしたわ。終演後は連れていってくれた睦月さんとそのお友達とでエスニック料理。牛乳瓶のデッカイので出てくるトロピカルジュースに度肝を抜かれつつ、歓談。ここには書けないあんな話やこんな話で盛り上がる。その話とは…(以下、自粛)。

5月21日 Tue 合同ワークショップ2日目

 今日は野中さんのワークショップを受ける立場なのでとても気楽な気持ちで稽古場へ。恩田さんによる30分以上をかけた美しいストレッチに感激。感激はいいが、ぜんぜん詩森はついていけない。あちこち攣ってしまい、たいへんだった。それから太極拳をやって、あとは初体験のルコックという人のコロスのメソッド。面白かった。ちょっとアレンジして稽古に取り入れてみよう。外部の人とやるワークショップでも対カンパニーというのはいろんな意味でおもしろい。そこのカンパニーが持つある絶対的な空気というのがあるので(ないカンパニーというのは逆に問題だろう)、それに対してやはりいろいろなことを思うし、自分のところの俳優に対してもいつもより客観的に見ることができる。問題はこの稽古場が遠くて、その最寄り駅である成城学園には飲み屋がないということだけだ。飲み屋で思い出したが、待合せをした時、松岡が「11時31分の電車に乗らなくちゃいけないんだよ」と嬉しそうに言っていたが、あれはいったいどういうことだろうか。稽古は9時30分過ぎには終わるのだから、終電の心配など必要ないではないか。それは合同ワークショップなのだから最終日は飲みにくらい行くとは思うが(昨日も行ったけど)、そういうものは稽古後のある流れのなかでなんとなく決まるものであって、稽古前からお疲れビールのことで頭が一杯というのは、あまりにつつしみに欠けるというものではないだろうか。しかも稽古後野中さんに「飲みに行く人」と聞かれた時、自分に聞かれていることには気づかないくらい飲みに行く気でいるのも問題だと思う。松岡の酒ネタもここまでくると「作り」が入っていると思うかもしれないが残念ながら全て事実である。そんなこんなで合同ワークショップも終わり。紅王国の皆様、ほんとうにアリガトウございました。

5月20日 Mon 合同ワークショップ

合同ワークショップのその2は演劇実験室「紅王国」である。今日は詩森がワークショップリーダー。鈴木メソッドを少しやって、それから創作のワークショップ。短編小説(今日は梶井基次郎の「過古」という作品)を読んで、それを再構成してエチュードを立ち上げるというものだが、身体の履歴と演技の文脈がまるきり違う人たちが入り乱れての創作はなかなかスゴイことになっていた。俳優に自分の作業のやり方について自覚的になってもらうための課題なのだが、前回やった時に比べ、端で見ている私にもハッキリとそれがわかるくらい如実にそれぞれの個性や抱える問題が浮き彫りになっていたように思い、興味深かった。自由にやって下さい、というワークショップなので、何をやってもいいのだけれど、原作の要素をとりいれつつエッセンスが抜けてしまう創作が多いんだな、というのも思った。このあいだ見たチェホフ・ゼミでも思ったけど、原作というものをどこまで尊重すべきか、というのは、なかなか難しい問題だ。しかし、これはわたしの私見なのだが、やはり原作付きの場合、原作の核になるようなものは尊重した方が面白いものになるように思う。(もしくは揶揄するなどもあるだろう。つまりは核をきちんと捉えるということだ)それは例えば岡田くんの「「かもめ」より」のように一見スタイルとしてはチェホフ的ではなくても問題はない。今回の場合、主人公の持つ過古の傷のようなものを、身体によるイメージシーンに組み立ててきた2組が抜きんでて面白かったが、いま少し時間をかけるときっともうちょっと高度な創作も生まれるだろう。俳優が創作の能力を持つ必要があるかどうかは演出家によって意見が分かれるところだろう。わたしは美意識のある俳優、頭のいい俳優が好きなので、創作の力は割と重んじるタイプかもしれませんな。


