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10月31日 Wed 忘れ物大王の意外に長い一日

 家にカード入りのサイフを忘れた。しかしなんといってもサイクラーなので、気づいたのは会社に着いてから。ジュースも買えない。お弁当があったので、なんとか食事だけは食べられたが、今日の稽古の後、小里くんのAAF戯曲賞受賞記念パーティーとやらがあり、ぜったいに飲みに行くことになっているのだ。そこで松岡にさっそくメールし、今日の飲み代は貸して下さい、とお願いする。そうまでして行く必要は全くないのだが、下戸のくせに飲み会にでるチャンスだけは無駄にしたくないダメなワタクシ。そんなこんなで飲み代は確保したけれど実は問題はこれで解決ということではなく、そのパーティには小里くんのイメージに合わせた花を一輪、持っていかなければならないという決まりがあるのだ。稽古の後では花屋も開いていないだろうが、なんといってもわたしは無一文だ。無一文ではとうぜんのことながら花なんか買えない。そしてこんな時に限って稽古前にチラシを受け取るため小里くんと会う約束があるのだ。小里くんに1000円借りれば・・・と一瞬アタマをよぎるが、お祝いすべき当人から借りたたお金で買ってきた花をあげるなどというのはいくら小里くんが家畜仲間とは言え、避けたいし避けるべきだろう。家畜にも家畜なりに最低限の仁義というものがある。そこで必死でカバンの中を物色するとナントあった。ありましたよ。「ニコス」のギフト券が1枚、1000円分。それを新宿の金券ショップで両替し、無事940円をゲットする。そのお金で無事、花と稽古のときの飲み物を買うことができた。小里くんのイメージで花というのもこれがなかなか難しく、「苔珊瑚」という小さな植物を買ってみる。「苔」は果たして花なのか。違うだろう。しかし「珊瑚」だ。そしてたとえ「苔」であってもそれを買うためにこんなにも苦労したことを知ったらさぞ小里くんも喜んでくれるにちがいない。
 そんなこんなで「セルロイド」の稽古を終えてから、松岡と偶然稽古場に来た寺田くんと今日はお休みだった皆木くんと愛ちゃんで会場へ。寺田くんは若い時分を知られている西山水木さんと再会し、ここ最近見たこともないようなしおらしい様子になり、松岡に「こんな少年のような寺田さんは見たことがない」と言われていた。こんどから寺田くんが不機嫌になったり偉そうな態度をとった時にはぜひ水木さんに稽古場にいてもらいたい詩森だ。
 そんなこんなで夜半すぎ帰ろうとした矢先に今日はバイトだった黒崎から電話がくる。なんとこれから自転車でくるという。それはさすがに帰るワケにはいくまいと思って待ってみる。1時も大きく過ぎたころ、黒崎到着。すぐに帰るという黒崎といっしょに帰ろうと思っていたら、陽介くんとのあいだで熱い討論になってしまい、気づいたら3時もとっくに回っていた。無一文だというのになんて長い一日だったことか。無一文なのに。しかも明日から門仲で稽古なのに。

10月30日 Wed トカゲはインドネシア語でトッケ

 タテヨコ企画を観にこまばアゴラへ。愛ちゃんがどーんと表紙になったアゴラ通信が配られていた。タテヨコ企画は動物園の飼育係の日常を描いたお話。動物園ではオオアリクイとか爬虫類館とかちょっとマイナーなものに燃えがちな詩森。このあいだ去年ナツメと仙台に行ったときの写真が出てきて、見たらヘビを体に巻き付け、これ以上はないくらい嬉しそうな顔をした自分がいて、さすがにこれはどうかと思ったが。劇中で昆虫好きな人と結婚する人の新婚旅行は昆虫採集なんじゃないか、とかそんなセリフがあった気がするが、詩森はコモド諸島でコモドオオトカゲを見たりしたいね。

10月29日 Tue 自転車操業

 懸案事項をいくつか片付ける。しかしまた懸案事項が湧き上がる。自転車は好きだけど、自転車操業はどうかと。とは言え今日も自転車三昧。品川→京橋→下北沢→品川。ほぼ30キロコースか。「寒いでしょう」といわれるけど、寒いのは最初の5分だけ。あとは暑いくらい。夏に比べればずっといいね。とは言え、そろそろ防寒対策と今日は左右違う手袋をして出かけた。オシャレではなく、どーしても片方づつしか見つからなかったから。稽古は「遠い球体」。もう仕上がってしまうのだけど、まだ最後のシーンは作らない。じっくりとね。

10月28日 Mon 夏バテ?