5月19日 Sun 書生と先生

 昼間はうちから30分という葛西臨海公園に行く。ここのシュモクザメとマグロの回遊は定期的に見ておかなければならないわたしのいわば任務なのだ。シュモクザメは増え、マグロの水槽にはなぜかマンボウもいた。そしてそのマンボウはハイスピードで泳ぐマグロに煽られてか、マンボウとしては異例なほどのスピードで泳いでいるのであった。今日の詩森のツボは「深海魚」。海遊館のピラルクといい子供のころから夢中のシーラカンスに似ていることがポイントか。
 家に帰り仕事の続きをしようとすると電話が鳴り、出てみるとそれは寺田くんであった。こんな夕方に珍しいと思ったら、なんと「これから遊びに行っていい?」だそうである。飲んで終電を逃した人々を連れ帰ることはしょっちゅうある(連れ帰られるのは主に松岡)我が家だが、約束もしていないのにいきなり人が遊びに来るなんて、いったいいつぶりのことだろうか。そんな寺田くんの将来の夢は書生になることだそうだ。しかもウチの。なんだそりゃ。最後の砦は菅原さん(詩森夫)だがそこらへん如才ない寺田くんに「どーですか。こんな奥さんだといろいろ苦労もおありなんじゃないですか」という甘言に乗せられ、詩森の悪口をサカナにすっかりいい機嫌でビールを飲んでいる。ちょろい。ちょろすぎるよ。仙人。あげくの果てに「いやー今日は楽しいよ。また遊びに来てください」だと。全くねえ。ほんとにねえ。
 終電近くなって寺田くんは帰り、夜中、ウェブ仕事をちょこっとだけして、就寝。


5月18日 Sat 労働かたんなる趣味か

 昨日に引き続きウェブのデザイン。パソコンの前から離れられない。こんなにこんなに一生懸命作ってもミスがあるんだよね。心配。それにしてもどうしてこんなにパソコンというのは面白いのだろうか。ビデオの編集を始めてしまう日が怖い。そしてきっとその日は近い。来週は脚本書きをしなくちゃなー。劇団仕事も溜まっているような気もするし。なんかこーゆーのっていちばんどーでもいいよーな日記ね。なんだか空しくなってきちゃった。あーあ、日記なんて書かなきゃ良かった。


5月17日 Fri 琴ちゃんの近況

今日はずーっとウェブのデザインをしていた。自分のページではなくて、制作ワークショップの公式ページ。ここのところコツコツ作っていたので今日中には終わるかな、と思ったら終わらなかった。主な原因は英語に弱いことである。コンテンツのタイトルを英語にしたのはいいが、これじゃあんまり適当じゃないなー、と思い、思うたびフォトショップでロゴを作り直していたので時間がかかって仕方ない。ああ。なんて無教養なワタクシ。幼少のみぎりから習った英会話はなんのためだったのか。「英才教育は家畜には役にたたない」ということか。
 さて、タイトルともなった琴ちゃんの近況である。最近菅原さん(詩森夫)が、「鏡付ブランコ」という新たな琴ちゃんグッズを買ってきた。すると琴ちゃんはその鏡に夢中になってしまった。いや鏡の中の自分に恋していると言っていい。鏡の中の自分に向かいなにやらさえずり、その姿を見てはウットリ眺め、何やら不思議な踊りを踊り、そしてたまに外に出てきて、「外に出ておいでよ」とまたさえずる。もちろん「出ておいで」と誘う相手は鏡の中の自分である。そして気づいたのだが、ずっとメスだと思っていた琴ちゃんはもしかしたらオスなのかもしれない。鳥の雌雄は判別しずらく鳥屋さんもよく間違うとは聞いたことがあるが、その囀りも不思議な求愛の踊りもオス以外には考えられない仕草である。思いこんでいる性別が違っているかもしれないというのは例え鳥でも多少衝撃的だし、できることならハッキリしたことを知りたいとも思う。しかし更に進めて考えると別にオスでもメスでも琴ちゃんは琴ちゃんだし、特に繁殖を目的としていない以上、どっちでもいいや、と思うことにした。こういう時、意外に性別に拘っている自分を発見しドキッとする。「メスだと思って飼っていたのにオスだった」というのをなんとなく面白い話と捉えていることも自覚される。実際、この話はよそでするとたいていウケたりするのだ。なぜウケるのか。そこには、それはあってはならないことという刷り込みとそして差別的な笑いの対象という集合意識があるのだな。うーむ。琴ちゃんの近況からいろいろなことを思う今日の詩森であった。