 気力でがんばると人はよく言うが、気力とは実は体力だと知る今日この頃。今、夏バテなんすよ。夏働き過ぎたね。もうぜんぜんダメ。なので夏バテにきくというオクラ納豆を食べている。2、3日続けたら多少元気になった。劇団仕事もフラジャイルの制作仕事も進んだね。今日は。そして稽古。今日はハッキリとした停滞。詩森が、ではなく稽古が。ふーむ。

10月27日 Sun 

 ユニークポイントの安木くんがなんと主演の芝居を観に西荻窪へ。えらくなったな。安木。で、稽古。微妙に停滞。稽古がというか詩森が。ああ、10月が終わってしまう。立て直さなくては。稽古を、というか、わたしを。

10月26日 Sat タイトルをつける気力もない

 「打合せ」なんてものをした後、下北沢をブラブラしてから稽古。なんてつまらない土曜日。打合せは実り多く、稽古はオモロイんですけどね。

10月25日 Fri 稽古のほかには何もなし

 今日は遠い球体特集。でも先には進まず、1場と2場を詰めていく。稽古後はとうぜんのように飲みに行く。当初1杯だけ、と言っていた山田氏は、帰り際、「もう一軒行こう」と皆を誘っていた。でもみんなちゃんと帰る。民主党の議員が殺され、モスクワでは劇場が占拠されたまま。そして、電車もあちこちで「公衆が線路に立ち入る」事態になっていたらしく、品川駅は興奮の坩堝と化していた。そんな中を泳ぐようにして帰宅。最寄り駅は品川。いつまでたっても不思議なかんじよ。

10月24日 Thu KATAN DOLL

 雨のせいで用事がなくなったため、気にかかっていた天野可淡さんの人形展へ。駐車場を改装したらしきスペースといい趣向を凝らした展示方法といい、実にすごかったよ。「人から語りかけられる人形」ではなく、「人に語りかける人形」を作りたいと生前、可淡さんはおっしゃっていたと言うが、もうなんかそんなことも超越しているかんじ。ある人形を見た瞬間わたしのココロの空洞に忍び込まれたように、唐突に涙がこぼれてしまった。添えられたキャプションを見たら俳優の滝沢修さんが所有していたという人形だった。作り手も所有者もこの人形は既に喪って、いまここにある。なんとも言えない気持ちになった。なかなか本物は見ることができないし、ビスクじゃないから劣化するため、それなりには寿命のある人形たち。ほんとうに貴重な機会なので、ぜひ。大江戸線新御徒町徒歩2分なんて地の果てみたいな場所で27日まで。

10月23日 Wed おやすみの日

 都内某所で美味しいものを食べ、楽しくお話してきました。詳細はナイショ。なにせオトナだからね。どのくらいオトナかというと、最近神経が昂ぶって眠ってもすぐ目が覚めてしまうため、寝酒を始めたくらいオトナなのだ。梅酒だけどね。

10月22日 Tue 日々酒席是好日?

 稽古が終わり今日は2チーム合同で飲みに行く。なんか今回、やっぱりオトコっぽいね。前回は男の子はひとりでしかもそれが皆木くんだったからね。なんだか楽しい酒席でしたわ。

10月21日 Mon 「セルロイド」初日

 本日は「セルロイド」初日。カッコいいよ。やはりというか。なんというか。男優ガチンコ勝負ってカンジ。稽古場がさ、オスの匂いで充満してたもん。すごいね。久保田さんも杉山さんも。初演の時、お客様の人気は「遠い球体」とか「精露路」のほうが高かったワケですが、詩森的にはとってもフェバリットな「セルロイド」。詩森のフェバリットというだけでマイナーコードに引っかかりそうだけど、この際気にしない。フランス映画、そうね、「仕立て屋の恋」とか好きな方はぜひいらして下さいませね。

10月20日 Sun ハムレットマシーン

 昼間はジンジャントロプスボイセイの「ハムレットマシーン」。とても面白かったけど、現在、詩森にはハイナー・ミュラー作品の感想を書くキャパシティが残されていないので、割愛。あいかわらずチャーミングな中島さんとちょっとおしゃべりしてから稽古場へ。「精露路」のチャレンジは続く。「遠い球体」はもう来週くらいには本番ができそうな勢い。それにしても和むね。このふたつの作品の稽古は。