5月16日 Thu 東京タンバリン

 昨日おくむらさんに進められた五反田団にすっかり行くつもりだったのだが、東京タンバリンの予約を今日入れていたことを思い出し、駅前劇場へ。今をときめく志賀廣太郎さんとなぜか友人だという寺田くんも一緒。客席は満員。誰も知り合いがいないなーと思っていたら終演後冷静になって見渡すと知り合いばかりであった。
 終演後は寺田くんと沖縄料理。ゴーヤチャンプルはどうしてこんなに美味しいのか。毎日食べたい。いや夏になると実際毎日のように食べるのだが。なんでも寺田くんは11月「病の記憶」の客入れ音楽をもう作ったのだとか。気が早いよ。そんなところ。


5月15日 Wed アジアンパームナイト

 アッというまに本番。本番までにはいろいろあったが、面白すぎて日記には書けない。いちおう相手のあることなのでな。心配された本番2回もお客様が思っていたよりずっと静かに聞いて下さってまあまあ成功。お父さんのように気遣ってくれる梅ちゃんことアジアンパームナイトプロデューサさんとほんとうに近しいお客様に囲まれての新生風琴工房結成式というかんじで、良い夜でしたわ。昨日徹夜で作った本も15冊売れたしね。いらして下さったお客様、ほんとうにありがとうございました。

5月14日 Tue 打ち合わせと準備

 アゴラに行って「制作ワークショップ」の打合せ。最終的なことを細々つめる。まだ確認がとれていなかった講師の最終確認もとる。ようやくこれで制作ワークショップも始動である。「制作ワークショップ」とは、詩森がコーディネートした制作者のためのワークショップである。「なぜあなたがそんなものを企画しているんですか」と各方面から言われながらチマチマと準備し、ようやく実現にこぎつけたものだ。ごくごく内輪の勉強会のようなものをイメージしてスタートしたのだが、気づいたら私が運営委員をするBSMLとアゴラ劇場で行っている「夏のサミット2002」の後援を得て、やけに豪華な運営スタッフ(詩森以外)と講師陣によって行われる大がかりなものになっていた。もうこの企画を進めること自体がわたしにとっての壮大な「制作ワークショップ」である。新米制作者ガンバルってかんじである。そう。ビデオカメラだってこのために買ったのよ。そろそろチラシ等での告知も始まるので「詩森さん、なんでこんなことを」と思いつつ、見てやって下さいませ。
 そして家に帰ってイベントの準備。パンフレットも作るしブックレットも作る。小道具だって作らなければならない。パンフレットは会社で作ってきた表面に比べ、VAIOくんで作った中面がやけに可愛くなってしまい、でももうコピーした後だから直せないし、ちょっと悲しい。そんなところ。

 
5月13日 Mon さすがに忙しい…かも

 あれもやってこれもやってと思っている間にアッというまに夜になり、稽古。衣裳をちょっと華やかなものに変えてみる。おお、みんな女優さんみたいぢゃないか。いや、実際女優さんなんだけど。今回の衣裳はほとんどわたしの私物なのだが、どういうワケかみんなわたしより似合う。別な服みたい。衣裳といえば例の○チャンネルとかいう掲示板で、「ゼロの柩」の女の子の衣裳が80年代っぽくない、と書込みされていたが、実は殆ど80年代にわたしが着ていた服、持っていた小物ばかりなのだ。つまりその頃からあまり流行には拘泥しない服装をしていたということか。お化粧品もあの頃のムードに合わせてピンクやブラウンをわざわざ買いそろえ(さすがに太眉にはしませんでしたが)、風琴工房御用達美容室のナカジマさんに「80年代っぽくして下さい」と注文して悲しませたというのに、努力というのは報われないものだ。そういえば今年はどう見てもここ数年のわたしっぽい服装が流行していると思うのだが、タービンが「何を買っても詩森さんの真似をしているみたいでイヤだ」と言っていた。わたしも同じ服装をされたら若い女の子のほうが可愛いに決まっているので今年のボヘミアンの流行はけっこう悲しい。このように、同じワンピースも女優さんが着るとドレスのようになり、同じ刺繍のプラウスでも若い女の子が着るとオシャレっぽくなる。事実とは残酷なものだ。忙しいとか言ってる割にノン気な日記でスマン。