10月19日 Sat 

 稽古場日記用に日記cgiをダウンロードしようとあちこち探したが、なかなかいいのがないね。ちなみに今回の稽古場日記はチーム対抗である。劇作家を擁する「遠い球体」チームと「精露路」チームのデットヒートは必至だが、「寄生植物園」チームは誰が書くかさえ不明である。そして未知数の「セルロイド」チーム。劇団ミーティングでは稽古場日誌の話がでるたびに寺田くんによる「音楽家日記」と小里くんによる「票券管理日記」のアイデアが話題にのぼるが、いまのところ怖くて誰もお願いにさえ行くことができてないのが残念である。ま、この際、なんでもいいからダウンロードして始めようっと。来週早々に開始予定。どうぞヨロシク。

10月18日 Fri 新演出

 「精露路」について新演出を決意し、稽古場でやってみる。ステキだけどたいへんかも。わたしがではなく、愛ちゃんが。稽古後はなぜかユニークポイントの2月公演の顔合わせに参加。というか、票券管理するんでとうぜんと言えばとうぜんなんだけど、突然言われてビックリしたのであった。なぜか松岡と皆木くんもついてきた。酒の匂いのあるところ必ずいるこのふたり。ステキそうな座組みでしたわ。

10月17日 Thu さいきん。

 日記、書きたくないんだよね。いい大人がいちいち今日はなにした、これした、って書くのもね。どうかと。あ、でもね、今日は精露路の初日だったのよ。楽しみにしていたの増田くん、愛ちゃんのコンビ。やっぱりいいわ。この取り合わせ。と、ゆーワケでこれから、あんまりなにしたこれしたって書かない日も出てくると思うわ。そこのトコ、ヨロシクね。

10月16日 Wed そして稽古

 黒崎がどうもワタワタとしていて、演技になっていないのだが、あのとおりビクビクしたキャラクタなので「怒ってもなあ」と様子を見ていたのだが、あいかわらず、慌てていて演技にならない。そこで業を煮やしていい加減にしろ、と言ってみた。いきなり演技が良くなった。叱るべきだったのか。きづかなかった。若い子の扱いはよくわからないわ。

10月15日 Tue オフ*オフ*オフ

 稽古も観劇もないおやすみの日。次のスズナリの脚本も書かなくてはいけないんだけど、それは来週からと決めて、今日はお芝居のこともロクに考えず、ジブンのココロのコトだけ考えて過ごす。本も読まない。なにもしない。ベトナムに行きたい。

10月14日 Mon 片付け

 先週旅行なんてものに行ってしまったためそのままになっていた公演の荷物をようやく整理。来週くらいはふつうの掃除ができるかも。フツウの掃除。なんだそれは。今日の稽古は寄生植物園。超ハイペースの「遠い球体」とは異なり、ノンビリペースで進んでいる。見学に来た松岡がそのあまりの稽古場のムードの違いに驚いていた。今日は飲みには行かずにまっすぐ帰る。自転車にはいちばんいい季節ですわ。

10月13日 Sun コイバナ

 バーズアイビューのセカンドラインという別路線(なんのコトはないコント集)を見てから稽古。今日は「遠い球体」。「遠い球体」チームというのは歴代なごやかなムードになってしまうが、今回もかなりそんなカンジ。終了後は「今日は飲みたいんだ」という山田さんの力強い宣言によって下北沢「庄や」。山田さんはその見た目からは想像もつかないが、かなりのラテン系のヒトなので、今日は、「恋の話」略して「コイバナ」でひとしきり盛り上がっていた。もう誰もついていけない。「詩森さんも恋をしなくちゃダメだ」と叱られたが、まあねえ。そんなこと言われてもねえ。恋ってしようとおもってするもんぢゃないでしょう。そんな山田さんの恋に落ちるポイントは「涙」と「帽子」だそうである。「詩森さんはどうなんですか」と詰め寄られたので仕方なく「『話し方』ですかねえ」と言ってみたら「ダメだ」と切って捨てられた。まったくねえ。ホントにねえ。

10月12日 Sat タイトルはありません

 天然ロボットの松岡規子ちゃんが出ているお芝居の公演を中野で。偶然いっしょに見ていたカスパーに出てくれた清滝と麒麟草に出てくれた奈々ちゃんとお茶。そして稽古。
 それから、アゴラで来年のスケジュールに関する打合せ。タイトルなんてつけたくない。そんないちにち。

10月11日 Fri 要注意人物

 所用あり、稽古の後陽介くんと、小里くんがバイトしている駐車場に行った。「お腹が減ったね」などと話していたら、陽介くんにいきなり「おごってくださいよ」と言われた。客演の俳優に稽古3日目で「おごってください」と言われたのなんてはじめてである。仕方なく1000円札を渡したら、200円しかお釣が帰ってこなかった。そういえば昨日の飲み会でも陽介くんは皆木くんからお金を借りていた。そして、今日は返すのかと思いきや、自転車がパンクして電車賃がないので更に1000円貸してくれと言われて皆木くんは貸したそうである。おもしろすぎる。渡辺陽介。フラジャイル所属。要注意人物である。

10月10日 Thu 三鷹「星のホール」への遙かな路

 昨日の日記にも書いたように三鷹まで黒崎に渡す明日の挟み込み分、500部を合わせチラシ1500部を運ぶ。その道のりのあいだに買ったばかりのキャリーカートが壊れ、それにともないチラシが路上に転がり、梱包が破ける、などたいへんなコトに。その後、壊れたキャリーカートをなだめすかしながら三鷹に向かうも電車から降りるのも、小さな段差さえもオオゴトとなり、実にドラマチックな展開になってしまった。まさにグッタリである。星のホールはにんじんボーンなので、出演者の大西さんと音響のタクヘイさんがいる。実はどうやっても本番見られそうもないので、会わないといーなー、と思っていたのに、やっぱり発見されてしまった。ひーゴメンナサイ。タクヘイさんには挟み込みを手伝ってもらってしまう。それもこれも劇団員が(以下昨日の日記に続く)
 おかげで稽古に遅刻。ペコペコと謝るワタクシ。もうぜったいこんなことは新人にやらせる、そう思うけど、気が弱くてきっと言えない。終了後は飲みに行く。やっぱりいちばんダメな人はワタシなのかもしれないわ。

10月9日 Wed 最後のひとりまでが全体である

 まずはスペースゼロで挟み込み。ひとりでやるつもりだったのだが、チラシがあまりに重いので、半分山田さんに持ってきてもらうようにお願いしたら、持ってきてくれた上に手伝ってくれた。こうしてどんどん山田さんに頭が上がらなくなっていく。それもこれも劇団員が(吉川以外)あまり働かないからである。明日も奈良に挟み込みを頼んだら「予定が入ってます」と実に簡単なメールが来た。ということはワタシが稽古前に三鷹まで行かねばならないのだ。ちょっとは想像力を働かせてほしいモノだ。
 頭が上がらないもう一翼の小里くんとスズナリで燐光群。スズナリに行くと、空舞台になっている舞台の方から客入れされた。お芝居は「どこが」とはハッキリ言えないけどとても面白かった。実はタイトルだけ見てとっても不安だったんだけど、タイトルの意味を探っていくような構成そのものが、個と世界、世界と個、なにが個人主義でなにが全体主義なのか、そういったものを行ったりきたりしながら、ベクトルが放射状になっているかんじで興味深かった。ラスト、タイトルは世界に対する大きななぞなぞのように残される。ポツンとスポットの中に。こんなシチメンドウなテーマをメタの手法を使いつつ、エンターテインメントとして提出する手腕には驚きだ。どうでもいいが、坂手さんは今年、絶好調すぎるのではないだろうか。もしかしたら死んでしまうのではないか、などと心配になる。
 終演後は沖縄料理。理屈っぽいことにかけては人後に落ちない小里くんだが、こと食事に関しては、かなり無防備に油断しているのがいつもながら興味深い。沖縄料理は小里くんには未知の領域だったらしく、何かと反応が面白かったことだよ。

10月8日 Tue 稽古2日目

 今日は「遠い球体」の稽古。ドアを開けたら当たり前のことだけど山田さんがいた。今月中くらいにはこの情景に慣れたい詩森だ。読み合わせを2回して、あとは軽くお話。「遠い球体」は読み稽古などしてもあまり役に立たないので、次回からは立ち稽古にします、と指示を出し、今日は多少早めに上がって飲みに行く。今回、「精露路」以外は飲みたがりばかりのチームなのだ。俳優は1/4だからいいとして毎日飲みに行っていてはお金もカラダも持たない。気を付けたい、と思いつつ、今日も飲むワタクシ。なんだかんだといちばんダメな人はわたしなのか。そうなのか。グッタリしつつ、深夜、帰宅。