5月12日 Sun リハーサル

 早起きしていろいろ仕事をしてから、イベントの稽古。そして会場であるアジアンパームに場所を移してのリハーサル。なんか思った以上に厳しい環境。その場で更にテキストを短縮。そして打合せ。夜はとある女の子と会い、いろいろお話。浮き沈みが多くて申し訳ないが、風琴工房は更に1名増え、5人になりました。とある女の子、新劇団員の奈良百花ちゃんについてはまたゆっくりご報告しますわ。15日のアジアン・パームには全員いるんでね、先もの買いするなら今ですわよ。
 家に帰ってまたいろいろ仕事。スキャナもようやく繋がったので(繋げていただいたので)、画像を取り込んだり、そうよ。こんどのVAIOくんにはCD−RWもついているのだわ。これでようやく大容量の画像とか簡単に持ち運びできるようになったワケよね。そしてPhotoshop elementsだって、ちゃんとレイヤーも使えるし、私のレベルなら充分すぎるほどの機能つき。しかも早い!すごいな。そして私的には隷書体が使えるのが嬉しい。隷書体が好きでフォント買おうかと思っていたのでね。などと私以外の人にはどうでもいいようなことで騒ぎつつ今日の日記はこれでおしまい。


5月11日 Sat  消費活動

 このところ物欲というものに縁がない生活を送っていたが、一気に今日は消費活動をした。自分のお金でデジタル・ビデオ・カメラを買う。必要とはいえ、こんな大きな買い物は何年ぶりだろうか。いや、演劇自体がわたしにとっては大きな買い物と言えるのだが。それにしても。そして、我が家の私用のパソコンが壊れていたのだが、ここは思い切ってVAIOを買ってみた。中古だけど。下位機種だけど。でもVAIOはVAIOだ。カメラからつないで簡単に編集もできる。ああ。嬉しい。なんかでもここ数年私の欲しいものってメカ関係に限られているのな。
 その他イベントの稽古をやったり、とあるチラシの校正を必死でやりなおしたり。ああ校正。どうしてこんなにダメなのかしら。


5月10日 Fri  チェホフ・ゼミ

 岡田くんが脚本提供しているチェホフ・ゼミへ。チェホフを素材に4つのグループが作るオムニバス。久しぶりにちょっとグッタリする観劇。岡田くんも少し悲しげに見えたが気のせいだろうか。とはいえ今日はSAIスタジオの小茂根。モロッコ料理の「みなみ」に行くんだと張り切っていたら、なんと満員で入れなかった。しかも中にはMODEの稽古帰りだというUさんやらNさんやらがいて楽しげに飲んでいた。満員、しかもいるのは知り合いばかり。これ以上悔しいシチュエーションがあるのなら、教えて欲しいくらいだ。


5月9日 Thu  なにがほんとの問題なのか

 わたしは衝撃映像の類はそれは一度くらいは見てしまうけど、なるべく見ない。9.11のテロの時もそうだったし、今回もそうだ。そう、中国の日本領事館前の例の映像のことだ。視覚の衝撃に騙されて思考が停止する気がして、なるべくそうすることにしているのだが、今回もテレビを切ってじっと考えていると、何か不思議な違和感みたいなものがせり上がってきた。日本と中国の国家間の規約違反ばかりが取り沙汰されているがそれはこの問題の本質なのだろうか。そして、あの女の子の運命はいかに、という風にセンチメントの小道具としてばかり映像が機能しているのはどうだろうか。ほんとうに問題なのは越権行為をした中国の警察でも無表情に帽子を拾っていた領事館職員でもなくて(問題がないということではもちろんなくてね)、その後についでみたいに言われた「彼らが国に強制送還されると(見せしめのため)公開死刑になることも考えられます」ということではないだろうか。いくら内政不干渉が原則とは言え、北朝鮮がそういう国なのは仕方ない、という前提に物事が立ちすぎていないか。もちろんあの映像を見て胸が詰まらない人はいないだろう。自由を願い得られなかったひとつの家族の断末魔である。悔しい。そして苦しい。なのに、もし自分があの場にいたときに、きちんと正義にのっとった行動ができると断言できない。だからこそテレビを切ってわたしは深く思考したい。自分ができることについて考えたい。そう思う。