10月7日 Mon 稽古初日

 今日から稽古開始。今日は「寄生植物園」。寺田氏が来て、読み合わせを録音。劇団員はその後反省会。反省ちゅーてももう次の稽古が始まっているので、まあ、反省と対策というかんじ。ここだけの話ね、凄かったのよ。「箱庭の地図」動員が。マイナスの意味でね。ほらほら。そこの日記だけロムしてて見に来なかったアナタ。責任、かんじてほしーなー。お芝居はね、みそこねたらおんなじものは見れないんだからねー。なので、「病の記憶」はいきなりどーしたことかの背水の陣に立たされているのであった。いくら逆境好きとは言え、さすがにキビシー。でもまあ、がんばりまーすーよー。みなさんもがんばってねー(何を?)。10/19(土)チケット発売。土日は競争厳しそうです。ぜひ。

10月6日 Sun 法隆寺と薬師寺

 まあ究極は、法隆寺と薬師寺に行ければいいのである。そして法隆寺の百済観音と薬師寺の聖観音、そして法隆寺の伽藍と薬師寺の東塔を拝観すればいいのだ。すばらしいよ。なんど見ても。奈良、ここに極まるかんじ。そんなこんなで奈良旅行も終わり。明日からはまた稽古の日々がはじまるのだな。

10月5日 Sat 山の辺の道

 奈良に行っても自転車である。事前に相当調べたのだが、明日香以外ではマウンテンバイクを借りることができない。慣れないママチャリをレンタルして、「乗りづらい」と文句を言いながらも、しかし、相当乗り倒した。モトは十分取ったと思う。というワケで今日は最古の道と言われる「山の辺の道」自転車紀行。まずは白毫寺で萩を愛で、古墳やら寺やら見ながら天理市まで。ここで自転車を置いて、電車に乗って三輪。三輪から歩いていくつかの寺をまわり、バスに乗って天理へ。天理からはまた自転車。地図で確認してもらえればわかるが、我ながらタフな旅である。で、夜はまたペピタに行く。昨日食べられなかったものを食べ、大満足。山の辺の道では、喜多美術館という個人でやっている美術館に行ったのだが、小さい美術館ながら所蔵がけっこうツボで楽しかった。ルノアールとかゴッホとかピカソとかビックネームがズラッと並ぶが、なんというかそれらは全て「ナンチャッテ」、なかんじで、べつにどうということもない。マイ・モスト・フェバリットの佐伯祐三も一枚展示されていたけど、第1回渡欧時のものということで、まだ筆致が伸びやかではない。藤田嗣治やキリコはよかったけどまあそのへんはフツウというかんじ。にも関わらずツボ激震であったそのワケは、なんとデュシャンとヨーゼフ・ボイスだけを集めた部屋があったからだ。デュシャンはともかくヨーゼフ・ボイスだよ。こんな奈良の山の中でヨーゼフ・ボイスのこれほど充実した展示に出会うなんて誰が予想する?ヨーゼフ・ボイス。ああ。わたしの青春時代。ワケもわからず、スタジオ200や西武美術館に通った日々よ。そして抄録を見たらこれまた詩森ツボ直撃のハンス・ベルメールの版画があったのだが、いくら探しても見つからず、貸し出しでもしているのかしら、と館の人に聞いたらにべもなく「あ、それは来年からの展示です」だと。なんだよ。そりゃ。書くなよ。そんなもの抄録に。その他、小規模ながらアンディー・ウォーホールのハインツのダンボール箱の立体や毛沢東のリトグラフ、特別展示がルドンのリトグラフとけっこう通好みのセレクトが泣かせる美術館であった。皆様三輪にでかけることがあったらゼヒ。そして、今日のハイライトはなんといっても天理市。あれはもう外国ね。すごかったなあ。

10月4日 Thu 奈良の休日

 わずかな休みを利用し奈良へ行く。例によって朝一番の飛行機に乗り、伊丹へ。そこからシャトルバスで奈良。奈良もこれだけ来てるとほとんどの場所は回ってしまっているので、今日は少し足を伸ばして伊賀の里へ。そう。あの忍者で有名な伊賀ですな。とても古い小学校や、昭和の初めに再建された木造の城などがあって、それなりには楽しかったけど、忍者屋敷はこれは如何なものかというシロモノ。これなら金沢にある忍者寺のほうがずっと面白かった。というか、そんなにアチコチで忍者関係を観光しているわたしこそ如何なものか、というカンジだが。そして奈良へと舞い戻り、奈良公園で鹿にセンベイをあげるという年中行事をこなす。子鹿がたくさんいたので子鹿にセンベイをやろうと試みたが、@子鹿はまだ人間を怖がる A親鹿関係はことセンベイとなると子供であっても躊躇なく突き飛ばす、等の理由で子鹿にセンベイをあげるのは意外に難しいのであった。特に一匹ボス格のオス鹿が、ものすごく怖く、突進してきて突き飛ばされた。ちょうど鹿の角切りのハイシーズンであり、角が切られたばかりだったからいいようなものの、アレは角を切ってなかったら、かなり危なかったのではと思う。そして夕食はキッチンペピタへ。ここは洋風創作料理といえばいいのか、ほんとうに何を食べても美味しい。そして安い。前に来たとき発見して、どうしてもまた来たかったので、念願叶っての再訪である。夕食後はホテルに帰り、一瞬で寝てしまう。時間はまだ午後8時。どうでもいいが、今回のホテルは民宿より安いと思われる値段が決め手となり選択しのだが、それだけあって何もかもが最悪で、けっこう楽しい。白いところはたいてい薄汚れており、シャワーは湯温も湯圧も安定しない。フロントの人が皿洗いもこなしているらしく、しょっちゅうフロントにいないので、鍵をもらうのも一苦労だ。ここもダメだ、あそこもひどいとはしゃいでいたら、菅原さん(詩森夫)に「いいかげんにしなさい」と怒られた。気にいっていただけなんだけど、わかってもらえず残念である。詩森が旅行に行ったからには旅行記がまた書かれるかと期待している方もいるかと思うが、もう関西について書くのも飽きたし、忙しいしで、今回はふつうの日記でろば紀行をお楽しみ下さいませ。

10月3日 Thu COVER

 reset−Nの「COVER」を観にギャラリールデコへ。主役の水野さんという女優さんがとてもよい。柔らかく刹那的。相手役の杉山さんもハマリ役。夏井さんのようなタイプの芝居はああいうスピリチュアルなものを無条件に感じさせる俳優がいるとグッとよいなあ、などと思う。努力ではなんともならないものが求められるタイプのお芝居なのね。テキストだけならもっといいテキストも夏井さんにはあるような気もするけど、少しざんねんだな、という俳優さんもなかにはいたけど、よい上演だった。どーでもいいコトだけど、受付に町田カナさんがいて、なんだか神々しいようにうつくしかったわ。

10月2日 Wed ダミアンを見る

 今日は寺田くんとダミアンという劇団を見に行った。すごい舞台装置でビックリした。主役もその装置と演出家自らがプランニングする照明という趣で、最後は無人の装置がカーテンコールがわりに浮かび上がるのも徹底していた。ここの主宰は犬なのだが、その犬も出演していた。犬といえば詩森には犬ぞりを芝居に出したいという野望がある。しかもその犬ぞりはチワワが100匹くらいで引いているのだ。そのようなアイデアは山のようにあるのだが、どうにも作風と合わず断念せざるえないのは残念なことだよ。

10月1日 Tue 縁うどん店

 けっこう美味しかった会社の下のお弁当屋さんがなくなってうどん屋になった。太打ちの手打ち麺がウリらしく美味しそうだったので、できてすぐに行ってみたら、これがおどろくほど不味い。だいいち立ち食いでもないのに出汁が化学調味料だ。こりゃすぐつぶれるな、と思っていたら、朝な夕なに大繁盛である。なぜだ。心を入れ替えて出汁をとるようにしたのだろうか、硬いだけで滋味のない麺も少しは改善されたのだろうか、と好奇心に負け行ってみるとやっぱり不味かった。なんてことだ。今日は台風にも関わらず、合計3500枚くらい挟み込みをした。風雨がいちばん激しい時刻、あのチラシを持って新宿付近を彷徨するワタクシ。弱小劇団とはかくも無情なものだ。




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