5月8日 Wed  写真雑記

 先日撮った写真が出来てきた。いつもに比べて手ブレが多い。曇りなので光がない。写真に陰影が出ない。ホームページ用にはいいけど、情報宣伝写真としてはどーかなー。ガッカリ、と思いつつ、それでもアイドルみたいな愛ちゃんの写真とか含め40数枚をチョイス。家に帰って冷静に見ると、まあまあこれならイケルかな、などと思いなおす。それにしてもさ、今、同時プリントでCDに焼いてくれるサービスとかあるのな。ビックリ。もっとも取りに行った時に気づいたから、今回は無理だったんだけどさ。ああ、でももっと上手くなりたいな写真。露出計、買っちゃおうかな。そんなところ。


5月7日 Tue  稽古の日

 稽古。パフォーマンスのテキストを持っていったらみんな夢中で読んでいるので、時間が中途半端になり、空間構成とひさしぶりにインプロをやった。自分がインプロが苦手なのでうちの劇団員は全員インプロは苦手なのかと思っていたら、松岡も愛ちゃんも生き生きとこなしていてビックリ。おっとりしているかと思いきや油断ならない。終わった後はジャンプ亭。話題の中心は15日のパフォーマンスのこと。いろいろアイデアも浮かび、ようやくイケル気になってきた。


5月6日 Mon  カメラマンなワタクシ

 本日は風琴工房の写真撮影会。ホームページにアップする写真やら秋公演以降の情報宣伝写真やら一挙に撮ろうという試みである。昼過ぎ女優3人がやってくる。遅れて見学のタービンもやってくる。キャーキャー言いながら衣裳を決め、予めロケハンしてあった品川ご近所の旅へ。うちの近所は空襲にやられていない地域なのか、古びて風情のある町並みや路地があるし、ちょっと歩くと埋立地や運河があるので、写真撮影にはもってこいである。現在も使用されている井戸のところで「病の記憶」の写真を。そして、水産大学の中にある船の前で「箱庭の地図」の写真を撮る。日記に堂々と書くようなことではないが、みんなほんとうに可愛い。ファインダーを覗いていて誇らしい気持ちになる詩森だ。後はカメラマンの腕だけなのねとちょっと不安なワタクシ。
 知らぬ間にタービンは帰ってしまい、我々は劇団ミーティング。岡嬢が入団してからこのようなミーティングの時間を取るのははじめてなので、彼女がここからのスケジュールを殆ど把握していないことが次々発覚し、意義深いミーティングであった。このミーティングで「箱庭の地図」は劇団員+1名or2名という超ミニマムユニットで行くことを決定する。採算や宣伝のことだけ考えれば動員力と知名度のある客演を呼びたいところだが、しょせん風琴工房なのでそんなことより作りたい作品や環境をついつい優先してしまう。いいよね。当然だよね。あたりまえじゃんそんなの。制作面は不安だけど。気にしない。頑張るわ。頑張りますとも。
 そんなこんなでミーティング後は詩森手料理での懇親会。調子に乗ってまたもパエリアを作ったら、ちょっと芯が残った炊きあがりになってしまい、ガッカリ。先月までのワークショップは劇団以外の人を受け入れしていたため、このメンバーになってからこうしてじっくり話をしたのもはじめてだけど、いい夜だった。そしていいホンを書きたいと心から思った。そこにしか俳優の、そして私自身の幸福はないのだから。


5月5日 Sun  林試の森への旅

 晴天なので自転車で目黒の林試の森へ行ってみる。むかし林業試験場だったところが現在は公園になっているのだ。はじめて行ったけど、雑木林をそのまま公園にしたかんじで素晴らしい。こういう自然公園みたいなのって、世界各国どこにでもあるのだろうか。それとも日本独特の文化なのだろうか。
 その後、最近ユーズドの家具屋が集中しているという目黒通りに行ってみる。いやスゴイね。さすがの家具好きの詩森も途中でウンザリするくらいの家具屋のオンパレード。イームズの椅子、アジアの家具、グッタリするほど堪能して帰宅。夕食はキャベツとアンチョビのパスタ。このパスタはいつもどこかしらイマイチなのだが、今日は珍しくよい出来で大満足。パスタの塩加減はほんとうに難しいよ。


5月4日 Sat  銀座、カフェ、打合せ

 タービンと10月と11月の公演のチケットの打ち合わせ。そうなのだ。オバカさんの風琴工房は開催月だけ見ると2ヶ月連続(実質的には2ヶ月くらい間は開くのではあるが)の本公演を企てているのである。しかも11月は4本一気上演企画なので、2ヶ月で5本の芝居をやるワケだ。大丈夫なのだろうか。まあでもせっかくなので、セット券も作りたいし、5本全部見てのお楽しみ企画も企てたい。なのでこんなに早々と打ち合わせ。お客様に親切でなおかつタービンが管理しやすい方法はないかとあーでもない、こーでもない、と詮議を巡らす。とは言えちゃんとした打ち合わせ以外の無駄話の方が長かった気もするが、いいの。だってゴールデン・ウィークなんだもん。


5月3日 Fri  パエリアをつくる

 友人のマサトさんとヒロくんが遊びに来るので、先日「あるある大辞典」でやっていたパエリアを作ってみようと思い立つ。品川駅前にある輸入食料屋にハーブやらスパイスやらを仕入れに行ったのだが、パエリアに絶対必要な高級スパイス「サフラン」を買おうとしたら「(最近まとめ買いする人が多くて)売り切れです」と言われる。ひえーっ。まとめ買いだよ。ひとつ1000円くらいする超高級スパイスをさ。これが「あるある大辞典」効果というものなのか。そして私も「あるある大辞典」を見てパエリアを作ろうとした巷間の主婦のひとりということか。顔を赤らめつつ、それでも青物横丁のスーパーまでサフランを探して遠征する私。無事手に入れたサフランでパエリアを炊いてみる。さすが「あるある大辞典」。「誰でも美味しく作れるパエリア」に偽りなしでございましたわ。そんなこんなで楽しい一夜。演劇関係ではない友人はほんとうに貴重でございますわ。


5月2日 Thu  天然ロボット

 松岡規子ちゃんや高木珠里ちゃんが出ている天然ロボットを見に行く。トラムが満員だった。これで4月からの芝居ラッシュはほぼ終了だと思うが気のせいなのだろうか。終わった後は劇団員他周辺の人々で飲みに行く。15日にパフォーマンスをやるアジアンパームの地図を寺田くんに書いてあげたら、「住所だけ教えてくれたほうがマシだ」と言われた。それは私の地図が役に立たないということなのか。
 楽しく飲んで自転車で帰宅。


5月1日 Wed  人と会う一日

 今日は知らない人とたくさん会う日。11月公演に出てもらいたい俳優と会い、7月からやる制作ワークショップの件で打合せもする。こういう一日は楽しさ半分、根拠のない自己嫌悪感半分。話した内容とか会った人の問題ではなく、「人と会っている自分」が苦手ということね。もうちょっと前向きな人間になりたいよ。
 どーでもいいことなのだが、先月から日記に毎日タイトルをつけることにしたのだが、これがけっこう大変で、ただつけるだけなら大変じゃないのだが、洒落たタイトルにしようなどと思うと一仕事だということに気づき、結局毎日「そりゃあ中身そのまんまじゃん」というタイトルをつけてお茶を濁すハメに。
 ぼやき漫才みたいな日記で申し訳ないので、自転車で拾う町ネタシリーズをひとつ。詩森の住んでいるところの近くには運河沿いという場所柄、巨大な倉庫がたくさんある。そんな倉庫のひとつ。「東京部分肉センター」。「部分肉」それはいったい…。その部分肉倉庫の隣りにあるのが「東京定温」。いや、意味はわかるけど、なんかね、固すぎて逆にシュールなかんじよね。でもさ、晴れた日に運河の向こう「東京部分肉センター」と「東京定温」が並んでいるのは、詩森的にはなかなかグッとくる光景なのだった。誰も解ってくれないかもしれないけど。ちょっとムードが五月晴れっぽくなったところで(?)今日の日記はこれでおしまい。




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